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番外編・個人授業!!

55 あなたを愛してしまう ③

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 壁に手を突いてと指示されたから、私は素直に従う。おしりを突き出すようにしたら、すぐに尚さんが後ろから入ってきた。それだけで、ああっ、と声が出てしまう。
 普段バックでする時はゆっくり進む尚さんが、今日は最初から容赦なく奥まで挿れた。

「ああぁっ! そこぉ、だめぇ! きもちい、きもちいからぁ……っ!」
「うん、気持ちいいよね、ここ」

 もう、ここを攻めてなんて言うまでもなく、尚さんは私の弱いところだけを攻めてくる。

「んっ……! 尚さん……」
「ほんと、感じやすくて、可愛い」
「やぁんっ! んっ! もうだめ……だめだからぁ……」
「うん、我慢しなくていいんだよ」

 お風呂場だから、妙に響いて、なんだか知らない人の声に聞こえる。
 甘えて、ぐずぐずになった、女の声。
 私が声を上げるほど、尚さんの動きは激しくなって、余計、声を出してしまう。

 尚さんは中ほどまで入れていたものを抜いて、入口で先っぽを出入りさせた。小刻みに、煽るように、弄ぶように。カリが気持ちいいところを引っ掻いてきて、私は泣きそうになる。

「イッちゃう……イッちゃう……だめ……」
「イキたいでしょう? 律さんの身体はもう、気持ちいいこと覚えたはずだよ」
「いじわる……」
「うん。律さん、いじわるされて喜んでるの、可愛い」
「あぁあっ!」

 尚さんが再び私の弱点のお腹の裏をこすったので、たまらず達してしまった。壁についた手がずるずる下がって、床にへたりこんでしまう。

「大丈夫?」
「ん……だいじょぶ……」

 振り向くと、尚さんのものはまだ硬さを保っていて。

「ごめん……私だけイッちゃった……」
「じゃあ、律さん、仰向けになってくれる?」
「ん……」

 私が床に仰向けになると、尚さんは目を細めた。

「少し、脚、開いて」
「ん……」

 頭がぼんやりするから、素直に従ってしまう。尚さんは、ごくりと唾を飲んだ。

「気持ちが通じるまで、ずっと想像してた」
「何を?」
「律さんはどんな身体をしてるんだろう、どんな風に乱れるんだろうって」

 尚さんは自ら剛直を扱き始める。私が尚さんのことを考えて自分で慰めてしまったように、尚さんも私のことを考えていたなんて。

「本物は、想像よりずっとずっとよくて。興奮が冷めない」

 私の脚のあわいを見つめながら、尚さんはしばらく扱き、静かにうっとうめいて達した。精液は私の頬にかけられ、少し唇にも飛んだ。

「こんな風に、汚したかった」

 息が整い切らない、少しかすれた声が、なんだか官能的で。

「ひどい男だろう?」
「ひどいね」

 私が笑いながらそう返し、唇にかかった精液を舐め取る。
 ゆっくり起き上がって、力を失った尚さんのものをそっと口に含み、優しく吸った。フェラチオで尚さんが達した後にそうしたら、気持ちよさそうだったから。

「んっ……!」

 予想外だったのか、少しあわてた声。いつもと違う尚さんが、愛おしいなと思う。
 微笑みかけると、尚さんは苦笑し、私にくちづけた。さっきまでの行為とはうらはらな、優しいキス。

「お湯溜まったし、少し浸かろう」

 それから一緒にしばらくお湯に浸かったけれど、一度達したからか妙に気だるくて、なんだかのぼせてしまいそうで。湯船に尚さんを残して、洗髪して、先に上がらせてもらった。
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