84 / 201
本編・取り違えと運命の人
083 ボタンを掛け違えたまま ③
しおりを挟む
ガチャリと鍵を開ける音がし、勢いよく玄関のドアが開く。
驚いて振り向くと
「ル、ルーカさんっ!!!」
リカルドがいた。その後ろに美少女ロリ巨乳も。
「ごめんなさい! お願いします! 俺! ジュリエッタじゃないと、だめなんです!!」
リカルドはルーカさんにひたすら頭を下げる。
「もう……今更なによ……!」
神殿の町でそう言ってくれなかったのもムカつくし、なんだか私のこと、もの扱いで、ルーカさんにおうかがいたててるのもムカつくし!
「ジュリエッタ……。ちょ、泣いてる?! ル、ルーカさん! 大切にしてあげてくださいって、お願いしたじゃないですか!!」
「あんたのせいよ、リカルド……!!」
「え? 俺?!」
「……それ、なんで、さっき、言ってくれなかったのよう…………」
リカルドがあわてて私のそばに駆け寄ってくる。
「ご、ごめん……。その、気が、動転しちゃって……」
「……私が運命の人じゃなかったから?」
「俺が、君の運命の人じゃなかったから」
「どういう、こと?」
「組み合わせが違うって聞いた時、俺、君の側にいる資格がないんだって、愕然とした」
「そんな」
「だって、ルーカさんが運命の人なら、ジュリエッタ……ルーカさんと一緒にいた方が、幸せになれるってことだから」
こんなに一緒にいたのに。リカルドのこと、全然わかってなかったのは、私の方だ。いつだって、私のことばっかり優先しちゃう人なのに。
「ばか……。もう私、リカルドと一緒じゃないと、幸せになれないのに……」
ばかは私だ。あの時、自分でそう言えばよかった。
「うん。ごめん。俺もずっと一緒にいたい」
リカルドは私の背中をなでさすり、抱きしめてくれる。
「バカはあんたでしょ。なにぼんやりしてんの? 帰るわよ、ルーカ」
口を開かなければ、美少女ロリ巨乳。思わず我に返った。
「なんで?」
あ、ルーカさん、まだ拗ねてる。
「あんたがいないと、ごはんがおいしくないのよ!」
あ、美少女ロリ巨乳、デレた?
「それが、お前の『運命』の答?」
「……そうよ」
「それなら、つきあってやるよ」
くすくす笑いながらルーカさんは美少女ロリ巨乳と出ていった。
「なんでルーカさんがあれで納得したのかは正直よくわかんないけど、『あんたがいないと、ごはんがおいしくない』って、あれ、本当だと思う」
夕飯がまだってことだったから、一緒に食べている。リカルドが満面の笑みでおいしいおいしいと言いながらガツガツ食べてくれてすごく嬉しいし、ルーカさんと一緒に食べた時が嘘のように私自身もとてもおいしく感じる。
「ジュリエッタさん、料理まるでだめで、ルーカさんが担当してるらしいから」
そういう意味なのか、な?
「ああ、ローストビーフ、おいしい、幸せ……」
「同じもの、さっき食べた時は、全然おいしくなかったわ」
「ええっ? こんなにおいしいのに?!」
「そういう意味でしょ、ジュリエッタさんが言うのも」
「なるほど、そうか。確かにジュリエッタと一緒に食べると余計おいしい」
そう言って、リカルドはおひさまみたいな笑顔を浮かべた。
これからのごはんは、毎日おいしく食べられそうです。
驚いて振り向くと
「ル、ルーカさんっ!!!」
リカルドがいた。その後ろに美少女ロリ巨乳も。
「ごめんなさい! お願いします! 俺! ジュリエッタじゃないと、だめなんです!!」
リカルドはルーカさんにひたすら頭を下げる。
「もう……今更なによ……!」
神殿の町でそう言ってくれなかったのもムカつくし、なんだか私のこと、もの扱いで、ルーカさんにおうかがいたててるのもムカつくし!
「ジュリエッタ……。ちょ、泣いてる?! ル、ルーカさん! 大切にしてあげてくださいって、お願いしたじゃないですか!!」
「あんたのせいよ、リカルド……!!」
「え? 俺?!」
「……それ、なんで、さっき、言ってくれなかったのよう…………」
リカルドがあわてて私のそばに駆け寄ってくる。
「ご、ごめん……。その、気が、動転しちゃって……」
「……私が運命の人じゃなかったから?」
「俺が、君の運命の人じゃなかったから」
「どういう、こと?」
「組み合わせが違うって聞いた時、俺、君の側にいる資格がないんだって、愕然とした」
「そんな」
「だって、ルーカさんが運命の人なら、ジュリエッタ……ルーカさんと一緒にいた方が、幸せになれるってことだから」
こんなに一緒にいたのに。リカルドのこと、全然わかってなかったのは、私の方だ。いつだって、私のことばっかり優先しちゃう人なのに。
「ばか……。もう私、リカルドと一緒じゃないと、幸せになれないのに……」
ばかは私だ。あの時、自分でそう言えばよかった。
「うん。ごめん。俺もずっと一緒にいたい」
リカルドは私の背中をなでさすり、抱きしめてくれる。
「バカはあんたでしょ。なにぼんやりしてんの? 帰るわよ、ルーカ」
口を開かなければ、美少女ロリ巨乳。思わず我に返った。
「なんで?」
あ、ルーカさん、まだ拗ねてる。
「あんたがいないと、ごはんがおいしくないのよ!」
あ、美少女ロリ巨乳、デレた?
「それが、お前の『運命』の答?」
「……そうよ」
「それなら、つきあってやるよ」
くすくす笑いながらルーカさんは美少女ロリ巨乳と出ていった。
「なんでルーカさんがあれで納得したのかは正直よくわかんないけど、『あんたがいないと、ごはんがおいしくない』って、あれ、本当だと思う」
夕飯がまだってことだったから、一緒に食べている。リカルドが満面の笑みでおいしいおいしいと言いながらガツガツ食べてくれてすごく嬉しいし、ルーカさんと一緒に食べた時が嘘のように私自身もとてもおいしく感じる。
「ジュリエッタさん、料理まるでだめで、ルーカさんが担当してるらしいから」
そういう意味なのか、な?
「ああ、ローストビーフ、おいしい、幸せ……」
「同じもの、さっき食べた時は、全然おいしくなかったわ」
「ええっ? こんなにおいしいのに?!」
「そういう意味でしょ、ジュリエッタさんが言うのも」
「なるほど、そうか。確かにジュリエッタと一緒に食べると余計おいしい」
そう言って、リカルドはおひさまみたいな笑顔を浮かべた。
これからのごはんは、毎日おいしく食べられそうです。
0
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。

社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる