185 / 201
番外編・取り違えと運命の人 小話集
184 我慢は身体によくない ③
しおりを挟む
「我慢なんかしなくていいよ。ね?」
「あっ……」
リカルドが気まずそうに固まる。私はそっと抱き寄せて、しばらく頭をなで続ける。
「………………情けない…………」
リカルドはそうつぶやくように言うと、ずるっと自身を引き抜いた。
「いつも、こんな量出てたんだ……」
「ジュ、ジュリエッタ?!」
ゴムを付けてしたことなんかなかったから、思わずまじまじと見てしまう。
「……たぶん、いつもより多いんじゃないかな……。精液溜めパンパンだもん…………」
「たぶん? わかんないの?」
「わかんないよ。ゴム使ったの、初めてだし」
「え? 私と結婚する前もゴムなしでしてたの?」
「え? 俺、ジュリエッタとしかしたことないよ?」
「ええ?!」
相当びっくりした顔してたらしい。私を見て、却ってリカルドがびっくりしてる。
「ええと……結婚するまで、女の子と付き合ったことなかったって、言ったよね?」
「で、でも、風俗とか、行ってたのかと……。リカルド、その、するの好きだし……」
「それこそプロとしたら、夢中になっちゃうと思ったし」
「じゃ、あの時……は、初めてだったの?」
「うん。俺、ジュリエッタとしたのが初めてでした」
「落ち着いてたし、すごく丁寧にさわってくれたし、年齢的にもてっきり経験済だと……」
「どうすればいいかはとにかく頭に叩き込んで、ブッツケ本番だったよ。俺、割と本番強い方だし。むしろ今、早漏すぎて、童貞に戻った気分……」
そう言うと、リカルドはゴムを眺めてやたら凹んでる。
「リカルド」
呼びかけると眉根を寄せたリカルドがこちらを向く。
「私、気持ちよくなってくれて嬉しいから、早いとか全然気にしなくていいし、その……リカルドも私が初めてだったの、すごく嬉しい……」
「え……」
「兄がいるし、家には男の職人さんも結構出入りしてたから、男の人はそういう、風俗とか行くの、当たり前だと思ってたし、好きじゃなくてもできるとか、そういう話聞いて幻滅して、男の人に対する不信感も少しあったし……」
なんだかうまく言えなくてリカルドを見る。私の話を理解しようと、リカルドが一生懸命聞いてくれているので、まとまらないけど続ける。
「初めての時、リカルド、なんかムード作るの、上手だと思ったし、全然童貞とか思ってなくて。リカルドのこと好きだって自覚してから、今まで経験した女の人に、少し嫉妬したことあった」
「そんな女の子、いないから!」
「うん。まさか私だけなんて、思ってもなかったけど、そうだって知って……嬉しい」
リカルドはゴムをきゅっと結ぶと、ゴミ箱に投げ入れた。ストライク。よかった外れなくて。と思ってたら、抱きしめられた。
「ジュリエッタが嫉妬してたなんて、知らなかった」
「……言わなかったもん」
「嫉妬は俺の専売特許かと思っておりました」
「リカルドは、確かに、結構嫉妬するよね」
「あっ……」
リカルドが気まずそうに固まる。私はそっと抱き寄せて、しばらく頭をなで続ける。
「………………情けない…………」
リカルドはそうつぶやくように言うと、ずるっと自身を引き抜いた。
「いつも、こんな量出てたんだ……」
「ジュ、ジュリエッタ?!」
ゴムを付けてしたことなんかなかったから、思わずまじまじと見てしまう。
「……たぶん、いつもより多いんじゃないかな……。精液溜めパンパンだもん…………」
「たぶん? わかんないの?」
「わかんないよ。ゴム使ったの、初めてだし」
「え? 私と結婚する前もゴムなしでしてたの?」
「え? 俺、ジュリエッタとしかしたことないよ?」
「ええ?!」
相当びっくりした顔してたらしい。私を見て、却ってリカルドがびっくりしてる。
「ええと……結婚するまで、女の子と付き合ったことなかったって、言ったよね?」
「で、でも、風俗とか、行ってたのかと……。リカルド、その、するの好きだし……」
「それこそプロとしたら、夢中になっちゃうと思ったし」
「じゃ、あの時……は、初めてだったの?」
「うん。俺、ジュリエッタとしたのが初めてでした」
「落ち着いてたし、すごく丁寧にさわってくれたし、年齢的にもてっきり経験済だと……」
「どうすればいいかはとにかく頭に叩き込んで、ブッツケ本番だったよ。俺、割と本番強い方だし。むしろ今、早漏すぎて、童貞に戻った気分……」
そう言うと、リカルドはゴムを眺めてやたら凹んでる。
「リカルド」
呼びかけると眉根を寄せたリカルドがこちらを向く。
「私、気持ちよくなってくれて嬉しいから、早いとか全然気にしなくていいし、その……リカルドも私が初めてだったの、すごく嬉しい……」
「え……」
「兄がいるし、家には男の職人さんも結構出入りしてたから、男の人はそういう、風俗とか行くの、当たり前だと思ってたし、好きじゃなくてもできるとか、そういう話聞いて幻滅して、男の人に対する不信感も少しあったし……」
なんだかうまく言えなくてリカルドを見る。私の話を理解しようと、リカルドが一生懸命聞いてくれているので、まとまらないけど続ける。
「初めての時、リカルド、なんかムード作るの、上手だと思ったし、全然童貞とか思ってなくて。リカルドのこと好きだって自覚してから、今まで経験した女の人に、少し嫉妬したことあった」
「そんな女の子、いないから!」
「うん。まさか私だけなんて、思ってもなかったけど、そうだって知って……嬉しい」
リカルドはゴムをきゅっと結ぶと、ゴミ箱に投げ入れた。ストライク。よかった外れなくて。と思ってたら、抱きしめられた。
「ジュリエッタが嫉妬してたなんて、知らなかった」
「……言わなかったもん」
「嫉妬は俺の専売特許かと思っておりました」
「リカルドは、確かに、結構嫉妬するよね」
0
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる