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八日目 ー3
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「完全な日暮れまでは、もう少し時間があるわ」
少しだけ森に入ったあたりで、イリヴァーラが空の色を確かめる。
「もうちょっと進んでえ、そこで休憩かなあ」
「野営するのか?」
僕の確認に、イリヴァーラは当然だと頷く。
「けど、まだ目的地は……」
「だから、ちゃんと休むの。
いい? 蝕まではまだ時間があるわ。あの戦いで私も大技だしちゃったし、ヘスカンだって癒しの神術をだいぶ消耗してる。
休まなきゃ、たどり着く以前に私たちがやられるわよ」
畳み掛けるように続けるイリヴァーラに、ヘスカンも同意する。
「焦る気持ちはわかりますが、ここは慎重に確実に進むところですよ」
「――わかった」
イリヴァーラの言うこともヘスカンの言うことももっともだ。
わかってはいる。
だがそれでも早く早くという気持ちはおさまらず、どうにか無理やりに押さえつけた。
「それで、野営はどこで? 火は焚けないだろうけど」
「“異次元の小部屋”を使うわ。夜中にまで襲撃されたら、とてももたないもの」
「なら、見張りはいらないねえ」
“異次元の小部屋”は、文字通り、次元の狭間に小さな小部屋を作る呪文だ。
入り口を閉じてしまえば外側からはまず見つけることができないし、イリヴァーラなら休息を取るのに十分なだけの時間、小部屋を維持できる。
中から外のようすもわからなくなってしまうのが難点だが、出入りの時だけ注意すればあまり問題はない。
「なら、暗くなるまで先を急ごう」
「はあい。じゃあ、いつもの通り、ちゃんとついてきてねえ」
丘陵地帯を行くときのように、ナイアラの透明の指輪を借りた僕は、木の上まで飛んで方角と周囲のようすを探る。
その間にも、太陽はますます傾いていく。
目指す洞窟のある、ひときわ小高い、山と呼んだほうが良さそうなその場所はまだまだ遥か先で、僕は唇を噛む。
「方角は大丈夫だ」
下に降りた僕の背を、ヘスカンが宥めるように叩いた。
「では、もう少し進みましょう」
穏やかな声に、僕がもしひとりだったら無謀だろうが何だろうが構わずに闇雲に飛んで行ってしまったかもしれないと考える。
どうにも先走りがちな僕を、仲間たちが抑えてくれている。
僕は自分を落ち着かせるように大きく深呼吸をした。
「今日、距離を稼げれば、遅くても明日午後には洞窟に入れるはずよ」
イリヴァーラの言葉に頷く。
そこまで行けば、もう少しなのだ。もう少しでルカを助け出せる。
* * *
「彼がこちらへ向かっているようですよ」
ぼうっと霞む意識に、その言葉だけが響く。
「――カイルが?」
「そう。本当に、彼は彼の神に忠実だ」
その言葉に、ぼんやりと考える。
ああ、カイルは聖騎士だから、聖騎士になるために生まれたんだから、当然だ。
カイルの神様がカイルに守れって命じたから、私を助けにカイルが来る。
なんてシンプルな理屈だろう。
「どこまでも神に忠実ではありますが……彼を連れて、私のもとへ降ればよいのですよ。そうすれば、あなたの望みは叶う」
あなたのところに降る? と覚束ない声で、私は繰り返す。
「そう、私のもとへ。
悪魔王のもとへ。
そうすれば、彼はあなたひとりのものとなりますよ。神に命じられたからではなく、ただあなたに寄り添う、愛しい彼が手に入るのです……彼を手に入れたいとは思わないですか?」
「私のもの……私、ひとりの……」
――でも、それはだめだ。
カイルの心はカイルのもの。
神様を信仰する気持ちだってカイルのものなのに、無理やり変えてしまったら、それはカイルではなくなっちゃう。
それに、私は太陽の光を浴びて白く輝く彼こそが、とてもきれいだと思うのだ。
「そうですか?
けれど、その彼が地に堕ちて黒い炎に焼かれるさまも、それはそれは美しいものだと思いませんか?
