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第二章 バレた後
23.
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不満気な最後のつぶやきに、となりに立ったイケメンがくっくっと笑いながら続けた。
「華道教室の彼女だろ」
放たれた言葉の内容にみのりはぽかんと口を開いた。小柄な男子が腕をのばして雄基に向かって鍵を投げる。
「明日、お前が朝練の鍵開け当番な」
それだけ言って背を向ける。立ち去る二人を見送りながら、みのりは脱力して言った。
「お友達、もう雄基君が華道やってるって知ってるんだね。『男なのに』って言われたりとかしない?」
ついつい口に出してしまった言葉に雄基はきょとんとして言った。
「え? ああ、男らしくないってことか? ……水嶋は家事全部得意だし、フォワードの三田村なんかスイーツ同好会の会長だぞ」
みのりは思わず肩をすくめた。華道に家事にスイーツと、緑陽男子の女子力に脱帽だ。もう小学生じゃないんだし、よけいな気を使って損した。
やれやれと頭を振った後、困惑しているらしい雄基にあらためてつめよって見せる。
「雄基君、ちゃんと私にも説明しなきゃダメじゃない。あのお婆さんから直接聞いたよ、雄基君がないしょにしてたこと」
みのりの顔を見下ろしていた雄基の瞳が見開かれる。みのりは真顔で次の句を告げた。
「あのさ。本当に大事なことは私にも話してくれないと。──これからつきあうつもりなら、何でも私に相談してよね。言ってくれなきゃわからないんだから。私がニブいの、知ってるでしょ?」
「……!」
雄基が何か言いかけて、再びその唇を閉じた。みのりはちょっと照れながら笑った。
「私、雄基君のことが好きだよ。恋愛とかよくわからないけど、いっしょにいるのは嫌じゃない。むしろ色々たよれるし、安心する……と思う」
「華道教室の彼女だろ」
放たれた言葉の内容にみのりはぽかんと口を開いた。小柄な男子が腕をのばして雄基に向かって鍵を投げる。
「明日、お前が朝練の鍵開け当番な」
それだけ言って背を向ける。立ち去る二人を見送りながら、みのりは脱力して言った。
「お友達、もう雄基君が華道やってるって知ってるんだね。『男なのに』って言われたりとかしない?」
ついつい口に出してしまった言葉に雄基はきょとんとして言った。
「え? ああ、男らしくないってことか? ……水嶋は家事全部得意だし、フォワードの三田村なんかスイーツ同好会の会長だぞ」
みのりは思わず肩をすくめた。華道に家事にスイーツと、緑陽男子の女子力に脱帽だ。もう小学生じゃないんだし、よけいな気を使って損した。
やれやれと頭を振った後、困惑しているらしい雄基にあらためてつめよって見せる。
「雄基君、ちゃんと私にも説明しなきゃダメじゃない。あのお婆さんから直接聞いたよ、雄基君がないしょにしてたこと」
みのりの顔を見下ろしていた雄基の瞳が見開かれる。みのりは真顔で次の句を告げた。
「あのさ。本当に大事なことは私にも話してくれないと。──これからつきあうつもりなら、何でも私に相談してよね。言ってくれなきゃわからないんだから。私がニブいの、知ってるでしょ?」
「……!」
雄基が何か言いかけて、再びその唇を閉じた。みのりはちょっと照れながら笑った。
「私、雄基君のことが好きだよ。恋愛とかよくわからないけど、いっしょにいるのは嫌じゃない。むしろ色々たよれるし、安心する……と思う」
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