82 / 352
第三章 カバーで本を判断するな
081 僕と彼女と装備と経験値 ⑥
しおりを挟む
ゆっくり胸をもむと、若葉ちゃんは歓喜の声を上げた。
「ああっ……!」
「気持ちい?」
若葉ちゃんはこくりと小さくうなずいた。少し瞳を潤ませ、頬を紅潮させて、僕に言う。
「なんか、今日、おかしいの……。新くんが、欲しくて……」
若葉ちゃんの秘所を覗き込むと、もう愛液がシーツまで垂れていて、思わず笑みがもれる。解すまでもない。
「ん。僕も挿れたい」
ゴムを一つ取って装着し、若葉ちゃんの中にゆっくり攻め入る。ぐしゅぐしゅと水音がして、若葉ちゃんは恥ずかしそうにぎゅっと目をつぶる。
「ああぁ……んんっ……」
若葉ちゃんがずいぶん締めつけてくるので、なんだか無理矢理若葉ちゃんの身体を開いている気分になり、正直興奮する。僕のものでみっしり埋めて、絡みついてくる狭い膣壁を、進むたびに僕専用に広げていく感覚。僕の形に変えられてしまえ。
いつもより時間をかけて入れたせいか、全て収めた時に妙な達成感があった。安堵の息を吐くと、若葉ちゃんがそっと背中をさすってくれて、すごく落ち着く。
キスを落とすと、若葉ちゃんは満たされたような笑顔を浮かべた。
むしろ僕の方が満たされているのに。
ゆっくり動くと、若葉ちゃんはそのまま抱きついて、僕の腰に脚を絡めてきた。いつもより甘えてくれている感じがする。
「新くん……新くん、大好き……」
いつもだったら「僕も」と返すところ。でも、なんだかもっと別の言葉で想いを伝えたくなった。
「若葉、愛してるよ」
僕はもう、直球しか投げられなかった。気障な台詞も、技巧的な台詞も、この一言には敵わない気がして。
僕が想いを告げた瞬間、若葉ちゃんは息を飲み、僕を見た。その瞳は次第に潤んでいく。何か言おうとして何度も口を開きかけるけど、結局彼女の口から言葉が出ることはなく、ぎゅっと抱きしめられた。だから僕もそれ以上何も言わず、ぎゅっと抱きしめ返した。
抱きつかれているのもあって、小刻みにしか動けない。
「んんん……あぁ……」
若葉ちゃんの喘ぎもそんなに激しくない。でも、想いを噛みしめているように感じられ、なんだかグッとくる。
お互いもうイキそうなのはわかった。もう一度キスを落として、動ける限り動く。背中に回された指に力が入った瞬間、若葉ちゃんからひどく締めつけられ、僕達は一緒に果てた。
若葉ちゃんがとても幸せそうな顔で眠っているので、ほっとする。
僕は若葉ちゃんがすごく大切で、いつも笑顔でいてほしい。楽しんでいてほしいし、安心してほしいし、いっぱい甘えてほしいし、なによりも自由でいてほしい。
僕は「ぬののふく」と「眼鏡」を変え、「シャープペンシル」と「鞄」を手に入れたけど、装備を少し変更したくらいでレベルが上がる訳じゃない。
僕には、圧倒的に経験値が足りていないのだ。
幸福な未来を手に入れるために、僕は何をすべきなんだろう。
-------------------------
Don't judge the book by its cover.
本のカバーでその本を判断するな。人は見かけによらぬもの。
「ああっ……!」
「気持ちい?」
若葉ちゃんはこくりと小さくうなずいた。少し瞳を潤ませ、頬を紅潮させて、僕に言う。
「なんか、今日、おかしいの……。新くんが、欲しくて……」
若葉ちゃんの秘所を覗き込むと、もう愛液がシーツまで垂れていて、思わず笑みがもれる。解すまでもない。
「ん。僕も挿れたい」
ゴムを一つ取って装着し、若葉ちゃんの中にゆっくり攻め入る。ぐしゅぐしゅと水音がして、若葉ちゃんは恥ずかしそうにぎゅっと目をつぶる。
「ああぁ……んんっ……」
若葉ちゃんがずいぶん締めつけてくるので、なんだか無理矢理若葉ちゃんの身体を開いている気分になり、正直興奮する。僕のものでみっしり埋めて、絡みついてくる狭い膣壁を、進むたびに僕専用に広げていく感覚。僕の形に変えられてしまえ。
いつもより時間をかけて入れたせいか、全て収めた時に妙な達成感があった。安堵の息を吐くと、若葉ちゃんがそっと背中をさすってくれて、すごく落ち着く。
キスを落とすと、若葉ちゃんは満たされたような笑顔を浮かべた。
むしろ僕の方が満たされているのに。
ゆっくり動くと、若葉ちゃんはそのまま抱きついて、僕の腰に脚を絡めてきた。いつもより甘えてくれている感じがする。
「新くん……新くん、大好き……」
いつもだったら「僕も」と返すところ。でも、なんだかもっと別の言葉で想いを伝えたくなった。
「若葉、愛してるよ」
僕はもう、直球しか投げられなかった。気障な台詞も、技巧的な台詞も、この一言には敵わない気がして。
僕が想いを告げた瞬間、若葉ちゃんは息を飲み、僕を見た。その瞳は次第に潤んでいく。何か言おうとして何度も口を開きかけるけど、結局彼女の口から言葉が出ることはなく、ぎゅっと抱きしめられた。だから僕もそれ以上何も言わず、ぎゅっと抱きしめ返した。
抱きつかれているのもあって、小刻みにしか動けない。
「んんん……あぁ……」
若葉ちゃんの喘ぎもそんなに激しくない。でも、想いを噛みしめているように感じられ、なんだかグッとくる。
お互いもうイキそうなのはわかった。もう一度キスを落として、動ける限り動く。背中に回された指に力が入った瞬間、若葉ちゃんからひどく締めつけられ、僕達は一緒に果てた。
若葉ちゃんがとても幸せそうな顔で眠っているので、ほっとする。
僕は若葉ちゃんがすごく大切で、いつも笑顔でいてほしい。楽しんでいてほしいし、安心してほしいし、いっぱい甘えてほしいし、なによりも自由でいてほしい。
僕は「ぬののふく」と「眼鏡」を変え、「シャープペンシル」と「鞄」を手に入れたけど、装備を少し変更したくらいでレベルが上がる訳じゃない。
僕には、圧倒的に経験値が足りていないのだ。
幸福な未来を手に入れるために、僕は何をすべきなんだろう。
-------------------------
Don't judge the book by its cover.
本のカバーでその本を判断するな。人は見かけによらぬもの。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる