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番外編2 二度目のValentine's Day
鈍感彼女は激甘です 1
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今年もバレンタインデーが来た。
学校帰りに立ちよった彼氏を自分の部屋へ通し、みのりはキッチンへ向かった。いつものようにコーヒーと、昨夜遅くまでかけて作ったガトーショコラを用意する。
例年通りの焼き菓子なのだが(というかこれしか作れない)、今年は友達の分だけではないのでさすがに時間がかかったのだ。完璧なラッピングを確認し、何だかちょっとだけ緊張しながら二人分のコーヒーと運んだ。
「おまたせ」
部屋にもどると、雄基は奥のビーズクッションに背を預けていた。定位置になったその場所で、くつろいだ様子でスマホを見ている。
部屋は読みかけの雑誌や小物で少々散らかっているものの、母親でなれている彼は気にしていないようだった。手に持っていたスマホをしまい、みのりからコーヒーを受け取る。
「それから、これ。チョコレート」
照れくさい思いを抱えつつみのりはラッピングした箱を渡した。
「去年と同じなんだけど。チョコレートケーキ、一応手作りです」
雄基は生真面目な表情でそのプレゼントを受け取った。
「あけていいか?」
「え、あ、もちろん。どうぞ」
雄基はコーヒーを横に置き、真面目くさった顔のままがさがさと包み紙を開けた。ふっと口元に笑みを浮かべる。
紙から広げた箱の中には、薄くココアでかざられたチョコレートケーキが鎮座していた。昨日作ったケーキの中で一番形がいいハート型だ。
「……ありがとう」
何だか感慨深そうに彼氏は一言つぶやいた。どうやら今までのことを思い出し、しみじみ感動しているらしい。
──まあ、たしかに色々あったもんね。
みのりが隣に腰を下ろすと、雄基は大事そうなしぐさでケーキに再びふたをした。
「あれ? 食べないの?」
「後でゆっくり食べたい」
「今食べないと、味は保証できないよ?」
みのりが目を丸くすると、雄基はくすりと笑みをこぼした。
「去年と同じなら知ってる。……大丈夫、うまかった」
照れもしないで言い切られ、みのりは言われた自分の方が何だか恥ずかしくなってきた。
熱くなった自分の頬をバレないように押さえていたら、雄基がさりげない様子でたずねた。
「お返しって、何がいいんだ?」
「え? べつにクッキーとかのお菓子でいいよ」
みのりが笑って答えると箱をバッグにしまいながら続けた。
「去年結局ホワイトデーにお返しを渡せなかったから。今年は去年の分も一緒に渡そうと思ったんだ。何がいい?」
学校帰りに立ちよった彼氏を自分の部屋へ通し、みのりはキッチンへ向かった。いつものようにコーヒーと、昨夜遅くまでかけて作ったガトーショコラを用意する。
例年通りの焼き菓子なのだが(というかこれしか作れない)、今年は友達の分だけではないのでさすがに時間がかかったのだ。完璧なラッピングを確認し、何だかちょっとだけ緊張しながら二人分のコーヒーと運んだ。
「おまたせ」
部屋にもどると、雄基は奥のビーズクッションに背を預けていた。定位置になったその場所で、くつろいだ様子でスマホを見ている。
部屋は読みかけの雑誌や小物で少々散らかっているものの、母親でなれている彼は気にしていないようだった。手に持っていたスマホをしまい、みのりからコーヒーを受け取る。
「それから、これ。チョコレート」
照れくさい思いを抱えつつみのりはラッピングした箱を渡した。
「去年と同じなんだけど。チョコレートケーキ、一応手作りです」
雄基は生真面目な表情でそのプレゼントを受け取った。
「あけていいか?」
「え、あ、もちろん。どうぞ」
雄基はコーヒーを横に置き、真面目くさった顔のままがさがさと包み紙を開けた。ふっと口元に笑みを浮かべる。
紙から広げた箱の中には、薄くココアでかざられたチョコレートケーキが鎮座していた。昨日作ったケーキの中で一番形がいいハート型だ。
「……ありがとう」
何だか感慨深そうに彼氏は一言つぶやいた。どうやら今までのことを思い出し、しみじみ感動しているらしい。
──まあ、たしかに色々あったもんね。
みのりが隣に腰を下ろすと、雄基は大事そうなしぐさでケーキに再びふたをした。
「あれ? 食べないの?」
「後でゆっくり食べたい」
「今食べないと、味は保証できないよ?」
みのりが目を丸くすると、雄基はくすりと笑みをこぼした。
「去年と同じなら知ってる。……大丈夫、うまかった」
照れもしないで言い切られ、みのりは言われた自分の方が何だか恥ずかしくなってきた。
熱くなった自分の頬をバレないように押さえていたら、雄基がさりげない様子でたずねた。
「お返しって、何がいいんだ?」
「え? べつにクッキーとかのお菓子でいいよ」
みのりが笑って答えると箱をバッグにしまいながら続けた。
「去年結局ホワイトデーにお返しを渡せなかったから。今年は去年の分も一緒に渡そうと思ったんだ。何がいい?」
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