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最終章 ジャックにはジルがいる
349 君といちめんのなのはな ④
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「お互い我慢できなかったね」
「ん……」
「ほんとは、じっくりしようと思っていたんだよ」
「どんな風に?」
若葉ちゃんが童女のようなあどけない表情で訊ねてくる。
「頭の上から足の先まで、若葉の身体を一箇所一箇所、確認したかった」
「どんな風に?」
「こんな風に」
そっと頭のてっぺんにキスを落とす。続けて、額に、瞼に、目尻に、こめかみに、耳朶に、頬骨に、鼻に。若葉ちゃんがくすぐったがってくすくす笑うから、なかなか進まない。
「この調子で、全部?」
「そう」
「確認なんかしなくても、私はちゃんとここにいるのに」
僕が焦がれたきらきら輝く瞳で見つめられ、若葉ちゃんの唇を奪わずにはおれなかった。
「若葉」
「なあに?」
「愛してるよ」
今度こそ僕は、若葉ちゃんから言われる前に、自分の意志で、この言葉を伝えたかった。
若葉ちゃんはとても幸せそうに微笑む。
「私も、愛してるわ」
確認なんか、もういいや。そんなことより、もう一度若葉ちゃんとつながりたい。もう一度ゴムを着け、僕は若葉ちゃんの中に入った。今度は動かずに、そっと抱きしめる。若葉ちゃんも僕をそっと抱きしめ返してくれる。
結局僕らは長い間抱き合ったままでいた。若葉ちゃんの甘い匂いを嗅いで、やわらかさを感じて、互いの体温を分け合って、身体よりも気持ちが満たされて、僕は自分がどれだけ若葉ちゃんを求めていたのかを改めて思い知らされた気がした。
「ん……」
「ほんとは、じっくりしようと思っていたんだよ」
「どんな風に?」
若葉ちゃんが童女のようなあどけない表情で訊ねてくる。
「頭の上から足の先まで、若葉の身体を一箇所一箇所、確認したかった」
「どんな風に?」
「こんな風に」
そっと頭のてっぺんにキスを落とす。続けて、額に、瞼に、目尻に、こめかみに、耳朶に、頬骨に、鼻に。若葉ちゃんがくすぐったがってくすくす笑うから、なかなか進まない。
「この調子で、全部?」
「そう」
「確認なんかしなくても、私はちゃんとここにいるのに」
僕が焦がれたきらきら輝く瞳で見つめられ、若葉ちゃんの唇を奪わずにはおれなかった。
「若葉」
「なあに?」
「愛してるよ」
今度こそ僕は、若葉ちゃんから言われる前に、自分の意志で、この言葉を伝えたかった。
若葉ちゃんはとても幸せそうに微笑む。
「私も、愛してるわ」
確認なんか、もういいや。そんなことより、もう一度若葉ちゃんとつながりたい。もう一度ゴムを着け、僕は若葉ちゃんの中に入った。今度は動かずに、そっと抱きしめる。若葉ちゃんも僕をそっと抱きしめ返してくれる。
結局僕らは長い間抱き合ったままでいた。若葉ちゃんの甘い匂いを嗅いで、やわらかさを感じて、互いの体温を分け合って、身体よりも気持ちが満たされて、僕は自分がどれだけ若葉ちゃんを求めていたのかを改めて思い知らされた気がした。
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