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後日譚・取り違えたその後の二人
141 ぶらり二人旅 ⑱ (好みのタイプと実際は、必ずしも一致しないけど・その2)
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「俺、おとなしいけどきちんと目標や意思を持ってて、決めたことを真面目に黙々とこなしたり、小さい子を自然に面倒みたりする、なんだろう、一見目立たないけど縁の下の力持ちみたいな穏やかで優しいタイプが好きなんだ。でも、どうもそういうタイプからは、なんか引かれちゃうんだよね……。周りの女子は、俺のキャラとかノリを楽しんでくれるような、元気で明るくて積極的なタイプが多かった」
「そうだったんだ」
意外というか、イメージしてたタイプが、明るくて華やかなとか大人っぽい美人とか色っぽいとか、なんだかどれも派手目だったことに、ふと気づいた。
「ええと……その、神託の相手、どんな子でも、楽しく過ごせるといいなとか、なかよくできるようにがんばろうとか、思ってたんだけど。ドアが開いて、ジュリエッタを初めて見た時、雰囲気も顔立ちもほんと好みどストライクで……すごく、びっくりしたんだ」
リカルドの台詞を聞いて、頬が朱に染まる。ああ、あの時のリカルドの喜びようは、運命の相手と初めて会ったからじゃなくって。一目で夢中になったって言ってくれたの、本当だったんだ。一目惚れなんかされたことなかったから、今一つ信じてなかったけど。
「ジュリエッタが、俺のキャラに引いちゃってるのも、今までと同じパターンだったから、わかった。だから、初めてする前、拒まれること、覚悟してたんだ」
そう言うと、リカルドは、少し下を向いて、持て余すように袖口をつかんだりしはじめた。
「リカルド!」
たまらなくなって、私は叫ぶように言う。
「えっ? なに? ジュリエッタ?」
びっくりして私を見たリカルドに、こう続ける。
「私、リカルドのこと、大好きだから!!」
リカルドは少し照れた様子で、優しく返事をくれる。
「うん。俺、ジュリエッタから愛されてるなあって、毎日ひしひしと感じてるよ」
「それも、そうなんだけど……。私、自分でも気持ちに気づいたのずいぶん後だったけど、たぶん、会ったその日に、リカルドのこと、好きになっちゃったんだから!」
「うん。初めて両想いになって、すごく、嬉しかったな」
「今までの好みのタイプの子は、リカルドのこと眼中になかったかもしれないけど……。私は、私は……」
なんて言っていいかよくわからなくて、止まってしまうと、リカルドがそっと抱きしめてくれた。
「うん。最初は単に好みのタイプだって思っただけだったけど。今はもう、そんなのどうでもよくて、ジュリエッタだから好きだよ」
「それは、私もそうだけど……。でも、私、ようやく、リカルドが好みのタイプだったんだって気づいたの」
「……そういえばジュリエッタの好みのタイプって、聞いたこと……いや、『もの静かで大人な感じの人』だっけ? 俺、全然違うなあって、正直、苦笑いしちゃった」
少し困ったように笑いながら、リカルドは初めての夜のことを思い出してるみたいだ。
「大人だよ」
「え?」
「リカルド、すごく。みんなに気を配ってて、包容力あって、いつも笑顔でいてくれて」
「ええと……」
「だから! 気づくの遅くなったけど、リカルド、すごく、私の好みのタイプだったの!」
叫ぶように言って、ぎゅうっと抱きつく。
リカルドは私の背中をなでながらしばらく黙っていたけれど、ようやく口を開くと、少しかすれた声で、つぶやくように言った。
「神託の組み合わせ、やっぱり、バッチリだね」
「うん……」
きっと、私の力だけでは、リカルドを見つけ出すことはできなかったから。神託に改めて感謝した。
「そうだったんだ」
意外というか、イメージしてたタイプが、明るくて華やかなとか大人っぽい美人とか色っぽいとか、なんだかどれも派手目だったことに、ふと気づいた。
「ええと……その、神託の相手、どんな子でも、楽しく過ごせるといいなとか、なかよくできるようにがんばろうとか、思ってたんだけど。ドアが開いて、ジュリエッタを初めて見た時、雰囲気も顔立ちもほんと好みどストライクで……すごく、びっくりしたんだ」
リカルドの台詞を聞いて、頬が朱に染まる。ああ、あの時のリカルドの喜びようは、運命の相手と初めて会ったからじゃなくって。一目で夢中になったって言ってくれたの、本当だったんだ。一目惚れなんかされたことなかったから、今一つ信じてなかったけど。
「ジュリエッタが、俺のキャラに引いちゃってるのも、今までと同じパターンだったから、わかった。だから、初めてする前、拒まれること、覚悟してたんだ」
そう言うと、リカルドは、少し下を向いて、持て余すように袖口をつかんだりしはじめた。
「リカルド!」
たまらなくなって、私は叫ぶように言う。
「えっ? なに? ジュリエッタ?」
びっくりして私を見たリカルドに、こう続ける。
「私、リカルドのこと、大好きだから!!」
リカルドは少し照れた様子で、優しく返事をくれる。
「うん。俺、ジュリエッタから愛されてるなあって、毎日ひしひしと感じてるよ」
「それも、そうなんだけど……。私、自分でも気持ちに気づいたのずいぶん後だったけど、たぶん、会ったその日に、リカルドのこと、好きになっちゃったんだから!」
「うん。初めて両想いになって、すごく、嬉しかったな」
「今までの好みのタイプの子は、リカルドのこと眼中になかったかもしれないけど……。私は、私は……」
なんて言っていいかよくわからなくて、止まってしまうと、リカルドがそっと抱きしめてくれた。
「うん。最初は単に好みのタイプだって思っただけだったけど。今はもう、そんなのどうでもよくて、ジュリエッタだから好きだよ」
「それは、私もそうだけど……。でも、私、ようやく、リカルドが好みのタイプだったんだって気づいたの」
「……そういえばジュリエッタの好みのタイプって、聞いたこと……いや、『もの静かで大人な感じの人』だっけ? 俺、全然違うなあって、正直、苦笑いしちゃった」
少し困ったように笑いながら、リカルドは初めての夜のことを思い出してるみたいだ。
「大人だよ」
「え?」
「リカルド、すごく。みんなに気を配ってて、包容力あって、いつも笑顔でいてくれて」
「ええと……」
「だから! 気づくの遅くなったけど、リカルド、すごく、私の好みのタイプだったの!」
叫ぶように言って、ぎゅうっと抱きつく。
リカルドは私の背中をなでながらしばらく黙っていたけれど、ようやく口を開くと、少しかすれた声で、つぶやくように言った。
「神託の組み合わせ、やっぱり、バッチリだね」
「うん……」
きっと、私の力だけでは、リカルドを見つけ出すことはできなかったから。神託に改めて感謝した。
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