【R18】六つのかりそめの閨

テキイチ

文字の大きさ
上 下
19 / 25
本編

◇ 第七夜 ⑤

しおりを挟む
 初めての営みを終えた後、コンスタンツェはアレクサンドルの腕に抱かれながら、微睡んでいた。数多の戦を勝ち抜いてきた逞しい身体に守られて、安心感を覚えながら。不意に、アレクサンドルはコンスタンツェの鼻梁にくちづけをした。予想外の箇所だったので、コンスタンツェは思わず目を開いた。

「すまない。起こす気ではなかった」
「いいえ。とても嬉しいわ」

 コンスタンツェが微笑みかけると、アレクサンドルも穏やかな笑みを浮かべた。この顔だけでは決して軍神と呼ばれるような男には見えない。

「わがままを、言ってもいい……?」
「なんでも言ってほしい」
「サーシャの顔を見ながら、もう一度受け入れたいの」
「……身体がつらいのでは?」
「お願い」

 歴戦の勇者も新妻の可愛いわがままには勝てない。アレクサンドルは少し困ったように笑い、コンスタンツェを押し倒した。
 くちづけを交わしながらアレクサンドルが花芽を弄ると、コンスタンツェの花柱はすぐにとろりと蜜を垂らした。胸にくちづけ、乳首を吸いながら秘所に指を差し込むと、コンスタンツェは可愛らしい声を上げる。少しずつ挿れる指を増やし、三本咥えられるようになったところで、アレクサンドルは再び蜜を己に塗した。コンスタンツェも夫が入りやすいように、頬を染めながら大きく脚を開いた。アレクサンドルは肉剣を妻の鞘へと差し込んでいく。一度夫を知った身体は、ずいぶん滑らかに飲み込んでいった。

「今度は、あまり抵抗なく入るね」
「早く奥まで受け止めたいもの……」

 アレクサンドルは早々に最奥まで辿り着き、愛する妻を優しく抱きしめ、そっとくちづけた。唇が離れると、コンスタンツェは可愛らしく笑いながら言う。

「私に送ってくださった絵姿は、サーシャを全然表現できていなかったわ」
「そうかな」
「そうよ。神々しさも雄々しさも凛々しさも優しさも、ちっとも描けていなかった。私は、ずっと、ずっと、本物のあなたを見たくてたまらなかったの……」
「コニーにとっては、ただの政略結婚相手だろう?」
「それでも、一生添い遂げる大切な方だもの」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

処理中です...