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第二章 真実はプディングの中に

043 私の彼氏と過ごす降誕祭 ④

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 胸元に新くんが吸いつき、チクリと軽い痛みが走る。新くんの唇が離れた後、鬱血痕が残っていた。

「あ……キスマーク……」
「若葉の肌、白くて、痕つけたくなる。一面の銀世界に足跡つけたくなるみたいな感じで」
「キスマーク、なかなか消えないのにぃ……」
「大丈夫、もこもこの着てたら、見えないから」

 すごく雑なこと言ってる! もう! ……でも、大好き。

「んっ……んっ……」

 今日の新くんの動きはゆっくりで、その分、新くんをじっくり味わっているような気分になる。新くんの大きなものが出入りするたびに、普段秘めている部分を少しずつ暴かれるような、いけないことをしている気分になって、とっても興奮する。ゆっくりと快楽を刻み込まれて、私はもう、これを知らなかった頃の私には戻れない。戻りたくない。
 新くんは一度動きを止めた。なんだろうと思った私の耳元に口を寄せ、囁く。

「じっくり感じさせたかったのに。若葉の具合がよすぎて、もう無理」

 熱を帯びた、男を感じさせる声で、どきりとした。
 今までの動きが嘘のように、新くんは腰を使い始める。

「あっ……! あっ! だめ……そこ……やぁんっ!」
「知ってる……若葉、ここ弱いって……」

 お腹側の膣壁を狙って動かれて、新くんのものが擦れる度に私のあそこの熱が上がって、気持ちよくてたまらなくなって、声が勝手に出る。

「あぁっ! そこぉっ……! 新ぁ……気持ちいよぅ……」
「気持ちい……?」
「気持ちいの、すごい気持ちい……あぁー……あぁ! はぁっ、あぁん、あっ!」
「エロ可愛い声」
「あぁ、んあぁあ……新ぁ、あんっ、ん、んんっ、んぅっ!」

 新くんは容赦なく私を追いつめて、逃げられなくして、快感の向こう側に飛ばした。



 行為を終え、新くんは笑みを浮かべて眠っている。
 外は雪。ひさしぶりのホワイトクリスマスになりそう。

 去年のクリスマスイヴ、私は元彼と初めてした。覚悟を決めたつもりだったけど、なんだか、もう私は今までの世界にはいられない、時は戻らない、そんな喪失感を覚えた。処女を失っても、子供の世界に戻れなくなっただけで、大人の世界への扉は開かれなかった。自分から扉を開くことも、したくなかった。

 新くんは私に寄り添って、無理なく少しずつ私の身体に官能を教えてくれた。セックスは怖いものじゃない、愛情を交歓し合う素敵なものなんだって、理屈じゃなく思えた。新くんになら、身体も心ももっと開きたい。もっと気持ちよくなりたいし、もっと気持ちよくなってほしい。

 これは、セックスのことだけではない気がして。
 新くんといると、私が大切にしてきた世界が息を吹き返し、輝きを増す。新くんと一緒なら、新しい世界に足を踏み入れるのも怖くない。私が私のままで楽しくいられる場所に辿りつけるから。根拠なんかないのに、そう確信できる。

 新くんはやっぱり笑みを浮かべて眠っている。
 今年のクリスマスイヴは、心が温かい。新くんにこっそりキスをして、私は安心して新くんの隣で眠った。
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