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第二章 真実はプディングの中に

050 僕の彼女と念願の姫初め ①

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「若葉ちゃん」
「なあに?」

 僕はそのまま若葉ちゃんにキスをした。

「クリームの味がする」
「そ、そりゃあ、さっきロールケーキ食べたばかりだし……」
「若葉ちゃんは、いつキスしても、甘い」

 つい、クリスマスイヴのやりとりをなぞってしまうけど、本当にそう思うから仕方ない。

「僕、ずっと夢だったんだよね。彼女と誕生日に姫初め」
「ほんと、性欲のカタマリ……」
「いい?」

 若葉ちゃんはこくんと小さくうなずいてくれた。

「長年の夢を、若葉ちゃんと実行できるのが、めちゃくちゃ嬉しい」

 まず頭に刺していたピンを抜き、髪をほどきながら、訊ねる。

「ピン、全部取れた?」

 若葉ちゃんは自分でも頭をさわり、サイドテーブルに置いたピンの数を確認し、答える。

「うん。全部取ってもらえてる」
「よかった」

 ジャケットを脱がせると、若葉ちゃんはノースリーブワンピースを着ていた。なるほど、ぎりぎりまで脱ぎたがらなかった訳だ。さすがに脱いでずっと過ごすのは寒いだろう。

「ノースリーブ、いいね。セクシー」
「このワンピース、カッティング綺麗だから、シンプルなコーディネートの方がいいと思ったし…………新くん、喜ぶかなって思って」

 確かにいつもの若葉ちゃんだったら暖かさを優先するはず。

「僕の誕生日だから?」
「……うん」

 ノースリーブワンピース姿をしばらく眺める。立ち姿がやはり美しい。
 若葉ちゃんのセンスは最高だと思う。

「今日のテーマは何?」
「……ピンク・レディ」
「昔のアイドル?」
「その名前の元ネタのカクテル。新くん、二十歳の誕生日だから」
「今度、一緒にお酒飲みに行こうか」
「うん」

 ワンピースのファスナーを下ろそうと若葉ちゃんのうなじを見ていたら、ムラムラした。思わずキスを落とす。

「あ……!」
「すごく、綺麗だったから」

 続けて何回か首筋にキスをした。若葉ちゃんが歓喜に震えてて可愛い。
 シューっと静かな音を立ててファスナーを下ろす。

「あ、ガーターなんだ」

 タイツだから上まであるやつだとばっかり。凝った編み方で可愛いタイツが、ガーターベルトで色っぽく見える。
 ワンピースをハンガーに掛け、もう一度若葉ちゃんを眺める。薄桃色の下着に焦げ茶のタイツ、どちらも若葉ちゃんの色白の肌に映えてる。

「……恥ずかしいよ」
「ガーターしたままする? それとも外してする?」
「……外す……っ」

 僕は思わずにやにやしながら言う。

「ガーター外すには、まず、下着下ろさないといけないよね」
「あ……」

 若葉ちゃんはうかつで本当に可愛い。
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