ほら、想像してごらんなさい。彼が“九層地獄界”の炎に焼かれ、美しい堕天と変わるさまを」
漆黒の、闇に染まったカイルの姿が脳裏に浮かぶ。
背の翼は墨で染め上げたように闇よりも黒く、肌は地獄の業火のように鮮やかな赤い色を帯び――身に纏う金の輝きもどこか禍々しいものに変わったカイルの姿。
それは、確かに美しい。
「でも、私は」
白い、天上の輝きを纏うカイルが、いちばん、好きなの。
初めて見た彼は本当にきれいで、こんなひとが存在することに、ただただ驚くばかりだった。
ぽろぽろと涙を零しながら「嫌」と私は繰り返す。
そのひとは苛立たしさを滲ませた声で「さすが“乙女”というべきか」と吐き捨てるように呟いた。
「いっそ、今ここで穢してしまったほうが確実なのではないか」
彼はばさりと皮の翼をひとつはためかせる。
儀式の制約さえなければ、こんな人間の娘ひとり、さっさと穢して堕として終わらせてしまうのに、と。
と、面白いことを思いついたと言って彼は唐突に笑顔を浮かべた。
「“乙女”、ひとつ、試してみましょうか」
「試、す?」
「ここに魔神の宿る石があります。
長らく悪魔王と下方世界の覇権をかけて争い、敗れたものの一体がこの石に宿っている……というわけです」
「魔神?」
「とても強い悪なる力を持っている魔神ですよ。
この石を身につけたあなたは、内に潜む魔神に引きずられ、自身の善を保てなくなった瞬間に堕ちるというわけです」
心から楽しげに、彼は「あなたはどれだけ耐えられるのでしょうね」と笑う。
「あなたが堕ちれば彼もともに堕ちるでしょう。
我々にとっては、それもまた望ましい結果のひとつです」
ぼんやりと目を開く私の額に、小さな石が押し付けられた。
ぞっとするほどに冷たく硬い石が皮膚に貼り付き、おぞましい何かが私の内へと入り込んでくる。
「あなたを迎えにここへ辿り着いた時の彼の顔が、とても楽しみです」
その悪魔はもう一度、くつくつと背の翼を揺らして笑った。
少しだけ森に入ったあたりで、イリヴァーラが空の色を確かめる。
「もうちょっと進んでえ、そこで休憩かなあ」
「野営するのか?」
僕の確認に、イリヴァーラは当然だと頷く。
「けど、まだ目的地は……」
「だから、ちゃんと休むの。
いい? 蝕まではまだ時間があるわ。あの戦いで私も大技だしちゃったし、ヘスカンだって癒しの神術をだいぶ消耗してる。
休まなきゃ、たどり着く以前に私たちがやられるわよ」
畳み掛けるように続けるイリヴァーラに、ヘスカンも同意する。
「焦る気持ちはわかりますが、ここは慎重に確実に進むところですよ」
「――わかった」
イリヴァーラの言うこともヘスカンの言うことももっともだ。
わかってはいる。
だがそれでも早く早くという気持ちはおさまらず、どうにか無理やりに押さえつけた。
「それで、野営はどこで? 火は焚けないだろうけど」
「“異次元の小部屋”を使うわ。夜中にまで襲撃されたら、とてももたないもの」
「なら、見張りはいらないねえ」
“異次元の小部屋”は、文字通り、次元の狭間に小さな小部屋を作る呪文だ。
入り口を閉じてしまえば外側からはまず見つけることができないし、イリヴァーラなら休息を取るのに十分なだけの時間、小部屋を維持できる。
中から外のようすもわからなくなってしまうのが難点だが、出入りの時だけ注意すればあまり問題はない。
「なら、暗くなるまで先を急ごう」
「はあい。じゃあ、いつもの通り、ちゃんとついてきてねえ」
丘陵地帯を行くときのように、ナイアラの透明の指輪を借りた僕は、木の上まで飛んで方角と周囲のようすを探る。
その間にも、太陽はますます傾いていく。
目指す洞窟のある、ひときわ小高い、山と呼んだほうが良さそうなその場所はまだまだ遥か先で、僕は唇を噛む。
「方角は大丈夫だ」
下に降りた僕の背を、ヘスカンが宥めるように叩いた。
