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第一章 人の好みは説明できない

034 僕の彼女は素直で可愛い ⑧

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 若葉ちゃんの身体はすごく綺麗だった。
 細いけれど、華奢というのとは少し違う、しなやかな筋肉がついた、メリハリのある身体。特に脚がとてもよくて。腿は引き締まっているけれど、さわるとやわらかい。ふくらはぎからきゅっと締まった足首のラインが、いい。
 本人が大きさを気にしている様子の胸も、とてもさわり心地がよくて。小さい乳首とピンクの乳輪が可愛くて、いつまでも舐めて吸って甘噛みしてつまんでいたくなるし、感じさせたくなった。

 若葉ちゃんは初めてじゃなくて。
 今まで処女かどうかなんてどうでもよかったというか、これまで付き合った女子は全員非処女だったし、むしろ非処女の方が面倒じゃなくていいやと思っていたくらいだったし、若葉ちゃんが以前付き合っていた男の顔も知っているのに。
 僕は彼女の初めてを奪った男に嫉妬した。彼女の身体を知っている男が、少なくとも一人存在することに。

 若葉ちゃんの中はすごく狭くて固くて。ほとんどしたことがない感じ。
 若葉ちゃんの反応を見てると、どうもこれまでのセックスが全然よくなかったっぽくて、思わず怒りが湧く。こんなに可愛くて、感じやすい子を、どうしてろくに愛でてないんだ。

 これからいっぱいして、僕の形になじませて、やわらかくしてやる。いっぱいイカせて、一人じゃ得られない快楽を覚え込ませて、僕の身体が手放せなくなってしまえばいい。若葉ちゃんは感じている時の表情がたまらなく可愛いから、いっぱい気持ちよくなっちゃえばいいんだ。

 僕の腕の中で幸せそうに眠る若葉ちゃんを見て、この笑顔をずっと保てるように、もっと笑顔が増すように、全力で愛でることを決意した。



 僕は自分が女子だったらと思うと、とてもげんなりする。女子の身支度は大変気力と時間が必要なものなのだと、姉を見て知っているつもりだった。僕にはできそうにない。

 若葉ちゃんは身支度をいつもとても楽しそうにやっていて、見ていて気持ちがいい。
 どちらかの家に泊まった翌日、「待たせてごめんね」と申し訳なさそうに言われるけれど、全然気にならない。彼女がこの時間を大切にしていることはとてもよく伝わってくるし、どんな風に仕上がるのかをわくわくしながら待つのは楽しい。

 髪を編むところ等、若葉ちゃんが見ても構わないと許してくれたところは、興味深く見せてもらっている。自然な焦げ茶色の、やわらかくまっすぐで艶やかな長い髪が、少しずつ少しずつ編み込まれていく。そして、どのアクセサリーがその日のコーディネートを最も際立たせるか、何度も付け替えて吟味する。美が構築される瞬間。彼女はアーティストだ。
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