【本編完結】ゲイバレ御曹司 ~ハッテン場のゲイバーで鉢合わせちゃった義弟に脅されています~

衣草 薫

文字の大きさ
上 下
44 / 125
第五章 踏みにじられた俺の心 (怜一郎side)

44.自分で開いて見せて※

しおりを挟む
「自分で開くって……、どこを……?」
 龍之介のとんでもない提案に、俺は戸惑い目を泳がせた。
「決まっているでしょう、あなたの大事なところですよ。指で開いて僕に奥まで見せてください」
 もちろん聞かなくてもわかっていた。
 でもそこを自分で開いて見せるなんて、そんなことすんなりやれるわけがない。

「僕に見せられないんですか? ……やましいことがあるんですね?」
「違うっ……」
 やましいことなんてない。
 自分からあの公園へ行ってしまったのは事実だから、後ろめたさが全くないわけではないけど……。
「じゃあ見せてくださいよ……」
 龍之介は今にも泣き出しそうな顔で俺を見ている。
 俺があんな公園にいると知ったとき、彼も不安だったんだろう。
 その顔を見ていると自分の愚かさが身に染みた。

 俺は覚悟を決め、胸をドキドキさせながら、四つん這いの姿勢でベッドへ上がった。
 後ろをチラッと振り返ると龍之介が俺の尻を凝視している。
 恥ずかしさに震えながら俺は前へ向き直り、臀部へ回した片手で尻たぶを広げて見せた。
 蕾がクパッと口を開き、内側へ空気が流れ込む感触がした。
「これで、いいか……?」
 龍之介の方を振り向いて尋ねると、彼はとろけるような表情でゴクッと喉を鳴らし、
「すごいです……、怜一郎さんのナカが丸見えです……きれいで柔らかくてうねうねしてて……」
 と言いながら俺の双丘を両手で鷲掴みにした。
 そして蕾へちゅっとキスし、狭い孔へ舌をぬぬぬ……と突き刺した。

「ッんん……」
 ここを舐められるのは初めてではないが、俺はいつも何の躊躇いもなくこんな場所を舐める龍之介の神経を内心疑っている。
 当の本人はそんなことお構いなしに、ぬちゅっ、ぬちゅちゅ……と音を立てて、ひだひだを舐める。
 出入りを繰り返しながら次第に舌はヌチュ、ヌチュゥ……と奥へ奥へと進んでいく。
 体内をぺちょぺちょと舌が這いずる感覚に、俺は背筋を震わせて懇願した。
「も、やめてくれ……っ」
 バキバキに反り返っている俺の屹立からシーツにぽたぽた……と蜜がしたたり落ちる。

 いつもは俺の訴えを聞き入れてくれない彼だが、今日はすんなりと舌の動きを止めて、俺の尻から顔を遠ざけた。
 やめてくれとは言ったが、まさかこれで終わりにする気か、と俺はモヤモヤした。
 俺のペニスはまたもや達する直前でおあずけを食らった状態だ。

 しかし背後からはベルトを緩める金属音とファスナーを開ける音が聞こえてきた。
「怜一郎さん……っ」
 龍之介は四つん這いの姿勢だった俺の肩を掴んで柔らかなベッドの上へ仰向けにひっくり返した。
 悲しそうな表情の彼と目が合った。
「僕が悪かったんです。僕がどれほどあなたを愛しているかもっとしっかり伝えていれば、あなたは何があっても僕を信じられたのに……。今夜改めて、全身全霊であなたに僕の愛情の深さを伝えたいと思います」
 真顔で頬をポッと赤らめた龍之介に俺の心はドキッとときめいた。
 唇と唇を重ね、俺の下唇をちゅっと吸った。
 そしてゆっくりと顔を離して真剣にこう呟いた。
「受け止めて、……くれますよね?」
 照れくささに少しにやけながら、俺はコクッと頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

逃げる銀狐に追う白竜~いいなずけ竜のアレがあんなに大きいなんて聞いてません!~

結城星乃
BL
【執着年下攻め🐲×逃げる年上受け🦊】  愚者の森に住む銀狐の一族には、ある掟がある。 ──群れの長となる者は必ず真竜を娶って子を成し、真竜の加護を得ること──  長となる証である紋様を持って生まれてきた皓(こう)は、成竜となった番(つがい)の真竜と、婚儀の相談の為に顔合わせをすることになった。  番の真竜とは、幼竜の時に幾度か会っている。丸い目が綺羅綺羅していて、とても愛らしい白竜だった。この子が将来自分のお嫁さんになるんだと、胸が高鳴ったことを思い出す。  どんな美人になっているんだろう。  だが相談の場に現れたのは、冷たい灰銀の目した、自分よりも体格の良い雄竜で……。  ──あ、これ、俺が……抱かれる方だ。  ──あんな体格いいやつのあれ、挿入したら絶対壊れる!  ──ごめんみんな、俺逃げる!  逃げる銀狐の行く末は……。  そして逃げる銀狐に竜は……。  白竜×銀狐の和風系異世界ファンタジー。

【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした

雨宮里玖
BL
《あらすじ》 昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。 その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。 その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。 早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。 乃木(18)普通の高校三年生。 波田野(17)早坂の友人。 蓑島(17)早坂の友人。 石井(18)乃木の友人。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

幸せの温度

本郷アキ
BL
※ラブ度高めです。直接的な表現もありますので、苦手な方はご注意ください。 まだ産まれたばかりの葉月を置いて、両親は天国の門を叩いた。 俺がしっかりしなきゃ──そう思っていた兄、睦月《むつき》17歳の前に表れたのは、両親の親友だという浅黄陽《あさぎよう》33歳。 陽は本当の家族のように接してくれるけれど、血の繋がりのない偽物の家族は終わりにしなければならない、だってずっと家族じゃいられないでしょ? そんなのただの言い訳。 俺にあんまり触らないで。 俺の気持ちに気付かないで。 ……陽の手で触れられるとおかしくなってしまうから。 俺のこと好きでもないのに、どうしてあんなことをしたの? 少しずつ育っていった恋心は、告白前に失恋決定。 家事に育児に翻弄されながら、少しずつ家族の形が出来上がっていく。 そんな中、睦月をストーキングする男が現れて──!?

【本編完結】大学一のイケメンに好きになったかどうか聞かれています。

羽波フウ
BL
「一条くん。どう?……俺のこと好きになってくれた?」 T大の2年生の一条優里は、同じ大学のイケメン医学部生 黒崎春樹に突然告白のようなものをされた。 毎日俺にくっついてくる黒崎。 今まで全く関わりがなかったのになんで話しかけてくるの? 春樹×優里 (固定CP) 他CPも出て来ますが、完全友人枠。 ほのぼの日常風。 完全ハッピーエンド。 主人公、流されまくります。

彼氏未満

茉莉花 香乃
BL
『俺ら、終わりにしない?』そんなセリフで呆気なく離れる僕と彼。この数ヶ月の夢のような時間は…本当に夢だったのかもしれない。 そんな簡単な言葉で僕を振ったはずなのに、彼の態度は…… ハッピーエンド 他サイトにも公開しています

処理中です...