「では、もう少し進みましょう」
穏やかな声に、僕がもしひとりだったら無謀だろうが何だろうが構わずに闇雲に飛んで行ってしまったかもしれないと考える。
どうにも先走りがちな僕を、仲間たちが抑えてくれている。
僕は自分を落ち着かせるように大きく深呼吸をした。
「今日、距離を稼げれば、遅くても明日午後には洞窟に入れるはずよ」
イリヴァーラの言葉に頷く。
そこまで行けば、もう少しなのだ。もう少しでルカを助け出せる。
* * *
「彼がこちらへ向かっているようですよ」
ぼうっと霞む意識に、その言葉だけが響く。
「――カイルが?」
「そう。本当に、彼は彼の神に忠実だ」
その言葉に、ぼんやりと考える。
ああ、カイルは聖騎士だから、聖騎士になるために生まれたんだから、当然だ。
カイルの神様がカイルに守れって命じたから、私を助けにカイルが来る。
なんてシンプルな理屈だろう。
「どこまでも神に忠実ではありますが……彼を連れて、私のもとへ降ればよいのですよ。そうすれば、あなたの望みは叶う」
あなたのところに降る? と覚束ない声で、私は繰り返す。
「そう、私のもとへ。
悪魔王のもとへ。
そうすれば、彼はあなたひとりのものとなりますよ。神に命じられたからではなく、ただあなたに寄り添う、愛しい彼が手に入るのです……彼を手に入れたいとは思わないですか?」
「私のもの……私、ひとりの……」
――でも、それはだめだ。
カイルの心はカイルのもの。
神様を信仰する気持ちだってカイルのものなのに、無理やり変えてしまったら、それはカイルではなくなっちゃう。
それに、私は太陽の光を浴びて白く輝く彼こそが、とてもきれいだと思うのだ。
「そうですか?
けれど、その彼が地に堕ちて黒い炎に焼かれるさまも、それはそれは美しいものだと思いませんか?
ほら、想像してごらんなさい。彼が“九層地獄界”の炎に焼かれ、美しい堕天と変わるさまを」
漆黒の、闇に染まったカイルの姿が脳裏に浮かぶ。
背の翼は墨で染め上げたように闇よりも黒く、肌は地獄の業火のように鮮やかな赤い色を帯び――身に纏う金の輝きもどこか禍々しいものに変わったカイルの姿。
それは、確かに美しい。
「でも、私は」
白い、天上の輝きを纏うカイルが、いちばん、好きなの。
初めて見た彼は本当にきれいで、こんなひとが存在することに、ただただ驚くばかりだった。
ぽろぽろと涙を零しながら「嫌」と私は繰り返す。
そのひとは苛立たしさを滲ませた声で「さすが“乙女”というべきか」と吐き捨てるように呟いた。
「いっそ、今ここで穢してしまったほうが確実なのではないか」
彼はばさりと皮の翼をひとつはためかせる。
儀式の制約さえなければ、こんな人間の娘ひとり、さっさと穢して堕として終わらせてしまうのに、と。
と、面白いことを思いついたと言って彼は唐突に笑顔を浮かべた。
「“乙女”、ひとつ、試してみましょうか」
「試、す?」
「ここに魔神の宿る石があります。
長らく悪魔王と下方世界の覇権をかけて争い、敗れたものの一体がこの石に宿っている……というわけです」
「魔神?」
「とても強い悪なる力を持っている魔神ですよ。
この石を身につけたあなたは、内に潜む魔神に引きずられ、自身の善を保てなくなった瞬間に堕ちるというわけです」
心から楽しげに、彼は「あなたはどれだけ耐えられるのでしょうね」と笑う。
「あなたが堕ちれば彼もともに堕ちるでしょう。
我々にとっては、それもまた望ましい結果のひとつです」
ぼんやりと目を開く私の額に、小さな石が押し付けられた。
ぞっとするほどに冷たく硬い石が皮膚に貼り付き、おぞましい何かが私の内へと入り込んでくる。
「あなたを迎えにここへ辿り着いた時の彼の顔が、とても楽しみです」
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