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第二章 僕の偽装結婚 (龍之介side)

12.オナニー見せて※

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「義兄さん、この前のことをご両親に話されたくないですよね?」
 バーの一件以来、怜一郎さんは家でも会社でも、あからさまに僕を避けている様子だった。
 今だって夜遅くに突然怜一郎さんの部屋へ入ってきた僕にぎょっとして、ベッドへ座って読んでいたビジネス書を枕もとへ置き、怯えるような目でこちらを見ている。

「……この前のこととは、何のことだ?」
 できることなら僕とヤってしまったあの夜のことなど、なかったこととして忘れ去りたいのだろう。しかしそんなわけにもいかない。
「とぼける気ですか? ゲイバーにいたこともその二階でセックスしたことも僕はてっきりご両親にバレてはまずいことだと思っていたのですが」
 僕がにっこり笑うと、彼は動揺し目を泳がせた。
「俺を脅す気か? ……目的はなんだっ?」 

「嫌ですねぇ、そんな言い方……」
 僕は微笑んでベッドへ近づき、小さな声でこう続けた。
「ムラムラして眠れないんです。だから僕、義兄さんがオナニーするところが見たいなって思って……」
 彼は目を丸くして、頬を赤く染めた。
「な、何言って……」
「してくれないんですか? それは残念です。僕としてもご両親に義兄さんがハッテン場へ行っていたことをお話しするのは気が引けるのですが……」

 仕方がない、という態度で部屋を出て行こうとドアノブへ手を伸ばした僕を彼の凛とした声が引き留めた。
「待ってくれっ……」
 悔しそうに顔を歪めて、彼は下唇を噛んだ。
「……やればいいんだろ」
 またしてもエリカさんに言われた通りの展開となった。

 彼はおずおずとベッドへ仰向けに寝て、パジャマのズボンを太ももの真ん中辺りまで下ろした。
「いくらお前がバイだと言え、男のこんなものを見て気分が悪くなっても知らないぞ」
 とこちらを一瞥し、軽く目を閉じて下着越しに右手で柔らかな前をふにふにと触り始めた。

 気分が悪くなるどころか、僕はもう興奮と期待におかしくなりそうだった。
 極力音を立てないようにして、唾液を飲み込んだ。

 彼の長い指先にやわやわと刺激され、薄い布越しに性器が徐々に硬さを持ち始めてきていることが伺える。
「……んっ……」
 不意に出てしまった甘い声を恥じて、彼は左手の手の甲を口元へ当てた。
 彼自身、自慰行為を強いられているこのシチュエーションに堪らなく興奮している様子だ。

「下着も下ろしてください」
 僕がそう言うとしばらく躊躇した後、左手でペニスを隠しながら右手だけで下着をズボンと同様に太ももの真ん中辺りまで擦り下ろした。
 左手を退けると半勃ち状態の性器が晒された。それは先端まですっぽりと包皮に包まれていた。
 バーの二階で触ったときも思ったが、彼はひどく感じやすかった。

 怜一郎さんは包皮をゆるゆると上下にスライドさせて刺激し始めた。ピンクの亀頭が頭を出したり引っ込んだりを繰り返し、肉棒は徐々に反り返って大きさと硬さを増していく。
 体がビクッ、ビクッと震えるたび、長いまつ毛がピクピク揺れて甘ったるい吐息が漏れる。
「んっ、……ふ、……っ」
 上下する手の動きが徐々に速さを増していくが、柔らかさを残しているそれは今にも射精してしまいそうな雰囲気とは程遠い。

 彼の瞑っていた目がゆっくりと開いた。興奮に潤んだ瞳と目が合い、僕はドキッとした。
 彼は心底恥ずかしそうにパジャマの上着のボタンを外し、白い胸板を晒した。そしてぷっくりと膨らんでいる女の子みたいな胸の先を左手の指先で摘まみ、クニクニと押しつぶすように転がし、右手は再び肉棒を握って上下の刺激を再開した。
「……んん、……はぁっ」
 クールで女の子からきゃあきゃあ言われているイケメン御曹司の怜一郎さんが、乳首を弄りながらオナニーするなんて……。
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