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番外編・個人授業!!
48 世界で一番楽しい義務 ③
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終わるといつも、尚さんはしばらく私を抱きしめてくれる。私が顔を上げると、ついばむような優しいキスをいくつもくれて、すごく安心する。身体を重ねるたびに、大切にされているという実感も、積み重ねられていく。
私が微笑みかけると、尚さんも微笑み返し、耳元に口を寄せ、囁いた。
「ほんとは一回でやめとくつもりだったのに」
「え……」
「律さんがあんまりいい声出すから。興奮が冷めない」
「な、なにそれ……」
「罰として、もっかい付き合って」
尚さんは、あたりはやわらかいのに、結構強引だ。言い出したら聞かない。観念して脚を開くと、尚さんはくすりと笑った。
「脚の開き方、大胆になったよね。律さん」
「なっ……」
「そそるよ。すごく興奮する」
そう言うなり、尚さんはもう一度入ってきた。今度は前から。
「バックの残念なところは、このとろとろになった顔が見られないってことだよね」
「とろとろ……もう、やだ……」
「ん? すごく可愛いよ」
尚さんは私の頬にちょんちょんとふれる。
可愛いなんて言われ慣れてないから、どんな顔をしていいのかわからない。今、すごく、微妙な顔をしてると思う。
「可愛い」
「うぅ……」
尚さんは優しい笑みを浮かべてキスを落とす。何度も。ああ、どうしよう、私は今、ものすごい多幸感に襲われている。おかしい。
尚さんは愛してるとか好きだとか、実は言わない。でも、そんなの言われなくても、愛されていることは疑いようがなく伝わってきてしまう。
「尚さん、好き……」
私は尚さんほど態度で愛情を示せていないと思うから、言葉にする。今までの人生で、上手く伝えられなかった反省も込めて。
私が愛の言葉を口にすると、尚さんはとても嬉しそうな顔をするから。
二度目だから、尚さんはゆっくり攻めてくる。私の手を取って指と指の間をそっと舐めたり、乳首を口に含んで舌で転がしたり。首筋を指でゆっくりなぞったり、脇腹をそっとさすったり。
尚さんは覚えたポイントを絶対に外さないから、快感から逃れることができない。
「あっ……あっ……あ! んっ! んんっ!」
「いつでも、イッていいからね」
「んっ……」
「ほんと、すごくよさそう。可愛い」
「いっしょ……いっしょがいい……」
「……ん」
膣が勝手にぴくぴく締まってきて、思わず目を閉じる。達してしまう前兆。
尚さんは私の耳をそっと舐め、動きを速めた。
私が脚を絡めてしまったのと、尚さんが最奥を突いたのと、どちらが先だったかわからないけれど。二人で一緒に果てた。
「枯れてるとか言いながら、絶対回数多い……」
「ほら、妻を愛でるのは夫の義務だから」
「夫の義務」
「そう。僕は律さんを見ていて、私生活の義務は自分の好きなことだけにしようと決めた。逆を権利と思うことにしようって。きっとその方が人生楽しい」
「意味わかんないよ……」
尚さんはたまによくわからないことを言い始める。でも、そういう自由な物言いをするのは私の前でだけかもしれない、なんて、ちょっと思う。
「義務をきちんと全うしているおかげで、僕は今、愛妻家の称号をほしいままにしているよ」
そう言って、尚さんは得意げに笑った。
私が微笑みかけると、尚さんも微笑み返し、耳元に口を寄せ、囁いた。
「ほんとは一回でやめとくつもりだったのに」
「え……」
「律さんがあんまりいい声出すから。興奮が冷めない」
「な、なにそれ……」
「罰として、もっかい付き合って」
尚さんは、あたりはやわらかいのに、結構強引だ。言い出したら聞かない。観念して脚を開くと、尚さんはくすりと笑った。
「脚の開き方、大胆になったよね。律さん」
「なっ……」
「そそるよ。すごく興奮する」
そう言うなり、尚さんはもう一度入ってきた。今度は前から。
「バックの残念なところは、このとろとろになった顔が見られないってことだよね」
「とろとろ……もう、やだ……」
「ん? すごく可愛いよ」
尚さんは私の頬にちょんちょんとふれる。
可愛いなんて言われ慣れてないから、どんな顔をしていいのかわからない。今、すごく、微妙な顔をしてると思う。
「可愛い」
「うぅ……」
尚さんは優しい笑みを浮かべてキスを落とす。何度も。ああ、どうしよう、私は今、ものすごい多幸感に襲われている。おかしい。
尚さんは愛してるとか好きだとか、実は言わない。でも、そんなの言われなくても、愛されていることは疑いようがなく伝わってきてしまう。
「尚さん、好き……」
私は尚さんほど態度で愛情を示せていないと思うから、言葉にする。今までの人生で、上手く伝えられなかった反省も込めて。
私が愛の言葉を口にすると、尚さんはとても嬉しそうな顔をするから。
二度目だから、尚さんはゆっくり攻めてくる。私の手を取って指と指の間をそっと舐めたり、乳首を口に含んで舌で転がしたり。首筋を指でゆっくりなぞったり、脇腹をそっとさすったり。
尚さんは覚えたポイントを絶対に外さないから、快感から逃れることができない。
「あっ……あっ……あ! んっ! んんっ!」
「いつでも、イッていいからね」
「んっ……」
「ほんと、すごくよさそう。可愛い」
「いっしょ……いっしょがいい……」
「……ん」
膣が勝手にぴくぴく締まってきて、思わず目を閉じる。達してしまう前兆。
尚さんは私の耳をそっと舐め、動きを速めた。
私が脚を絡めてしまったのと、尚さんが最奥を突いたのと、どちらが先だったかわからないけれど。二人で一緒に果てた。
「枯れてるとか言いながら、絶対回数多い……」
「ほら、妻を愛でるのは夫の義務だから」
「夫の義務」
「そう。僕は律さんを見ていて、私生活の義務は自分の好きなことだけにしようと決めた。逆を権利と思うことにしようって。きっとその方が人生楽しい」
「意味わかんないよ……」
尚さんはたまによくわからないことを言い始める。でも、そういう自由な物言いをするのは私の前でだけかもしれない、なんて、ちょっと思う。
「義務をきちんと全うしているおかげで、僕は今、愛妻家の称号をほしいままにしているよ」
そう言って、尚さんは得意げに笑った。
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