ピーチな夜、ソマリの朝

ゆれ

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ピーチな夜

05

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 控えめな下生えもぐしょぐしょになるほど前を濡らし、低く唸る男がいきんだ瞬間ずるりと吸い込まれるように葵は彼の奥へ迎え入れられた。

「……っあ! あ゛ああっ!」
「は、……ッく、す、っげえ、キツキツじゃねえか」

 10代の頃処女とやったのを思い出すほどの食い締めに襲われ、知らずほうっと恍惚色の吐息を洩らしていた。片や受け入れさせられている男はそれどころじゃない衝撃と異物感に声を濁らせ屈辱に沈んでいる。恐らく痛まない場所をさがしてのことなのだろうが、尻を揺らすのでまるで誘われているかのようだった。

「あー……やべ、マジ、クる」
「ぅあッ、も、……~~っっ!!!」

 その瞬間だけ葵は自分のことしか考えず、ぐうっと腰を前に押し出した。

 負けず劣らず引き締まったかたい腹筋にもにゅっと男の尻があたってかるく潰れる。また萎れてしまった彼の性器から手を放し、両手で尻たぶを開くともういっぱいまで伸びきっている穴がちょっとだけ空間をつくり、締めつけが和らぐ。ここぞとばかりに葵は律動を開始した。

「や、あ、……いや、うぁ、あっ、……めろ、」
「はぁ、これハマるわ……」
「ンンッ、んっ、うっ、んっんっ」

 余分な隙間が一切ない、むしろ葵がみちみちと押し開いているほど狭いなかを、ローションを掻き出さんばかりの勢いでずりずり摩擦する。ゴムをしてないので表面のおうとつが覿面に男の壁を削り、互いの分泌液がからみあってひどい音をさせつつ出入りを繰り返した。

 身体の外は外で手触りのいい尻を揉み込む。ひろげるな、と掠れ声で言われても逆の意味としかとれなかった。もっと引っぱって穴を変形させてやれば男は真っ赤になって腰を跳ね上げる。感じ入ったようにきゅっと縁を窄める。

 かなり馴染んできたのか動けるようになってきた。反対に、今度は男の尻の頬を両手で寄せるようにし、狭くしたはざまをガチガチの茎で甚振っていく。男の会陰から内腿にかけては洩れ出たローションでべとべとに濡れた。つぎ足すべく上から新しく注いでやると冷たさに穴がきゅんとつぐんで、お返しにぬろぉ、と抉るようにまわしながら突き込んだ。男がああっと身悶える。

 ちいさな尻を自分の目にもいつもより大きく育ちすぎた性器でずぶずぶに犯していく。無垢な白い丘のあわいで赤黒くグロテスクな凶器が激しく抜き差しされていくさまはたとえようもなく昂奮を呼び、征服欲を満たして、葵もだんだん欲求の輪郭が鮮明になってくる。植え付けたい衝動が頭の中でふくれあがる。男は温かく、やわらかく、驚くような寛大さで葵を包み込み、情熱的に揉みしだいてきたと思ったらちゅぶちゅぶとしゃぶりついて、往復のたびに絡みついて一体化するようだった。

「おま、これ、名器だろ。ゼッテー」
「もうやだ、あっ、あっ」
「オイ聞いてんのか、なあ、俺以外に、寝たことあんのか!」
「ッない、ないっ、……も、だめぇぇぇえッッ!!!」

 葵が何げなく突き上げた切っ先がごりっとどこか潰したような感触があった。最後はほぼ泣きが入ったまま男がびくん!と今日イチで大きく身体を跳ねさせてベッドにくずれる。気を失ったようなのに間をあけずこれでもかと内側にきゅうううっと搾りあげられ、逆らわずに葵は根元まで含ませた腰をさらに押し込むみたいに密着させて吐精した。遮るものなく隔てるものなく自由に解き放たれた白濁が男の奥深く、処女地にじわっと広がる。

 取り敢えずまた意識をとばしたようなので、フィニッシュ地点から動かずにふうっと満足の息を吐いた。控えめに言っても物凄い気持ちが良かった。こいつはどうだろうと覗き込んでみて、いつの間にか男が腹の下にたらたらとしろい水たまりを作っていたのを発見する。気絶する直前に達したのだろうか。あの手応えがあった場所、あれが彼の弱点なのかもしれない。捜そうと腰を捏ねまわしてみたけれど互いに状態が変わってしまったためか今ひとつ判別がつかなかった。

 それより、自分で出しておいてなんだがぷちゅぷちゅと体液の鳴る音が卑猥で遅まきに照れがくる。掌にはちょうどいい揉み感の尻があたる。すこしだけ前後させると縁からいろいろ混ざったものが新たに腿へ伝った。男の性器も力なく揺れる。

(そうだ)

 不意にひらめいてふたたびいっぱいまで挿れながら男の下半身をひねるようにして横たえ、上にきた脚を曲げさせて可動域限界まで開かせて、下になった脚を跨ぐ体位に変える。職業柄なのか生まれつきか股関節の柔軟さに感心した。女を相手にしているかのようだ。

 ともかくこれで近くなった。葵は精液を踏まないよう手早くティッシュで拭って捨て、行けるところまで這って行って男の顔を覗き込む。もっと身長差があればよかったのだけれど誤差程度しか違わないようなので完全に向かい合うのは難しい。かといって抜いてしまうのも、苦労したのでまだ勿体ない気がする。

「御開帳~……」

 ひとりでおどけながら、指を伸ばして黒いアイマスクの結び目をほどいて絶句した。
 
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