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第一章 バレる前
16.
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「──え」
思ってもみなかっただろう言葉に、雄基の瞳がまん丸くなった。そりゃそうだろうなあ、と思いつつ、自分が妙に冷静に観察していることに気づく。どうやら緊張を通り越し、ブチ切れて腹がすわったらしい。
はあっとため息をついたみのりは肩をすくめてつぶやいた。
「なんかさ。最近欲求不満なのかもしれないんだけど、変な夢を見るんだよね」
「!」
みのりが伝えた内容になぜか雄基がのけぞった。今までの余裕はどこへ行ったのか、大きく頬を引きつらせる。
みのりは首をかしげながらも次の句を選びつつ言った。
「こんなの、男の子に話しちゃっていいのかよくわかんないんだけど……。夢で顔もわからない人とえっちなことをするんだよね。しかも一回だけじゃなくて、けっこう何回も続けてさ」
多分真面目な雄基には想像もつかない世界だろう。見る見るうちに赤くなり、額に汗までにじませ始めた。
「そんな夢、今まで一度も見たことがなかったし、何回も続けて見るなんてやっぱり欲求不満かなあ。つまり今、自分がそういうことに興味があるってことなのかな。……どう思う?」
みのりがわりと真剣に雄基の顔を見上げると、黙って話を聞いていた彼は露骨に視線を泳がせた。
「え……まあ、その……俺も、よくわからないけど──」
──そうだよねえ。
みのりは深くうなずいた。彼は目線を上に向け、顔を合わせないようにして言った。
「だって、とりあえず夢なんだろ? とにかく、それはただの夢で……。それに、そのう──多分男は、そういう方が喜ぶと思う」
どこか煮え切らない雄基の返事に、みのりはきょとんとして聞いた。
「そういう方って?」
雄基は首筋をかきながら、低くぼそぼそとつぶやいた。
「だから。そういう──女の子の方が。少なくともエロいことに興味がないよりは、あるほうがうれしい……と、俺は思う」
「え? 雄基君、そういうことに興味あるの?」
みのりが思わずたずねると、雄基はますます顔を赤くした。
「当たり前だろ。ない方がおかしい。俺だって一応男だぞ。それに……」
思い切ったように目線をもどして真剣な声で告げて来る。
「好きな子だったらなおさらだ。近づきたいし、さわりたい。それだけが目的だと思われたくないけど──むしろ、そういうことが目当てなのかって変に潔癖に思われるよりは、興味があってくれた方がうれしい」
意外だった雄基の反応に、みのりは気分が明るくなった。ぱっと笑顔になったみのりに雄基がまぶしげな顔をする。
「なんだ、そうなの。雄基君すっごく真面目だから、そんな恥ずかしいことなんて絶対苦手だと思ってた。欲求不満な女子なんか、多分嫌なんだろうなと思って。それで──」
「それで始めに言ったのか。つきあう前に、俺に嫌がられるかもって」
そこまで言うと、雄基はあらためてすぐそばにいるみのりを見つめた。
強く色づいたまなざしを向けられ、みのりの心臓がどくんとはねた。明確に自分を意識している彼の熱っぽい視線を感じる。
みのりは思わず後ずさりした。
夏服姿に変わった彼のむき出しになった腕の太さや、シャツからうかがえる広い肩の線など、よく知っているはずの雄基に露骨に異性を覚えてしまう。
思ってもみなかっただろう言葉に、雄基の瞳がまん丸くなった。そりゃそうだろうなあ、と思いつつ、自分が妙に冷静に観察していることに気づく。どうやら緊張を通り越し、ブチ切れて腹がすわったらしい。
はあっとため息をついたみのりは肩をすくめてつぶやいた。
「なんかさ。最近欲求不満なのかもしれないんだけど、変な夢を見るんだよね」
「!」
みのりが伝えた内容になぜか雄基がのけぞった。今までの余裕はどこへ行ったのか、大きく頬を引きつらせる。
みのりは首をかしげながらも次の句を選びつつ言った。
「こんなの、男の子に話しちゃっていいのかよくわかんないんだけど……。夢で顔もわからない人とえっちなことをするんだよね。しかも一回だけじゃなくて、けっこう何回も続けてさ」
多分真面目な雄基には想像もつかない世界だろう。見る見るうちに赤くなり、額に汗までにじませ始めた。
「そんな夢、今まで一度も見たことがなかったし、何回も続けて見るなんてやっぱり欲求不満かなあ。つまり今、自分がそういうことに興味があるってことなのかな。……どう思う?」
みのりがわりと真剣に雄基の顔を見上げると、黙って話を聞いていた彼は露骨に視線を泳がせた。
「え……まあ、その……俺も、よくわからないけど──」
──そうだよねえ。
みのりは深くうなずいた。彼は目線を上に向け、顔を合わせないようにして言った。
「だって、とりあえず夢なんだろ? とにかく、それはただの夢で……。それに、そのう──多分男は、そういう方が喜ぶと思う」
どこか煮え切らない雄基の返事に、みのりはきょとんとして聞いた。
「そういう方って?」
雄基は首筋をかきながら、低くぼそぼそとつぶやいた。
「だから。そういう──女の子の方が。少なくともエロいことに興味がないよりは、あるほうがうれしい……と、俺は思う」
「え? 雄基君、そういうことに興味あるの?」
みのりが思わずたずねると、雄基はますます顔を赤くした。
「当たり前だろ。ない方がおかしい。俺だって一応男だぞ。それに……」
思い切ったように目線をもどして真剣な声で告げて来る。
「好きな子だったらなおさらだ。近づきたいし、さわりたい。それだけが目的だと思われたくないけど──むしろ、そういうことが目当てなのかって変に潔癖に思われるよりは、興味があってくれた方がうれしい」
意外だった雄基の反応に、みのりは気分が明るくなった。ぱっと笑顔になったみのりに雄基がまぶしげな顔をする。
「なんだ、そうなの。雄基君すっごく真面目だから、そんな恥ずかしいことなんて絶対苦手だと思ってた。欲求不満な女子なんか、多分嫌なんだろうなと思って。それで──」
「それで始めに言ったのか。つきあう前に、俺に嫌がられるかもって」
そこまで言うと、雄基はあらためてすぐそばにいるみのりを見つめた。
強く色づいたまなざしを向けられ、みのりの心臓がどくんとはねた。明確に自分を意識している彼の熱っぽい視線を感じる。
みのりは思わず後ずさりした。
夏服姿に変わった彼のむき出しになった腕の太さや、シャツからうかがえる広い肩の線など、よく知っているはずの雄基に露骨に異性を覚えてしまう。
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