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第四章 最悪の未来
19.呪いを解けるのは……
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中にはピンク色の筒状のものが入っていた。
手に取ってみるとプルプルと柔らかいそれは、貫通している穴の片側が何やら妖しい形をしている。
花のようにも貝のようにも見ようと思えば見えなくはないけど、たぶんそれは女性の淫花なのではないかなと思った。
穴の中を覗くと色々な凹凸があり、場所によって狭くなったり広くなったりしている。
「これは……、もしや、女性の……?」
顔を熱くして困る私の反応を見てレベッカさんはニヤニヤと楽しそうに顔を歪めた。
「そうじゃ。あの子の辛抱がきかん日はそれで慰めてやれば落ち着くはずじゃ」
これを女性器代わりに彼のあそこにはめるのか。
想像して私は火が出そうなほど顔が熱くなった。
こんなもので彼のあれを扱いたら耐性のない彼はまたとろとろになって悦ぶだろう。
先日の彼のとろけた顔を思い出して私の心臓は激しい鼓動が静まらない。
彼女はハーブティーを一口飲んでから続けた。
「知っているとは思うが、あの子とは決して交わってはならんからのう」
「サキュバスになってしまうからですよね」
「……ん? お前さん、何も聞いておらんのか?」
レベッカさんは目を丸くして驚いていた。
「彼の呪いが特殊で解けないってことは聞きましたけど……」
「確かにそうじゃ。悪魔の呪いを解くために一般的な魔法陣を書いて呪文を唱える方法は散々試したんじゃ。わしはその方法で何人もの悪魔の呪いにかけられた人々を救ってきたが、あの子の呪いはそれでは解けなかった。それで普通の悪魔の呪いよりも邪悪で強力な呪いだと気付いたんじゃ」
「……シエラはこのまま一生呪われたままなのですか?」
「あの呪いを解けるのは聖女の特別な浄化魔法だけじゃな」
それを聞いて私は落胆した。この国は何十年も前から聖女が不在なのだ。近隣の国々にもいない。
「では聖女様を探して異国まで旅に出るしかないのですね……」
「いや、危険を冒して探し回っても簡単に聖女は見つからんじゃろう。それよりもお前さんが聖女として能力を開眼させて、あの子の呪いを解く方が手っ取り早いんじゃ」
修道院のみんなが冗談半分で私を「聖女のうつわ」と呼んでいることを、レベッカさんは知っているのか。
「みんなが勝手に言っているだけで、私が聖女だなんて、そんな……」
「先日お前さんを一目見た時、何やら普通の娘じゃないと感じて魔法の水晶でお前さんの能力を覗かせてもらったんじゃ。お前さんはこの国でただ一人、聖女になる可能性を秘めた逸材じゃ」
驚いた。まさか私が本当に「聖女のうつわ」だったとは。
「……私、シエラの呪いを解くことが出来るのであれば、聖女になりたいです」
「聖女になるには処女でいることが必須じゃからな、それで何か力になってやろうと今日はそれを持ってきたんじゃ」
レベッカさんはさっきのピンクの妖しいものの入った袋を指差し、しわの深い顔でにっこりと頷いた。
「さて、そろそろ帰るかの」
ゆっくりと椅子から立ち上がったレベッカさんは外へ出て、何かゴニョゴニョと呪文を唱えたと思ったら、煙を撒いて若い巨乳魔女の姿になった。
目を丸くしている私に、
「ふはは、この姿の方が動きやすくてな」
と言いながら、ムチムチの太ももを丸出しにしてミニスカートでほうきへまたがった。
「また来るでの」
こちらに投げキッスをしながらウインクをしたと思ったら、あっという間に空へ上がり、町の方向へ飛んで行った。
手に取ってみるとプルプルと柔らかいそれは、貫通している穴の片側が何やら妖しい形をしている。
花のようにも貝のようにも見ようと思えば見えなくはないけど、たぶんそれは女性の淫花なのではないかなと思った。
穴の中を覗くと色々な凹凸があり、場所によって狭くなったり広くなったりしている。
「これは……、もしや、女性の……?」
顔を熱くして困る私の反応を見てレベッカさんはニヤニヤと楽しそうに顔を歪めた。
「そうじゃ。あの子の辛抱がきかん日はそれで慰めてやれば落ち着くはずじゃ」
これを女性器代わりに彼のあそこにはめるのか。
想像して私は火が出そうなほど顔が熱くなった。
こんなもので彼のあれを扱いたら耐性のない彼はまたとろとろになって悦ぶだろう。
先日の彼のとろけた顔を思い出して私の心臓は激しい鼓動が静まらない。
彼女はハーブティーを一口飲んでから続けた。
「知っているとは思うが、あの子とは決して交わってはならんからのう」
「サキュバスになってしまうからですよね」
「……ん? お前さん、何も聞いておらんのか?」
レベッカさんは目を丸くして驚いていた。
「彼の呪いが特殊で解けないってことは聞きましたけど……」
「確かにそうじゃ。悪魔の呪いを解くために一般的な魔法陣を書いて呪文を唱える方法は散々試したんじゃ。わしはその方法で何人もの悪魔の呪いにかけられた人々を救ってきたが、あの子の呪いはそれでは解けなかった。それで普通の悪魔の呪いよりも邪悪で強力な呪いだと気付いたんじゃ」
「……シエラはこのまま一生呪われたままなのですか?」
「あの呪いを解けるのは聖女の特別な浄化魔法だけじゃな」
それを聞いて私は落胆した。この国は何十年も前から聖女が不在なのだ。近隣の国々にもいない。
「では聖女様を探して異国まで旅に出るしかないのですね……」
「いや、危険を冒して探し回っても簡単に聖女は見つからんじゃろう。それよりもお前さんが聖女として能力を開眼させて、あの子の呪いを解く方が手っ取り早いんじゃ」
修道院のみんなが冗談半分で私を「聖女のうつわ」と呼んでいることを、レベッカさんは知っているのか。
「みんなが勝手に言っているだけで、私が聖女だなんて、そんな……」
「先日お前さんを一目見た時、何やら普通の娘じゃないと感じて魔法の水晶でお前さんの能力を覗かせてもらったんじゃ。お前さんはこの国でただ一人、聖女になる可能性を秘めた逸材じゃ」
驚いた。まさか私が本当に「聖女のうつわ」だったとは。
「……私、シエラの呪いを解くことが出来るのであれば、聖女になりたいです」
「聖女になるには処女でいることが必須じゃからな、それで何か力になってやろうと今日はそれを持ってきたんじゃ」
レベッカさんはさっきのピンクの妖しいものの入った袋を指差し、しわの深い顔でにっこりと頷いた。
「さて、そろそろ帰るかの」
ゆっくりと椅子から立ち上がったレベッカさんは外へ出て、何かゴニョゴニョと呪文を唱えたと思ったら、煙を撒いて若い巨乳魔女の姿になった。
目を丸くしている私に、
「ふはは、この姿の方が動きやすくてな」
と言いながら、ムチムチの太ももを丸出しにしてミニスカートでほうきへまたがった。
「また来るでの」
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