308 / 352
第十章 扉が閉じて別の扉が開く
307 お前の光は今どこにある ④
しおりを挟む
ドキュメンタリーが終わった。
どちらからともなく抱き合い、くちづけを交わす。纏っている服を互いに脱がせ合い、私達はありのままの姿になる。そうするのが自然だから。
ベッドに横たわるとすぐ、新くんが私の中に入ってきてくれた。私は与えられる快感を一つも逃したくなくて、手足を巻きつけるように新くんの身体に絡める。
新くんはいつも私を気遣って、「気持ちいい?」とか「大丈夫?」とか、こまめに訊ねてくれる。今日はその声が、なんだか遠い。
もういいや。新くんとこうしていたら、嫌なことは忘れられる。全部、考えなくてよくなる。
ああ、片岡くん、ごめんね。あなたが私の身体を求めてきた気持ち、今はとてもよくわかるの。だって、身体をつなげることは、こんなに気持ちがいい。
あなたが嫌だった訳じゃない。あの頃の私は、未知の世界に足を踏み入れることが、急いで大人にならなければならないように思えて、怖かったの。
知らなかっただけなの。こんなに素晴らしい世界があるなんて。ああ、もっと思い切って飛び込めばよかった。不安で、踏み出し方が半端で、なんだかお互い傷ついてしまった。
新くんは上手に私を導いてくれて、肌を重ねる喜びを知った。一人では得られない、とびきりの快感を知った。
間違ってない。間違ってない。間違ってない。
ほら、だって、こんなに気持ちがいい。
このまま、夜が明けなければいいのに。何も考えず、快楽に溺れていたい。新くんは優しいから、きっと許してくれる。ずっとこうしていたい。
どちらからともなく抱き合い、くちづけを交わす。纏っている服を互いに脱がせ合い、私達はありのままの姿になる。そうするのが自然だから。
ベッドに横たわるとすぐ、新くんが私の中に入ってきてくれた。私は与えられる快感を一つも逃したくなくて、手足を巻きつけるように新くんの身体に絡める。
新くんはいつも私を気遣って、「気持ちいい?」とか「大丈夫?」とか、こまめに訊ねてくれる。今日はその声が、なんだか遠い。
もういいや。新くんとこうしていたら、嫌なことは忘れられる。全部、考えなくてよくなる。
ああ、片岡くん、ごめんね。あなたが私の身体を求めてきた気持ち、今はとてもよくわかるの。だって、身体をつなげることは、こんなに気持ちがいい。
あなたが嫌だった訳じゃない。あの頃の私は、未知の世界に足を踏み入れることが、急いで大人にならなければならないように思えて、怖かったの。
知らなかっただけなの。こんなに素晴らしい世界があるなんて。ああ、もっと思い切って飛び込めばよかった。不安で、踏み出し方が半端で、なんだかお互い傷ついてしまった。
新くんは上手に私を導いてくれて、肌を重ねる喜びを知った。一人では得られない、とびきりの快感を知った。
間違ってない。間違ってない。間違ってない。
ほら、だって、こんなに気持ちがいい。
このまま、夜が明けなければいいのに。何も考えず、快楽に溺れていたい。新くんは優しいから、きっと許してくれる。ずっとこうしていたい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
93
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる