【完結】優等生の幼なじみは私をねらう異常者でした。

小波0073

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番外編1 柳沢笑香の完璧な恋人

82.初恋と卵焼き、再び 6※

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 今、笑香は互いの体を結び合わせるこの行為が、肉体の欲求だけではなくて彼の心を満たすためにも必要なのだと考えていた。そして、多分自分自身にも。深い関係を重ねることで互いの心が充足し、離れて生活をしている間も優しく相手の日々の暮らしを見守っていることができる。

「大丈夫……大丈夫だよ、しろうくん……! そばにいるから。私、今、そばにいるよ──」

 苦しい息の下からも笑香が答えてその背をなでると、史郎はたまらなくなったように笑香の体を抱きすくめた。笑香の中にある固い肉塊がさらに大きく膨張する。
 彼の強い衝動を内部で感じ取ってしまい、笑香は喉から嬌声を放った。全身に鳥肌が立つような愉悦に、史郎のものを奥深くまでくわえ込んでいることを意識する。自分の中がきつく締まって、さらに史郎を内へと引き込む動きを見せているのがわかった。

「うっ、く、えみか、もう……ッ‼」

 低くうなると、史郎が咆哮するようにして、自身の高ぶりを激しく抜き差しする。

「あっあっ──、ああっ、しろうくん、だめええ──‼」

 大きく脈打つ剛直を受け、今まで以上に力が入って太腿の内側が痙攣する。直情的な彼の行為に羞恥心は消え失せていた。熱い先端をぶつけられながらゴム越しに体液を注がれる感覚に、再び声を上げながら登りつめる。
 高く悲鳴をのばした後、がくん、と首から力を抜いて大きく喉をそらす笑香に、史郎がその背をかき抱いた。
 二人の荒い呼吸が重なる。一度唇を深く合わせて互いの唾液を味わった後、息継ぎのために顔を離す。史郎が熱く、感に堪えないといった声色でささやいた。

「すごい、夢みたいだ……。僕のベッドで君を抱いてる」

 笑香の髪に指を通して、愛おしそうなしぐさでかき混ぜる。

「君、前よりずっと感じやすくなったみたいだ。僕に入れられて感じてる時の顔、すごくエロくて……。もうそれだけでいきそうだ」

 笑香の顔を見下ろしながら史郎がうっとりと言葉を続けた。その猥褻なささやきに笑香は上気した頬をそむけた。
 もう一度だけキスを求めて笑香の顔に顔をよせ、史郎がゆっくりと思いを遂げる。なごり惜しそうに離れると、出したものの処理をするために、ベッドのすぐ脇にある机のスタンドライトをつけた。

「──君が相手なら、いくらでもできるのにな」

 明るくなった枕元と背を向けた彼のつぶやきに、笑香は羞恥をその身に感じた。だが、今一つ言葉の意味がよく読み取れず、あれっと首をかしげてしまう。

……君が相手なら?

 それは、つまり自分以外にも誰か相手がいる(または、いた)のだが、「できなかった」という意味に取れる。
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