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第九章 青天にいかずちが落ちる
228 ああ、素晴らしい新世界 ③
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会場に到着し、ピーターラビット号を停め、新くんと一緒に待ち合わせ場所へと向かう。玲美ちゃんとお兄ちゃんはもう着いていた。玲美ちゃんは紺のシックなVネックのワンピースに同布のボレロを纏い、お兄ちゃんは黒のスーツに白いシャツを合わせマルチカラーのネクタイを締めている。玲美ちゃんは中背だけどスタイルがいいし、お兄ちゃんはスーツがものすごくよく似合って派手な色柄にも負けない。並んでいる二人はとってもお似合いで、なんだかひどく大人びて見えた。
「玲美ちゃん!」
「若葉。今日のワンピース、アシンメトリーで綺麗」
「でしょう? 一目惚れなの!」
くるりと一回転する。裾がひらっとしているから、動きが映えるはず。
「綺麗。だけど、ごめん、金魚っぽいと思った」
「どうしてもお魚から逃れられない!」
思わず笑ってしまった。でも、大人びたイメージよりも、私らしい気がする。ひらひら、ゆらゆら、小さな鉢の中をたゆたう金魚。
玲美ちゃんの首元がきらめいたので、思わず見入ってしまう。金の鎖にごく小さなペンダントトップはト音記号を模したもの。玲美ちゃんがアクセサリーを着けるのは珍しい。似合っているけれど、玲美ちゃんはこういう可愛らしいものは選ばない気がする。
「今日の格好もネックレスも素敵ね。似合ってる!」
「いいだろ? ネックレス」
玲美ちゃんの代わりに、お兄ちゃんが得意げに答える。もしかして。
「お兄ちゃんのプレゼント?」
「そう! 絶対似合うと思って」
「……もう時間だから行くよ」
玲美ちゃんは会場へすたすたと進んでいく。珍しく顔を赤らめていたのを私は見逃さなかった。
「玲美ちゃん!」
「若葉。今日のワンピース、アシンメトリーで綺麗」
「でしょう? 一目惚れなの!」
くるりと一回転する。裾がひらっとしているから、動きが映えるはず。
「綺麗。だけど、ごめん、金魚っぽいと思った」
「どうしてもお魚から逃れられない!」
思わず笑ってしまった。でも、大人びたイメージよりも、私らしい気がする。ひらひら、ゆらゆら、小さな鉢の中をたゆたう金魚。
玲美ちゃんの首元がきらめいたので、思わず見入ってしまう。金の鎖にごく小さなペンダントトップはト音記号を模したもの。玲美ちゃんがアクセサリーを着けるのは珍しい。似合っているけれど、玲美ちゃんはこういう可愛らしいものは選ばない気がする。
「今日の格好もネックレスも素敵ね。似合ってる!」
「いいだろ? ネックレス」
玲美ちゃんの代わりに、お兄ちゃんが得意げに答える。もしかして。
「お兄ちゃんのプレゼント?」
「そう! 絶対似合うと思って」
「……もう時間だから行くよ」
玲美ちゃんは会場へすたすたと進んでいく。珍しく顔を赤らめていたのを私は見逃さなかった。
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