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第六章 ありのままに生きる (龍之介side)
47.僕の嫉妬☆
しおりを挟む 翌日、エリカさんの通っていたお嬢様学校である中高一貫校時代のクラスメイトだという菜々美さんがやってきた。
ボーイッシュなショートヘアが印象的な美しい女性だった。
すらりとした細身で、丈の短めな紺のパンツスーツがよく似合っていた。
怜一郎さんはこの初対面の菜々美さんを、エリカさんの用意した台本通りに、
「偶然、エリカのヴァイオリンのコンクールで出会ったのをきっかけに、長年お付き合いしています」
と彼の両親に紹介した。
些細なことをきっかけに本当のことがバレやしないかと会食に同席した僕は気が気ではなかったが、そんなのは僕の取り越し苦労だった。
菜々美さんもエリカさんの台本を完全に頭に入れてきたようで、上品で落ち着いたしゃべり方でハキハキと色々なことを話し、両親は菜々美さんをとても気に入った様子だった。
手厳しい義母さんはニコニコして、
「怜一郎はどうも少し抜けているところがあるから、こういうしっかりとした方と一緒になるなら私も安心だわ」
と喜んでいた。
それからあっという間に結納をし、結婚式の日取りが決まり、スムーズに事が運んだ。
結婚式当日の控室。白いタキシードに身を包んだ怜一郎さんを見つめ僕は心をモヤモヤさせていた。
「なんだよ、龍之介、お前が浮かない顔をしているなんて珍しいな」
これからあなたは神とそして多くの参列者の前で僕以外の菜々美さんという人間と永遠の愛を誓うのです。
それが演技だとは重々承知しています。
でも狂おしいほどあなたが好きな僕は例え嘘の挙式でもやっぱり嫉妬せずにはいられないのです。
「……いえ、新郎の衣装がよく似合うなと思っただけです」
本音を押し殺して僕はそう答えた。
「そうか」
鏡の前でセットされた前髪を軽くかき上げる怜一郎さんの背後へ、僕は静かに歩み寄った。
迷ったけど、やっぱり僕の考えてきた計画を実行しよう……。今がそのチャンスだ。
僕は自分自身に軽く頷いて、後ろから怜一郎さんのウエストへ手を回した。
素早くベルトを外してズボンと下着を下ろし、彼の白い双丘を丸出しにした。
「……おいっ! 何してるんだよっ!」
突然下半身を露出された彼は、驚いて抵抗した。
しかし僕は動じず、自分のジャケットの内ポケットからある黒いものを取り出して、シリコンの輪っか部分を彼の陰茎の根元へはめ込み、輪っかの延長上のシリコンのヒモ部分を彼の二つのタマの間に宛がい、その先の三段の団子のような黒いものを彼の蕾へぬぷっ、と挿入した。
「な、なんだよこれっ!」
「コックリング付きアナルプラグです。怜一郎さんが結婚式の最中に退屈しないよう僕が用意しておきました」
「こんなものをつけて式に出られるかよっ! 早く取ってくれ!」
彼は慌てて反応を始めたペニスからコックリングを抜こうとするが、アナルプラグがぐっと奥まで刺さっているので外れるわけがない。
「怜一郎さんが自分からプラグを前立腺へ擦り付けなければ大した刺激にはなりませんから式が終わるまでそのままで大丈夫ですよ」
「大丈夫なわけがあるかっ! 外せっ!」
「おっと、時間ですね。そろそろ式場の人が来ますから、早くズボンを穿いた方がいいですよ」
タイミングよくスタッフが部屋をノックした。
「ご準備はいかがですか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれっ」
彼は大慌てで衣服を整えた。
「プラグはそのままにしてください。勝手に外したら結婚式の場であなたがゲイだとバラします」
「なにっ!?」
結婚式にはもちろん宝条ホールディングスの幹部たちもやってくる。そんな場所でバラされるのは避けたいに決まっていた。
ボーイッシュなショートヘアが印象的な美しい女性だった。
すらりとした細身で、丈の短めな紺のパンツスーツがよく似合っていた。
怜一郎さんはこの初対面の菜々美さんを、エリカさんの用意した台本通りに、
「偶然、エリカのヴァイオリンのコンクールで出会ったのをきっかけに、長年お付き合いしています」
と彼の両親に紹介した。
些細なことをきっかけに本当のことがバレやしないかと会食に同席した僕は気が気ではなかったが、そんなのは僕の取り越し苦労だった。
菜々美さんもエリカさんの台本を完全に頭に入れてきたようで、上品で落ち着いたしゃべり方でハキハキと色々なことを話し、両親は菜々美さんをとても気に入った様子だった。
手厳しい義母さんはニコニコして、
「怜一郎はどうも少し抜けているところがあるから、こういうしっかりとした方と一緒になるなら私も安心だわ」
と喜んでいた。
それからあっという間に結納をし、結婚式の日取りが決まり、スムーズに事が運んだ。
結婚式当日の控室。白いタキシードに身を包んだ怜一郎さんを見つめ僕は心をモヤモヤさせていた。
「なんだよ、龍之介、お前が浮かない顔をしているなんて珍しいな」
これからあなたは神とそして多くの参列者の前で僕以外の菜々美さんという人間と永遠の愛を誓うのです。
それが演技だとは重々承知しています。
でも狂おしいほどあなたが好きな僕は例え嘘の挙式でもやっぱり嫉妬せずにはいられないのです。
「……いえ、新郎の衣装がよく似合うなと思っただけです」
本音を押し殺して僕はそう答えた。
「そうか」
鏡の前でセットされた前髪を軽くかき上げる怜一郎さんの背後へ、僕は静かに歩み寄った。
迷ったけど、やっぱり僕の考えてきた計画を実行しよう……。今がそのチャンスだ。
僕は自分自身に軽く頷いて、後ろから怜一郎さんのウエストへ手を回した。
素早くベルトを外してズボンと下着を下ろし、彼の白い双丘を丸出しにした。
「……おいっ! 何してるんだよっ!」
突然下半身を露出された彼は、驚いて抵抗した。
しかし僕は動じず、自分のジャケットの内ポケットからある黒いものを取り出して、シリコンの輪っか部分を彼の陰茎の根元へはめ込み、輪っかの延長上のシリコンのヒモ部分を彼の二つのタマの間に宛がい、その先の三段の団子のような黒いものを彼の蕾へぬぷっ、と挿入した。
「な、なんだよこれっ!」
「コックリング付きアナルプラグです。怜一郎さんが結婚式の最中に退屈しないよう僕が用意しておきました」
「こんなものをつけて式に出られるかよっ! 早く取ってくれ!」
彼は慌てて反応を始めたペニスからコックリングを抜こうとするが、アナルプラグがぐっと奥まで刺さっているので外れるわけがない。
「怜一郎さんが自分からプラグを前立腺へ擦り付けなければ大した刺激にはなりませんから式が終わるまでそのままで大丈夫ですよ」
「大丈夫なわけがあるかっ! 外せっ!」
「おっと、時間ですね。そろそろ式場の人が来ますから、早くズボンを穿いた方がいいですよ」
タイミングよくスタッフが部屋をノックした。
「ご準備はいかがですか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれっ」
彼は大慌てで衣服を整えた。
「プラグはそのままにしてください。勝手に外したら結婚式の場であなたがゲイだとバラします」
「なにっ!?」
結婚式にはもちろん宝条ホールディングスの幹部たちもやってくる。そんな場所でバラされるのは避けたいに決まっていた。
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