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第三章 淫らな船上パーティー (怜一郎side)
23.ハレンチな衣装☆
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どれほど眠っていたのだろう、客室のダブルベッドで俺は目を覚ました。
「お目覚めですか、義兄さん」
ベッドのすぐそばの椅子に座って本を読んでいた龍之介が俺を見た。
寝ている間に凝り固まった体を伸ばそうとしたが、両手が動かない。どうやら背後で拘束されているようだ。
「んっ……、なんか手が……」
「え、どうしましたか?」
龍之介が俺の体の上にかかっていた布団をめくってくれた。
すると自分がとんでもない格好をしていることがわかった。
「な、なんだよ……、これっ……!」
俺はへその少し下の位置に女性ものの黒いレースのガーターベルトを装着させられていた。
それも股間を覆う下着はなく、縮こまった男性器が丸出しだ。
胸元にはブラジャーを模した三角のフレームだけの黒いレースが取り付けられていた。
乳首を覆う布のないそれは何の役にも立っていない。
「どうです、素敵でしょう?」
俺は絶句してただ自分の体を見つめていた。
それにしても下腹部の様子がなんだかいつもと違うと思えば、俺のペニスの上に生えていたはずの陰毛が一本残らずなくなっていた。
「お前、毛まで……っ」
「はい、僕が剃り上げておきました」
毛がないせいで、余計にペニスが弱弱しく見えるし、全て丸出しだ。
正直、こんな変態趣味の格好は裸よりも恥ずかしい。
「なんで、こんなこと……」
「黒い体毛がない方が、黒いレースのガーターベルトがより引き立ちますから。……ふふ、義兄さんは足が細くて長いからストッキングが似合いますね」
俺の両足には薄い黒のニーハイのストッキングが穿かされ、ガーターベルトの留め具で固定されている。
「お前、頭おかしいだろっ! とりあえず手を自由にしてくれ」
俺は後ろ手を解放できないかと、思い切り引っ張った。しかしカチャ……と金属の感触と音がするだけで手を拘束しているものは外れそうにない。
「暴れても無駄ですよ、手には手錠がかかっています。残念ながら今は手を自由にしてあげることはできません。……というのも今夜、この船でランジェリーのファッションショーが行われるんです。義兄さんにもモデルとしてその格好でランウェイを歩いてもらいます」
「はあっ? こんな格好で人前に出ろだとっ!? ふざけるなよ、承諾するわけないだろう。俺はモデルなんて絶対やらないっ」
「出演はもう決まったことです。下着なしはデザイナーからの強い要望です。今更の変更はできません。いいじゃないですか、義兄さんの美しい体が引き立てるこの素敵なデザインのガーターベルトを多くの観客に見てもらうのです」
「そんなの冗談じゃないっ!」
「嬉しい、の間違いでしょう? だってあなたは恥ずかしいことをすると興奮してしまうのだから」
「そんなわけないっ、勝手なこと言うなっ!」
龍之介は俺をベッドから起こそうとした。
「やめろ、触るなっ」
「大人しくファッションショーに出た方がいいですよ。ショーの間も仮面をつけていますのでプライバシーは保たれます。でも途中で出場を放棄したり、主催者側に従わなかったりすると、写真入りの名刺を会場のスクリーンで公開される契約になっていますから」
「なんだとっ……!?」
この船がゲイのための船ということは、この船に乗っていることがバレるだけでまずい。
「ゲイとしてこの船に紛れ込んでいる各界の大御所や週刊誌のライターも今回のメインイベントであるファッションショーを観覧しますので、そんな騒ぎになればむこうは義兄さんに気付くでしょうね。特に記者にとっては大スクープになりますよ、宝条ホールディングスの跡取りのイケメン御曹司として有名な義兄さんがゲイで、おまけにランジェリーファッションショーのモデルをするなんて。最悪の形でご両親にゲイバレすることになりますね」
「お目覚めですか、義兄さん」
ベッドのすぐそばの椅子に座って本を読んでいた龍之介が俺を見た。
寝ている間に凝り固まった体を伸ばそうとしたが、両手が動かない。どうやら背後で拘束されているようだ。
「んっ……、なんか手が……」
「え、どうしましたか?」
龍之介が俺の体の上にかかっていた布団をめくってくれた。
すると自分がとんでもない格好をしていることがわかった。
「な、なんだよ……、これっ……!」
俺はへその少し下の位置に女性ものの黒いレースのガーターベルトを装着させられていた。
それも股間を覆う下着はなく、縮こまった男性器が丸出しだ。
胸元にはブラジャーを模した三角のフレームだけの黒いレースが取り付けられていた。
乳首を覆う布のないそれは何の役にも立っていない。
「どうです、素敵でしょう?」
俺は絶句してただ自分の体を見つめていた。
それにしても下腹部の様子がなんだかいつもと違うと思えば、俺のペニスの上に生えていたはずの陰毛が一本残らずなくなっていた。
「お前、毛まで……っ」
「はい、僕が剃り上げておきました」
毛がないせいで、余計にペニスが弱弱しく見えるし、全て丸出しだ。
正直、こんな変態趣味の格好は裸よりも恥ずかしい。
「なんで、こんなこと……」
「黒い体毛がない方が、黒いレースのガーターベルトがより引き立ちますから。……ふふ、義兄さんは足が細くて長いからストッキングが似合いますね」
俺の両足には薄い黒のニーハイのストッキングが穿かされ、ガーターベルトの留め具で固定されている。
「お前、頭おかしいだろっ! とりあえず手を自由にしてくれ」
俺は後ろ手を解放できないかと、思い切り引っ張った。しかしカチャ……と金属の感触と音がするだけで手を拘束しているものは外れそうにない。
「暴れても無駄ですよ、手には手錠がかかっています。残念ながら今は手を自由にしてあげることはできません。……というのも今夜、この船でランジェリーのファッションショーが行われるんです。義兄さんにもモデルとしてその格好でランウェイを歩いてもらいます」
「はあっ? こんな格好で人前に出ろだとっ!? ふざけるなよ、承諾するわけないだろう。俺はモデルなんて絶対やらないっ」
「出演はもう決まったことです。下着なしはデザイナーからの強い要望です。今更の変更はできません。いいじゃないですか、義兄さんの美しい体が引き立てるこの素敵なデザインのガーターベルトを多くの観客に見てもらうのです」
「そんなの冗談じゃないっ!」
「嬉しい、の間違いでしょう? だってあなたは恥ずかしいことをすると興奮してしまうのだから」
「そんなわけないっ、勝手なこと言うなっ!」
龍之介は俺をベッドから起こそうとした。
「やめろ、触るなっ」
「大人しくファッションショーに出た方がいいですよ。ショーの間も仮面をつけていますのでプライバシーは保たれます。でも途中で出場を放棄したり、主催者側に従わなかったりすると、写真入りの名刺を会場のスクリーンで公開される契約になっていますから」
「なんだとっ……!?」
この船がゲイのための船ということは、この船に乗っていることがバレるだけでまずい。
「ゲイとしてこの船に紛れ込んでいる各界の大御所や週刊誌のライターも今回のメインイベントであるファッションショーを観覧しますので、そんな騒ぎになればむこうは義兄さんに気付くでしょうね。特に記者にとっては大スクープになりますよ、宝条ホールディングスの跡取りのイケメン御曹司として有名な義兄さんがゲイで、おまけにランジェリーファッションショーのモデルをするなんて。最悪の形でご両親にゲイバレすることになりますね」
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