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番外編・取り違えと運命の人 小話集
163 約束の行方 ④
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「はい、お水」
「ん。ありがとう」
私がコップを渡すと、リカルドは少し疲れた様子で受け取り、一気に飲み干した。
「まだ飲む?」
「ううん、もういい」
コップを受け取ってサイドテーブルに置くと、私はもう一度リカルドの横にもぐりこむ。
「約束して」
「約束?」
「私のことをやたら気にしたり、ちょっとしたことを律儀に守らなくていいから、リカルドがやりたいことをするって。嫌だったら伝えるから」
「ええと……」
「今日、外出、あんまり気が進まなかったんでしょ?」
「……うん、ほんとは」
でも、一週交代って約束したから。いちゃいちゃしたかったというより、あんまり暑くて外に出るのがきつかったんだろう。
「ただ、最初から襲う気じゃなくて。ちょっと頭ぼんやりしてて、ジュリエッタのうなじ見たら、ついふらふらと……。ごめん」
「無理しないっていうのが、一番大事な約束。それ以外は守れる時に守れば充分」
「ん……」
リカルドの我慢と無理しちゃう鎧はなかなか頑丈だから、少しずつ脱がしていかないとだめだなあ、と思いながら頭をなでる。
「甘えられる時は甘えればいいんだよ」
「甘えてる、気だったんだけどなあ」
「もっと大丈夫」
「ん、もっと甘える……」
そう言うと、リカルドは私にしがみつくように抱きついてきた。
その後しばらくして、軽く拘束したり目隠ししたり、微妙にインモラルな感じのバリエーションが増えたんだけど、まあ、合意の上だし、お互い気持ちいいのでいっか、ということになっている。よかった、ん、だよね?
「ん。ありがとう」
私がコップを渡すと、リカルドは少し疲れた様子で受け取り、一気に飲み干した。
「まだ飲む?」
「ううん、もういい」
コップを受け取ってサイドテーブルに置くと、私はもう一度リカルドの横にもぐりこむ。
「約束して」
「約束?」
「私のことをやたら気にしたり、ちょっとしたことを律儀に守らなくていいから、リカルドがやりたいことをするって。嫌だったら伝えるから」
「ええと……」
「今日、外出、あんまり気が進まなかったんでしょ?」
「……うん、ほんとは」
でも、一週交代って約束したから。いちゃいちゃしたかったというより、あんまり暑くて外に出るのがきつかったんだろう。
「ただ、最初から襲う気じゃなくて。ちょっと頭ぼんやりしてて、ジュリエッタのうなじ見たら、ついふらふらと……。ごめん」
「無理しないっていうのが、一番大事な約束。それ以外は守れる時に守れば充分」
「ん……」
リカルドの我慢と無理しちゃう鎧はなかなか頑丈だから、少しずつ脱がしていかないとだめだなあ、と思いながら頭をなでる。
「甘えられる時は甘えればいいんだよ」
「甘えてる、気だったんだけどなあ」
「もっと大丈夫」
「ん、もっと甘える……」
そう言うと、リカルドは私にしがみつくように抱きついてきた。
その後しばらくして、軽く拘束したり目隠ししたり、微妙にインモラルな感じのバリエーションが増えたんだけど、まあ、合意の上だし、お互い気持ちいいのでいっか、ということになっている。よかった、ん、だよね?
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