上 下
26 / 352
第一章 人の好みは説明できない

025 私の彼氏は優しくて素敵 ⑩

しおりを挟む
 もう、我慢しない。我慢できない。嬌声が止まらない。

「あ、あぁっ……」
「ねえ」
「んぅ……んっ」

 急に話し掛けられて、びっくりして、なんだかすごく媚びた声が出て、恥ずかしい。

「もうイキそう?」
「えっ……」
「きゅうきゅう締まってきた」
「え、や、やだ……わかんない……」

 ふと新くんが真顔になり、私に顔を近づけてくる。間近で見る好みの顔は、やっぱりどきどきする。

「もしかして、自分でもイッたことない?」
「う……うん……」

 じ、自分……? 新くんの言ってる意味がよくわからないけど、とにかく頷く。
 新くんは少し天井の方を眺め、もう一度私に向き直った。

「わかった。今日、ちゃんとイカせるね」
「え……」
「若葉、感じやすいから、大丈夫」

 大丈夫って。大丈夫って、何が。
 新くんが私の中を蹂躙するたびに、奥の方は熱を増し、私の意思に反して、身体は快楽を逃すまいと新くんを締めつける。

「やっぱりクリ好きだね」

 新くんは動きを止め、なんだか意地悪な笑みを浮かべ、ぐりぐりと指でクリトリスをいじる。最初とは違う、少し雑で乱暴な動きが、すごく的確に私をいたぶる。中に新くんのものが入ってるから余計、気持ちいいとしか考えられなくなっちゃう。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。

 気持ちいいに頭が埋め尽くされてる間に、身体はどんどん追い詰められて、今まで経験したことのない状態になった。中がぷるぷる小刻みに震えて、どこかに昇ろうとしてるような。トランプのカードを立ててピラミッドを作ってるみたいな危うさ。やだ、怖い。怖いのに、その先にあるものを、身体は本能的に求めてる。もっと先に行きたい。イキたい。

「若葉」

 新くんの声があんまり優しくて。安心して力が抜けた瞬間、新くんのものが私の中をごりっとこすって。

「んんーーーっ!」

 脚がピーンとなって、頭が真っ白になって、トランプのピラミッドが崩れて、熱を持った身体が遥か彼方に飛ばされた気がした。
 はあ、はあ、と荒い呼吸の私に、新くんはすごく嬉しそうに言う。

「イッた」
「う……」
「中、すごく動いてる」
「ううぅ……」
「で、悪いんだけど、僕ももう無理」

 初めて達したばかりの私の身体を容赦なく突いた新くんは、本当にひどいと思う。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

妃となったのに今更離婚ですか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:718pt お気に入り:563

上司と彼女

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:1,629

悪役令息は紳士になりたい

BL / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:192

母親の彼氏を寝取り続けるDCの話

BL / 完結 24h.ポイント:156pt お気に入り:190

虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:379

腐れ縁LOVERS

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:456

処理中です...