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32.明らかになった真実
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「わしがベンジャミンからこのことを告白されたのは数日前のことじゃった。死んだものとばかり思っていたアレクサンダーが生きているのは喜ばしいことだったが、まさか愛していた王妃がわしの息子を殺そうとしただなんて信じられなかった」
国王は王妃に鎌をかけることにした。
「ルイスはどうも性格が穏やかで優しすぎて国王という器ではない。王位継承順位通りではないが、わしの弟の息子であるジョージは精悍で頼もしい青年だ。わしは以前から彼こそ王に相応しいと思っておる」
と王妃に言ったのだ。
激怒した王妃は再びベンジャミンに国王の食事に薬を混ぜて暗殺するよう命令した。
彼女はアレクサンダー王子の殺害が成功したと信じてベンジャミンをすっかり信用していたのだ。
しかしベンジャミンは王妃が国王暗殺を命令してきたことを国王に告げた。
国王はベンジャミンにアレクサンダー王子に飲ませた仮死状態になる薬物を用意させ、それを飲んで倒れた。
「わしは朦朧とする意識の中で確かに聞いたぞ。よくやったわ、ベンジャミンと、お前がベンジャミンを褒める声をっ!」
兵士に取り押さえられた王妃は、アレクサンダー王子と国王の殺害を命令したこと、そして金銭でメイドを買収しアレクサンダー王子の母である前王妃の食事へ毒を混ぜて殺害したことも認めた。
国王は王妃を打ち首にしようと考えているとその場で言ったが、ルイス王子にしてみればそれはショックなことだった。
「父上、母上は僕のために兄と父上の暗殺を計画しました。母上のしたことは許されないこととは承知の上です。ですから母上を打ち首にするのなら僕も同じ刑を受けます」
と優しいルイス王子が国王陛下の前に跪いて懇願した。
結局、ルイス王子に免じて国王は王妃を国外追放で許してやることにした。
死んだはずの国王が生き返り、王位継承順位が上の兄まで戻ってきてしまって、国王への即位寸前だったルイス王子にしてみれば残念なことのような気もしたが、彼はただ単に父と兄の生還を心から喜んでいた。
国王が戻った。アレクサンダー王子も戻って来た。
国民は喜びに沸いた。
国王即位の式典はアレクサンダー王子に王太子の冠が再び授与される式に切り替わった。
国王陛下から頭上に冠を授与されたアレクサンダー王子を見て、私は安堵すると共に少しだけ寂しい気持ちで見つめた。
森の屋敷で一緒に暮らした彼が遠い世界の人になってしまったんだと思ってぽろっと涙が零れた。
彼が私のピンチに駆けつけて、クレーエに乗せてくれることももう二度とないだろう。
国王は王妃に鎌をかけることにした。
「ルイスはどうも性格が穏やかで優しすぎて国王という器ではない。王位継承順位通りではないが、わしの弟の息子であるジョージは精悍で頼もしい青年だ。わしは以前から彼こそ王に相応しいと思っておる」
と王妃に言ったのだ。
激怒した王妃は再びベンジャミンに国王の食事に薬を混ぜて暗殺するよう命令した。
彼女はアレクサンダー王子の殺害が成功したと信じてベンジャミンをすっかり信用していたのだ。
しかしベンジャミンは王妃が国王暗殺を命令してきたことを国王に告げた。
国王はベンジャミンにアレクサンダー王子に飲ませた仮死状態になる薬物を用意させ、それを飲んで倒れた。
「わしは朦朧とする意識の中で確かに聞いたぞ。よくやったわ、ベンジャミンと、お前がベンジャミンを褒める声をっ!」
兵士に取り押さえられた王妃は、アレクサンダー王子と国王の殺害を命令したこと、そして金銭でメイドを買収しアレクサンダー王子の母である前王妃の食事へ毒を混ぜて殺害したことも認めた。
国王は王妃を打ち首にしようと考えているとその場で言ったが、ルイス王子にしてみればそれはショックなことだった。
「父上、母上は僕のために兄と父上の暗殺を計画しました。母上のしたことは許されないこととは承知の上です。ですから母上を打ち首にするのなら僕も同じ刑を受けます」
と優しいルイス王子が国王陛下の前に跪いて懇願した。
結局、ルイス王子に免じて国王は王妃を国外追放で許してやることにした。
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森の屋敷で一緒に暮らした彼が遠い世界の人になってしまったんだと思ってぽろっと涙が零れた。
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