【完結】優等生の幼なじみは私をねらう異常者でした。

小波0073

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番外編1 柳沢笑香の完璧な恋人

39.柳沢笑香の完璧な恋人 39※

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 笑香はゆっくりと立ち上がった。着ていたワンピースの肩を抜き、あられもない下着姿になる。ソファに体をもたせかけている史郎の首に手を回し、その汗ばんでいる胸元におずおずと頬をよせてみた。
 どこか照れくさい思いの中で笑香は史郎にささやいた。

「私と一緒に『初めて』を、もっと増やしていけばいいよ。ね、史郎君」

 顔から火が出るほど恥ずかしかったが、最後に一言つけ加える。

「せっかくだから、私も気持ち良くしてくれる?」

 羞恥に燃える耳元で史郎が大きく息を吐いた。史郎の腕が腰に巻きつき、手荒く思えるくらいの勢いでそのままソファに押し倒される。
  はっ、はっと獣のような呼吸が鎖骨でうごめいた。首の根元の柔らかい皮膚に強い力でしゃぶりつかれ、音を立ててきつく吸われる。
 今日一日意識した、史郎の大きな手のひらが笑香の全身を這い回る。あらわになった胸の傷跡を乱暴に舐め上げられて、笑香はくすぐったいような、心地良いような不思議な感覚にとらわれた。笑香の下着をはぎ取る指がそのまま強く肌に食い込む。

──私が史郎君に食べられてしまう。

 そんな被虐的な思いを胸に笑香は彼に身をゆだねた。史郎の指と唇が、女体の感じる手応えを求めて答える場所を荒々しくさぐる。胸のふくらみをつかみ上げるとその頂点に噛みついて、柔らかく溶けた笑香の秘部に容赦なく指を埋めて来る。
 彼の本能のままの行為に笑香は自分の全てを捧げた。ふれられた箇所から体に回る、魔的な快感に声を上げる。

「あ、あ、あ、しろうくん……!」

 不意に史郎の上体が離れた。自分を押さえつけるような声で史郎が低く言い置いた。

「──あれ、取って来る。待ってて」

 はだけた服を元に戻して今いるソファから立ち上がる。
 笑香は横になったまま、ぼんやり彼の背を目で追った。史郎がそのまま続けずに、驚異的な精神力で理性を取りもどしたことを知り、千夏の言葉を思い出す。

『始めたら、そのまましたがる男の子も多いっていうから、気をつけてね。ちゃんと自分でも考えるんだよ』

 笑香はふとそれだけで、史郎がどんなに自分のことを大切に思っているかを理解した。彼が自分に語ったような激しい肉欲を抱えていながら、それを強引にねじ伏せて、今まできちんと理性を保って自分の気持ちに合わせてくれた。一年前は、彼の気持ちが自分には全く理解できないと考えていた、あの、自身の欲望に対してとことん忠実だった史郎が。
 それを悟って笑香は心から深い喜びに包まれた。もう、それで十分だ。
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