異世界転生システム

ぐら

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そうだ、転生させよう

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は悩んでいた。


今担当している地球ほしでは、大変な問題が起こっていた。
科学の発展により環境が変わり、人間の平均寿命が長くなる。
長くなればその分人口が増える。
しかし人口が増えすぎて各家庭でも高齢者が増えすぎて対処ができず、昔話のような姥捨うばすてシステムになっていく。


観測者はあくまで見ている立場の為、観測場所への介入は不可とされている。
このまま悪化していく状況を見ているしかないのか・・
観測者は頭を悩ませていた。地球を見守ることしか出来ないのか。

観測中、現代の姥捨て山と名付けられた場所へ、一人の少年と二人の老人がやってきた。
おそらくは他の者と同じように老人をここへ置いて行くのだろう。


「本当にゴメンな、ひーじーちゃ、ひーばーちゃ」
「いいんだよ。私らが居る場所もあまりないんだ。老い先短いもんから離脱するのが一番からね」
「ここで置いていかないと、お前だって辛く当たられるだろう?ほら、暗くなる前に早く帰りな」
ひ孫が連れてきているのか。涙を溜めて別れづらそうに話をしている。
心配かけまいと、笑みを浮かべながら老人たちは少年に言う。
「でも、ひーじーちゃだって、ひーばーちゃだって、何もしてないのに」
「いいんだよ、あんたは悪くない。さ、帰りなさい」
老婆が頭を撫でて、少年の背を押す。

別な星へ移住できればいいのに。
そう小さく少年は呟き、溜まった涙を流しながら走り去っていった。
移住できる星を発見したものの、計画は頓挫とんざしている。理由としてはコスト面と何かあった際の保証や連絡システムの問題だ。
星を移るのにかかる費用は莫大になり、しかし移住先での身の安全の保証はない。食べるものも暮らすものも買うことだってできないのだ。
早く地球の奴らも何らかの対応を打てばいいのに・・

まてよ、他の、星?



そこで閃いた。
この山に連れられた人を、に移せばいいんじゃないか?と。
地球には関与していないし、いけるんじゃないだろうか。
観測マニュアルを念のため確認した。あくまで観測場所の環境を変えてはいけない、それだけなのだ。
つまり、今捨てられてしまう人間に関与しても特に問題はない、ということだ。
幸いにも、今自分はもうひとつの世界のを任されることが決まっていた。

一人納得をしたところで、早速行動に出ることにし、残された老人2人へと呼びかけた。



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