【本編完結】ゲイバレ御曹司 ~ハッテン場のゲイバーで鉢合わせちゃった義弟に脅されています~

衣草 薫

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第五章 踏みにじられた俺の心 (怜一郎side)

44.自分で開いて見せて※

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「自分で開くって……、どこを……?」
 龍之介のとんでもない提案に、俺は戸惑い目を泳がせた。
「決まっているでしょう、あなたの大事なところですよ。指で開いて僕に奥まで見せてください」
 もちろん聞かなくてもわかっていた。
 でもそこを自分で開いて見せるなんて、そんなことすんなりやれるわけがない。

「僕に見せられないんですか? ……やましいことがあるんですね?」
「違うっ……」
 やましいことなんてない。
 自分からあの公園へ行ってしまったのは事実だから、後ろめたさが全くないわけではないけど……。
「じゃあ見せてくださいよ……」
 龍之介は今にも泣き出しそうな顔で俺を見ている。
 俺があんな公園にいると知ったとき、彼も不安だったんだろう。
 その顔を見ていると自分の愚かさが身に染みた。

 俺は覚悟を決め、胸をドキドキさせながら、四つん這いの姿勢でベッドへ上がった。
 後ろをチラッと振り返ると龍之介が俺の尻を凝視している。
 恥ずかしさに震えながら俺は前へ向き直り、臀部へ回した片手で尻たぶを広げて見せた。
 蕾がクパッと口を開き、内側へ空気が流れ込む感触がした。
「これで、いいか……?」
 龍之介の方を振り向いて尋ねると、彼はとろけるような表情でゴクッと喉を鳴らし、
「すごいです……、怜一郎さんのナカが丸見えです……きれいで柔らかくてうねうねしてて……」
 と言いながら俺の双丘を両手で鷲掴みにした。
 そして蕾へちゅっとキスし、狭い孔へ舌をぬぬぬ……と突き刺した。

「ッんん……」
 ここを舐められるのは初めてではないが、俺はいつも何の躊躇いもなくこんな場所を舐める龍之介の神経を内心疑っている。
 当の本人はそんなことお構いなしに、ぬちゅっ、ぬちゅちゅ……と音を立てて、ひだひだを舐める。
 出入りを繰り返しながら次第に舌はヌチュ、ヌチュゥ……と奥へ奥へと進んでいく。
 体内をぺちょぺちょと舌が這いずる感覚に、俺は背筋を震わせて懇願した。
「も、やめてくれ……っ」
 バキバキに反り返っている俺の屹立からシーツにぽたぽた……と蜜がしたたり落ちる。

 いつもは俺の訴えを聞き入れてくれない彼だが、今日はすんなりと舌の動きを止めて、俺の尻から顔を遠ざけた。
 やめてくれとは言ったが、まさかこれで終わりにする気か、と俺はモヤモヤした。
 俺のペニスはまたもや達する直前でおあずけを食らった状態だ。

 しかし背後からはベルトを緩める金属音とファスナーを開ける音が聞こえてきた。
「怜一郎さん……っ」
 龍之介は四つん這いの姿勢だった俺の肩を掴んで柔らかなベッドの上へ仰向けにひっくり返した。
 悲しそうな表情の彼と目が合った。
「僕が悪かったんです。僕がどれほどあなたを愛しているかもっとしっかり伝えていれば、あなたは何があっても僕を信じられたのに……。今夜改めて、全身全霊であなたに僕の愛情の深さを伝えたいと思います」
 真顔で頬をポッと赤らめた龍之介に俺の心はドキッとときめいた。
 唇と唇を重ね、俺の下唇をちゅっと吸った。
 そしてゆっくりと顔を離して真剣にこう呟いた。
「受け止めて、……くれますよね?」
 照れくささに少しにやけながら、俺はコクッと頷いた。
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