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第一章 人の好みは説明できない
039 僕の彼女は素直で可愛い ⑬
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「新くんと過ごすの、すごく楽なの」
「楽?」
「私、好きなことばっかりしてて、注意とか気遣いとかいろいろ忘れがちだけど、新くんはいつも大らかで、にこにこ受け入れてくれるから」
申し訳なさそうな若葉ちゃんがなんだか少し悲しくて、憂いを取り除かなければ、想いをきちんと伝えなければと思う。
「僕は若葉ちゃんの温かい優しさが好きだし、すごく大切にされてると思ってるよ」
僕を見る時、若葉ちゃんの瞳はいつもきらきら輝いている。大好きなものを見てる時のあの目。疑う余地がない。無条件幸福。字、間違ってるけど、合ってる。
「もちろん僕も若葉ちゃんがとても大切だ」
僕の言葉に若葉ちゃんは困ったように笑む。
「私、わがまま勝手に生きてるのに。新くん優しい……」
「全然わがままじゃないよ。むしろ若葉ちゃんにはずっとそのままでいてほしい」
萎縮なんかしないで、のびのび過ごしてよ。そう思いつつ頬をなでてキスを落とすと、嬉しそうな笑みに変わったので、ぎゅっと抱きしめる。よし。愛でたし、愛でたし。
僕は本当にわがままで勝手なのは自分の方だとよく知っている。
彼女は僕を誤解している。
でも、彼女と離れたくないから。僕は誤解をあえて解かない。
-------------------------
There is no accounting for tastes.
人の好みは説明できない。蓼食う虫も好き好き。
「楽?」
「私、好きなことばっかりしてて、注意とか気遣いとかいろいろ忘れがちだけど、新くんはいつも大らかで、にこにこ受け入れてくれるから」
申し訳なさそうな若葉ちゃんがなんだか少し悲しくて、憂いを取り除かなければ、想いをきちんと伝えなければと思う。
「僕は若葉ちゃんの温かい優しさが好きだし、すごく大切にされてると思ってるよ」
僕を見る時、若葉ちゃんの瞳はいつもきらきら輝いている。大好きなものを見てる時のあの目。疑う余地がない。無条件幸福。字、間違ってるけど、合ってる。
「もちろん僕も若葉ちゃんがとても大切だ」
僕の言葉に若葉ちゃんは困ったように笑む。
「私、わがまま勝手に生きてるのに。新くん優しい……」
「全然わがままじゃないよ。むしろ若葉ちゃんにはずっとそのままでいてほしい」
萎縮なんかしないで、のびのび過ごしてよ。そう思いつつ頬をなでてキスを落とすと、嬉しそうな笑みに変わったので、ぎゅっと抱きしめる。よし。愛でたし、愛でたし。
僕は本当にわがままで勝手なのは自分の方だとよく知っている。
彼女は僕を誤解している。
でも、彼女と離れたくないから。僕は誤解をあえて解かない。
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There is no accounting for tastes.
人の好みは説明できない。蓼食う虫も好き好き。
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