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第三章 淫らな船上パーティー (怜一郎side)

26.屈辱のランウェイ☆

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 モデルたちはリハーサル通り、どんどんランウェイを歩く。
 後ろ手に手錠をかけられ、フレームだけのブラジャーとガーターベルトだけのほぼ裸の格好で、とうとう俺はステージに出た。
 胸を張り二本の足を交互に動かすたびに、右へ左へぷらぷらと揺れる俺の男性器へ人々の視線が一気に集まった。

「おお……」
 と言って指を差す者、口元へ手を当てて言葉を失う者、
「さすがにちょっと」
 という反応で苦笑いする者、恥ずかしそうに顔を背ける者など観客のリアクションは様々だった。
 俺としては想像以上の屈辱で、心を無にしようとしていても顔も全身も火が出そうなほど熱くなっていた。極度に感情が高ぶったせいで痺れて硬直しそうな足をどうにか動かし、リハーサル通りに歩いた。

 目元には仮面をつけている。
 けれどこんなもので本当に自分の身分を隠せているのだろうか。そんな不安に襲われた。
 観客たちもみな仮面をつけているが、実はこの中には多くの俺の知り合いがいて、実はみんな初めから俺の痴態を見るためにこの船に乗ったんじゃないか、俺は龍之介だけじゃなく多くの人間に陥れられているんじゃないか、という感覚さえ湧いてきた。

 観客の中にズボンの前をくつろがせ、そこへ添えた手を上下している人が数人いることに気が付いた。
 惨めな格好の俺をおかずに自慰しているのだ。
 そんなことをされ恥ずかしいのに、嫌なはずなのに、俺の陰茎が心臓みたいにドクドクと脈打った。
 それはどんどん熱く硬くなっていき、ムクムクと上を向き始めた。
 他人に見られて勃起するなんて……。

 そう思っても俺の意識は股間に集中して、全身の血液がどんどん下腹部へ集まっていくのを感じる。
 男根の変化を止めることができない。

 ぶらんとぶら下がっていた肉棒が天井へ向かってグングン反りかえっていく。
「……っ、……ぁっ」
 俺は歩きながら熱い吐息を漏らした。
 ピンクの亀頭は三分の二が包皮に包まったまま、タートルネックのセーターからわずかに顔を出している状態だ。
 クイっと指で擦り下げれば簡単に先端を露出できるのに、今の俺にはそれが叶わない。
 無力なペニスにただただ人々の視線が突き刺さり、俺は恥ずかしい屹立をピクピク震わせて歩くことしかできない。
 乳首も性器も痛いほどピンピンに完勃ちしてしまった。
「はぁっ……、はぁっ……」
 興奮に呼吸が荒くなる。

 もうすぐランウェイの先端だ。
 観客が真正面から俺を見ている。俺はもうすぐ屈辱的なポーズをしなければならない。
 想像しただけでめまいがする。
 腹につきそうなほど勃起し、俺の動きに合わせて揺れるそれの先からぴゅるっと先走りが噴き出した。

 リハーサルで指定された通り俺は、ランウェイの端でピタッと立ち止まり、軽く足を開いて腰を突き出した。
 すぐそばで観客たちが驚きや軽蔑の顔で俺の局部を凝視している。
 勃起したイチモツを人々へ差し出すような格好をすることに、俺のプライドはひどく傷つけられた。
 けれど同時に、俺の中の興奮は抑えきれないほどの最高潮に達してしまい、強烈な射精感に襲われた。
「……んんっ」
 まさか自分がこんなに興奮してしまうなんて、自分でも信じられなかった。
 今はファッションショーの最中だし、射精なんかしたら龍之介の思うつぼじゃないか、とどうにか堪えようとした。
 しかし込み上げるものを抑えることができず、俺は皮からわずかに飛び出しているぷっくりと膨らんだピンクの先端の小さな孔から、ビュル……ッ! と白く濁った体液が飛び出てしまった。
「ああっ……!」
 脳がとろけるような気持ちよさだった。

 その様子を真正面から見ていた観客たちの間でどよめきが起きた。
 汚れた床を一瞥してランウェイを引き返すうちに、俺の頭は冷静さを取り戻してきた。
 たくさんの人に陰部を見られ、射精してしまった……。
 これでは龍之介の言う通り、変態みたいじゃないか。
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