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実例編

07 わからなくても(横向きの絵で表紙を作る)

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 「わからなくても」は、那月結音さんにとても素敵な絵を描いていただいたので、隙あらば自慢しています。アルファポリスの表紙にもぜひ使わせていただきたいと思ったのですが、いただいた絵は横向き。「どうすれば絵を最大限活かせるか」だけを判断基準に作成しました。
 結構派手に改変してしまったので、申し訳なさがあったのですが、結音さんは快諾してくださり、感謝しかない……!

 絵を表紙の縦方向に合わせて拡大すると、カットする部分がとても多くなってしまうし、画像が荒くなる。とても魅力的な絵なので、本来の絵の素晴らしさを知らない人が見ればおそらく問題ないのだろうと思うのですが、私は知っているので、どうしてもそうすることができませんでした。
 規定の比率の横幅に合わせればかなり回避できるので、絵を中心に配置し、上下に色を足そうと考えました。

 上下の色は絵で描かれている背景に合わせると綺麗だと思ったので、一色ではなくグラデーション、自然に馴染むように絵の端にぼかしを入れました。
 色調を上下揃えるか否かで最後まで迷いました。揃えたら統一感が出るかもと思ったからですが、結局、上よりも下の方を少しだけ明るく仕上げました。コスモスを想起させる色にしたかったのと、明るい未来を予感させられるといいなと考えたからです。




 題字と作者名のフォントは「タイムマシンわ号」です。結音さんが元々入れてくださっていた題字と作者名がとても素敵だったので、手持ちのフォントで一番近いものを選択しました。結音さんは「文字のないバージョンも送りましょうか?」と言ってくださったのですが、いただいた絵を文字込みで活かしたいと思いました。まるで映画のように、大きな文字が映写された画面に投影されているかのように見えて、気に入っています。また、この流れで結音さんがどうして元々のフォントを選んでくださったかも教えていただけたので、個人的に大変得をしたというか、いただいた絵に対する思い入れがより強くなりました。


 Illustrationのクレジットは題字と作者名のフォントに寄せたバージョンも作ったのですが、結音さんご自身が明朝体をよくお使いだったので、私の中の結音さんのイメージに合わせて、「源暎こぶり明朝」にしました。明朝体を使うことで、全体が引き締まった気がします。

 題字・作者名・クレジット、全てグレイッシュなローズピンクの縁取りをつけています。縁取りでフォント色そのものが変わって見えるんだ! ということを学習しました。目の錯覚面白い。


 素敵な絵を使わせていただける場合は、いろいろ引き算する方向で作った方が、活かせるように思っています。
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