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第五章 今が一番よいタイミング

115 私と彼氏の甘やかな時間 ③

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「僕が入ったら、お湯、溢れちゃうね」
「それは仕方ないから、ざばっと入って」

 擬音がツボに入ったらしく、「ざばっと」とくすくす笑いながら、新くんは湯船に足を入れた。新くんはゆっくり入ってきてくれたけど、ほんとにお湯がざばっと音を立てて溢れて、ちょっとびっくりする。

「きゃあ!」
「やっぱり二人で入るのは……ちょっと無理があるね」
「うん」
「若葉ちゃんと密着できるのは、いいけど」

 新くんはそう言って微笑むと、私をぎゅっと抱きしめて、キスをしてくれる。
 お風呂で、密着して、素顔の新くん。いつもと違うシチュエーションにどきどきしてしまって、思わずどうでもいいことを訊ねる。

「お風呂入る時は、眼鏡掛けないんだね」
「レンズのコーティングが剥がれるから」
「コンタクトは?」
「コンタクト……面倒くさいから、苦手」

 見えない方が面倒な気がするけれど。そこらへんは人それぞれなのかもしれない。
 新くんにゆっくり背中をなでられて、どきどきする。軽いキスをもう一度落とされた後、そっと胸を揉まれ、「あ……」と吐息とも嬌声ともつかない声が思わず出てしまう。恥ずかしい。

「しまったな」
「なあ、に?」
「ゴム、持ってくればよかった」

 確かに、新くんのが当たってて恥ずかしいし、私も今なら問題なく挿れられる状態になっていてやっぱり恥ずかしい。

「ここ狭いし、ベッドに行こうよ」
「誘われた」
「そうじゃないけど! ここじゃ無理じゃない?」
「確かに」
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