93 / 201
本編・取り違えと運命の人
092 これからもどうぞよろしく ③
しおりを挟む
「とうちゃーく!」
「おつかれさま」
全てが終わって、ようやく家に帰ってきた。昨日と違い、なんの憂いもない状態で。
「リカルド」
「なに?」
「お腹、すいてる?」
「ううん、さほど。ジュリエッタは?」
「私もさほど。リカルドがお腹すいてるなら、ごはん作ろうと思っただけで」
「それより」
「うん」
どちらからともなく、くちづけを交わす。噛みつくような、貪るような。お腹はすいてないけど、私達は飢えてる。
唇が離れ、リカルドの瞳をのぞき見ると、情欲にまみれてるのが明白だった。
「「気が合うね」」
お互い笑顔で、そのまま寝室に移動する。待ちきれないから、走るみたいに急いで。
「ほんとだ。ジュリエッタのそのままの匂い、すごく興奮する」
「え?」
「ジュリエッタ、誕生日にそう言ってたでしょ? お風呂入ってない俺の匂いに興奮するって」
「うん。私、今も、リカルドの匂いにすごく興奮してる」
お互いの匂いを確認するように、キスをしながら服を脱がせ合って、肌に直接ふれる。
「ジュリエッタにふれてると、すごく興奮するけど、安心する」
「私も」
リカルドはもう一度軽くキスを落とすと、そのまま入ってきた。
「あはは。なにもしてないのに、入っちゃった」
「だって、私、もっとリカルドにふれたかったんだもの」
「うん、知ってる。俺も。だからそのまま入った」
言葉なんかなくても。今、私達はお互いの気持ちが、手に取るようにわかる。でもそれは、私達が運命の人同士だからじゃなくて。今まで、言葉と行動で伝えようとしてきたからこそ、つちかわれたものだと思う。
リカルドが動くたびに水音が響く。私の身体がリカルドを求めている証のように聞こえて、興奮と快感がいや増していく。
「んっ……! 今日、すごく、気持ちいい……」
「うん、俺も。今日、全然持ちそうにない」
「いいよ、イッて。気持ちよくなってほしいし、なにより」
「なにより?」
「これからずっと一緒に過ごすんだから、何度でもできるじゃない」
そっと頭をなでると、リカルドはげらげら笑いだした。
「もう、ほんと、ジュリエッタにはかなわないなあ。じゃあ、お言葉に甘えて!」
リカルドはいつものおひさまみたいな笑顔で私にキスを落とし、ぎゅっと抱きしめてくれた。
お互いがお互いのオーダーメイド。交わす言葉も、ふれている身体も、ちょっとした感覚も、とてもしっくりくる。違う部分もなんだか心地いい。
私達はごく平凡な人間だから、これから一緒に過ごしていても、派手な事件や冒険なんて特には起こらないだろう。騎士やお姫様や夢や魔法のきらびやかな世界なんて、本当は無縁だ。でも、私は、そんな普通の日々がたまらなく愛しくて。
「これからもどうぞよろしく」
とても幸せそうな顔で眠るリカルドにキスを落とし、私も眠りについた。
「おつかれさま」
全てが終わって、ようやく家に帰ってきた。昨日と違い、なんの憂いもない状態で。
「リカルド」
「なに?」
「お腹、すいてる?」
「ううん、さほど。ジュリエッタは?」
「私もさほど。リカルドがお腹すいてるなら、ごはん作ろうと思っただけで」
「それより」
「うん」
どちらからともなく、くちづけを交わす。噛みつくような、貪るような。お腹はすいてないけど、私達は飢えてる。
唇が離れ、リカルドの瞳をのぞき見ると、情欲にまみれてるのが明白だった。
「「気が合うね」」
お互い笑顔で、そのまま寝室に移動する。待ちきれないから、走るみたいに急いで。
「ほんとだ。ジュリエッタのそのままの匂い、すごく興奮する」
「え?」
「ジュリエッタ、誕生日にそう言ってたでしょ? お風呂入ってない俺の匂いに興奮するって」
「うん。私、今も、リカルドの匂いにすごく興奮してる」
お互いの匂いを確認するように、キスをしながら服を脱がせ合って、肌に直接ふれる。
「ジュリエッタにふれてると、すごく興奮するけど、安心する」
「私も」
リカルドはもう一度軽くキスを落とすと、そのまま入ってきた。
「あはは。なにもしてないのに、入っちゃった」
「だって、私、もっとリカルドにふれたかったんだもの」
「うん、知ってる。俺も。だからそのまま入った」
言葉なんかなくても。今、私達はお互いの気持ちが、手に取るようにわかる。でもそれは、私達が運命の人同士だからじゃなくて。今まで、言葉と行動で伝えようとしてきたからこそ、つちかわれたものだと思う。
リカルドが動くたびに水音が響く。私の身体がリカルドを求めている証のように聞こえて、興奮と快感がいや増していく。
「んっ……! 今日、すごく、気持ちいい……」
「うん、俺も。今日、全然持ちそうにない」
「いいよ、イッて。気持ちよくなってほしいし、なにより」
「なにより?」
「これからずっと一緒に過ごすんだから、何度でもできるじゃない」
そっと頭をなでると、リカルドはげらげら笑いだした。
「もう、ほんと、ジュリエッタにはかなわないなあ。じゃあ、お言葉に甘えて!」
リカルドはいつものおひさまみたいな笑顔で私にキスを落とし、ぎゅっと抱きしめてくれた。
お互いがお互いのオーダーメイド。交わす言葉も、ふれている身体も、ちょっとした感覚も、とてもしっくりくる。違う部分もなんだか心地いい。
私達はごく平凡な人間だから、これから一緒に過ごしていても、派手な事件や冒険なんて特には起こらないだろう。騎士やお姫様や夢や魔法のきらびやかな世界なんて、本当は無縁だ。でも、私は、そんな普通の日々がたまらなく愛しくて。
「これからもどうぞよろしく」
とても幸せそうな顔で眠るリカルドにキスを落とし、私も眠りについた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
307
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる