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最終章 ジャックにはジルがいる

348 君といちめんのなのはな ③

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 ひさしぶりだからすごく丁寧に愛そうと思っていたのに。若葉ちゃんの情欲にまみれた瞳を見ていたら、そんなことはもうどうでもよくなってしまった。
 僕はパジャマを脱いで下着も下ろし、ゴムを纏って、若葉ちゃんに向き直る。目が合うと、若葉ちゃんは僕が入りやすいように、自らゆっくり脚を開いてくれた。秘所から蜜が滴り、朝日を浴びて光っている。

「新くん……来て……」
「うん……」

 ずぷずぷといやらしい音を立てて、若葉ちゃんが僕を飲み込んでいく。温かくたっぷり潤っているけれど、ひさしぶりだからかなんだかひどく狭くて、初めてした時を彷彿とさせた。でも、何度もして、きちんと僕を覚えている若葉ちゃんの中は、僕に快感を与えようと、僕から快感を得ようと、ひどく蠢いている。
 か細く響く甘い嬌声と恍惚の表情があまりにも淫靡で、紅く染まった頬がたまらなくて、思わず若葉ちゃんの耳元で囁く。

「若葉ちゃん……中、すごいことになってる」
「だってぇ……新くんとしたかったんだもん……」
「僕も。若葉としたかった」

 呼び捨てにすると、若葉ちゃんの中がぎゅっと締まった。

「そんなに締めたら、イッちゃうよ」
「だあってぇ……」

 少し困ったように若葉ちゃんが眉を寄せるから、そっとくちづける。一瞬びっくりしたように目を見開いて、そのまま若葉ちゃんは花がほころぶように笑った。ずっと見たかった、若葉ちゃんらしい、憂いのない笑顔。
 もう一度くちづけ、今度は深く舌を絡める。若葉ちゃんも嬉しそうに応えてくれた。互いに貪り合う。

 動いて快感を得たくて、じっとして安心感を得たくて、溶け合って幸福感を得たくて、どうすればいいのかわからない。なんだかとても贅沢な時間。

「あっ……あっ……新くん……新ぁ……」

 焦れた若葉ちゃんが切ない声で啼くので、もう、一度イってしまおうと思った。
 ぐちゅぐちゅと派手な水音を立てながらカリで手前側を擦り、若葉ちゃんが耐えられないという顔をしてぎゅっと目をつぶったところで、がつがつ奥を突いて一緒に達した。
 はあはあという互いの荒い息遣いと、ひばりのさえずりだけが響く。ひさしぶりの、本物の若葉ちゃん。そのまま余韻を味わっていたいけど、ゴムが外れたら危ない。そっと抜いて始末をし、もう一度ぎゅっと抱きしめた。腕の中に若葉ちゃんがいるというかけがえのない幸せを噛み締める。昨日までそれは、ちっともあたりまえじゃなかった。
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