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第三章 カバーで本を判断するな
073 牧羊犬と救助犬の謝肉祭 ②
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「俺には三つ年下の彼女がいるんだけど」
「彼女、いるんですね」
相談の必要なくない?
「そう! むちゃくちゃ可愛い彼女が!」
「それはよかったです」
一気にテンション上がった。なんかものすごく溺愛してるっぽい。
「ツンツンツンツンツンデレツンくらいの塩梅がたまらない」
意外とMなんだろうか。甘いの週イチ。
「たまらないんだけど、もう少し甘えてほしくて」
「はあ」
「そして心を開いてほしい。若葉に紹介させてくれって何度言っても断られる」
「まあ、折を見て」
ものすごくドライな彼女なのかな。客観的に見ても大好きなのは伝わってくるし、構い倒してそうだし、それでも甘くならないってすごい。鉄の意思を感じる。
「甘えてくれないのは、俺に包容力がないせいだろうかと」
「それはたぶん違います。どんなに包容力がある相手でも、心を開かない人間はいる。むしろ甘えてくれみたいなタイプにこそ、心を開かない」
「そんな!」
「相手の問題だからどうにもならないです」
あ、頭を抱えた。動作がいちいちマンガっぽい。
「セントバーナードとか言われるし」
「救助犬ですし、むしろ包容力は認められているのでは」
「そうかなあ……」
「付き合ってどれくらいなんですか?」
「一年半、くらい……?」
指を折って数えている。なんだか可愛らしい。
「そこそこ続いていますし、長期戦でいきましょう」
「ボーダーコリー……」
ふと気になって訊ねてみる。
「そのボーダーコリーって、若葉ちゃんから聞いたんですか?」
「……いや……」
何、この妙な間。
若葉ちゃん経由じゃなかったら、どのルートで知るんだろう? こんな局地的な呼び名。
三つ年下の彼女……もしかして、僕も知ってる人間なんだろうか。
とりあえず、響さんの顔を見るけど、言いたがらないから、保留。
「彼女、いるんですね」
相談の必要なくない?
「そう! むちゃくちゃ可愛い彼女が!」
「それはよかったです」
一気にテンション上がった。なんかものすごく溺愛してるっぽい。
「ツンツンツンツンツンデレツンくらいの塩梅がたまらない」
意外とMなんだろうか。甘いの週イチ。
「たまらないんだけど、もう少し甘えてほしくて」
「はあ」
「そして心を開いてほしい。若葉に紹介させてくれって何度言っても断られる」
「まあ、折を見て」
ものすごくドライな彼女なのかな。客観的に見ても大好きなのは伝わってくるし、構い倒してそうだし、それでも甘くならないってすごい。鉄の意思を感じる。
「甘えてくれないのは、俺に包容力がないせいだろうかと」
「それはたぶん違います。どんなに包容力がある相手でも、心を開かない人間はいる。むしろ甘えてくれみたいなタイプにこそ、心を開かない」
「そんな!」
「相手の問題だからどうにもならないです」
あ、頭を抱えた。動作がいちいちマンガっぽい。
「セントバーナードとか言われるし」
「救助犬ですし、むしろ包容力は認められているのでは」
「そうかなあ……」
「付き合ってどれくらいなんですか?」
「一年半、くらい……?」
指を折って数えている。なんだか可愛らしい。
「そこそこ続いていますし、長期戦でいきましょう」
「ボーダーコリー……」
ふと気になって訊ねてみる。
「そのボーダーコリーって、若葉ちゃんから聞いたんですか?」
「……いや……」
何、この妙な間。
若葉ちゃん経由じゃなかったら、どのルートで知るんだろう? こんな局地的な呼び名。
三つ年下の彼女……もしかして、僕も知ってる人間なんだろうか。
とりあえず、響さんの顔を見るけど、言いたがらないから、保留。
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