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20.外してあげる※

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 彼は下唇を噛み、屈辱に耐えながらオイルまみれの手を拭いて、ベストのボタンへ指をかけた。
 
 ベッドから降りて後ろを向き、外したベルトの金属音を立てながらズボンを脱いで、先に脱いでいた燕尾服の上着をかけていた部屋の壁際に置かれた椅子の背もたれに、ベスト、ズボン、ネクタイ、ワイシャツと脱いだ順に次々とかけていった。
 
 むき出しになっていく彼の無駄な贅肉のない筋肉質な若い背中を私はうっとりと眺めた。
 それになんと色気のある腰つきをしているのだろう。

 下着一枚になった彼は、

「これでよろしいでしょうか……」

 とこちらを向いて恥ずかしそうに私を睨んだ。

「全部と言ったでしょう?」

 貞操帯で不自然に膨らんでいる下着の前を見つめながら私は言った。

 ピカピカに磨かれた革靴と靴下を丁寧に脱いで床に揃えて置き、彼は後ろを向いて下着を脱いだ。引き締まったきれいな尻に私が見惚れている間に、彼は恥ずかしそうに戒めの上で両手を重ねてこちらを向いた。

 私は彼の二の腕を掴んで、ベッドの上でひざ立ちになるよう促した。

「まずはそれを外してあげる。手を退けて」

 彼は不安そうな顔をしながらゆっくり手を退け、七日間つけっぱなしだった貞操帯を差し出した。

 興奮しているのに上を向けない肉棒は金属の中で妙な形に膨らみ、ハムのように網目へ食い込んでいる。

 うつ伏せで寝転ぶ時に枕の下へ隠しておいたカギを取り出してカッチャっと開錠してやった。先走りでぬるりとした金属から解放されるなり、彼のものはビクビク震えながら膨らんで腹に着くほど反り返った。

「ふふ、すごいわ」

 恥じらって赤くなった顔を背ける彼の腰を掴んで、私はこれ以上ないほど顔を近づけて逞しい屹立の匂いを嗅いだ。

 七日も洗浄を制限されていたにもかかわらず彼のそこからは悪臭がしなかった。その代わりに彼のフェロモンなのだろうか、頭がくらくらするほどの魅力的な香りを放っていた。さすが清潔感の塊のような彼だなと思った。

「そのような場所、嗅がないでくださいっ」

 スチュアートは逃げるように私に背を向けてそのままベッドの上へ座った。その肩へ手を置いて、

「ほら、マッサージの続きをしましょう」

 と私は声をかけたが、大量の先走りを垂らしながら情けないほど勃起しているペニスを、これ以上見られたくない彼はこちらを振り向かない。

 私はベッドサイドに置かれていたオイルを取って、彼の背中にとろりと垂らした。

 ビクッと彼の肩が震えた。

「お嬢様、何を……」

「あなたがマッサージしないから私がしてあげることにしたのよ」

「わたくしは結構でございますっ」

 彼が抵抗しだす前に強引に背中を押して彼をうつ伏せに寝かせ、私は彼の上へ覆いかぶさった。そしてその男らしい肩や腰へ大きく張りのあるお乳を擦り付けた。
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