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本編・取り違えと運命の人
083 ボタンを掛け違えたまま ③
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ガチャリと鍵を開ける音がし、勢いよく玄関のドアが開く。
驚いて振り向くと
「ル、ルーカさんっ!!!」
リカルドがいた。その後ろに美少女ロリ巨乳も。
「ごめんなさい! お願いします! 俺! ジュリエッタじゃないと、だめなんです!!」
リカルドはルーカさんにひたすら頭を下げる。
「もう……今更なによ……!」
神殿の町でそう言ってくれなかったのもムカつくし、なんだか私のこと、もの扱いで、ルーカさんにおうかがいたててるのもムカつくし!
「ジュリエッタ……。ちょ、泣いてる?! ル、ルーカさん! 大切にしてあげてくださいって、お願いしたじゃないですか!!」
「あんたのせいよ、リカルド……!!」
「え? 俺?!」
「……それ、なんで、さっき、言ってくれなかったのよう…………」
リカルドがあわてて私のそばに駆け寄ってくる。
「ご、ごめん……。その、気が、動転しちゃって……」
「……私が運命の人じゃなかったから?」
「俺が、君の運命の人じゃなかったから」
「どういう、こと?」
「組み合わせが違うって聞いた時、俺、君の側にいる資格がないんだって、愕然とした」
「そんな」
「だって、ルーカさんが運命の人なら、ジュリエッタ……ルーカさんと一緒にいた方が、幸せになれるってことだから」
こんなに一緒にいたのに。リカルドのこと、全然わかってなかったのは、私の方だ。いつだって、私のことばっかり優先しちゃう人なのに。
「ばか……。もう私、リカルドと一緒じゃないと、幸せになれないのに……」
ばかは私だ。あの時、自分でそう言えばよかった。
「うん。ごめん。俺もずっと一緒にいたい」
リカルドは私の背中をなでさすり、抱きしめてくれる。
「バカはあんたでしょ。なにぼんやりしてんの? 帰るわよ、ルーカ」
口を開かなければ、美少女ロリ巨乳。思わず我に返った。
「なんで?」
あ、ルーカさん、まだ拗ねてる。
「あんたがいないと、ごはんがおいしくないのよ!」
あ、美少女ロリ巨乳、デレた?
「それが、お前の『運命』の答?」
「……そうよ」
「それなら、つきあってやるよ」
くすくす笑いながらルーカさんは美少女ロリ巨乳と出ていった。
「なんでルーカさんがあれで納得したのかは正直よくわかんないけど、『あんたがいないと、ごはんがおいしくない』って、あれ、本当だと思う」
夕飯がまだってことだったから、一緒に食べている。リカルドが満面の笑みでおいしいおいしいと言いながらガツガツ食べてくれてすごく嬉しいし、ルーカさんと一緒に食べた時が嘘のように私自身もとてもおいしく感じる。
「ジュリエッタさん、料理まるでだめで、ルーカさんが担当してるらしいから」
そういう意味なのか、な?
「ああ、ローストビーフ、おいしい、幸せ……」
「同じもの、さっき食べた時は、全然おいしくなかったわ」
「ええっ? こんなにおいしいのに?!」
「そういう意味でしょ、ジュリエッタさんが言うのも」
「なるほど、そうか。確かにジュリエッタと一緒に食べると余計おいしい」
そう言って、リカルドはおひさまみたいな笑顔を浮かべた。
これからのごはんは、毎日おいしく食べられそうです。
驚いて振り向くと
「ル、ルーカさんっ!!!」
リカルドがいた。その後ろに美少女ロリ巨乳も。
「ごめんなさい! お願いします! 俺! ジュリエッタじゃないと、だめなんです!!」
リカルドはルーカさんにひたすら頭を下げる。
「もう……今更なによ……!」
神殿の町でそう言ってくれなかったのもムカつくし、なんだか私のこと、もの扱いで、ルーカさんにおうかがいたててるのもムカつくし!
「ジュリエッタ……。ちょ、泣いてる?! ル、ルーカさん! 大切にしてあげてくださいって、お願いしたじゃないですか!!」
「あんたのせいよ、リカルド……!!」
「え? 俺?!」
「……それ、なんで、さっき、言ってくれなかったのよう…………」
リカルドがあわてて私のそばに駆け寄ってくる。
「ご、ごめん……。その、気が、動転しちゃって……」
「……私が運命の人じゃなかったから?」
「俺が、君の運命の人じゃなかったから」
「どういう、こと?」
「組み合わせが違うって聞いた時、俺、君の側にいる資格がないんだって、愕然とした」
「そんな」
「だって、ルーカさんが運命の人なら、ジュリエッタ……ルーカさんと一緒にいた方が、幸せになれるってことだから」
こんなに一緒にいたのに。リカルドのこと、全然わかってなかったのは、私の方だ。いつだって、私のことばっかり優先しちゃう人なのに。
「ばか……。もう私、リカルドと一緒じゃないと、幸せになれないのに……」
ばかは私だ。あの時、自分でそう言えばよかった。
「うん。ごめん。俺もずっと一緒にいたい」
リカルドは私の背中をなでさすり、抱きしめてくれる。
「バカはあんたでしょ。なにぼんやりしてんの? 帰るわよ、ルーカ」
口を開かなければ、美少女ロリ巨乳。思わず我に返った。
「なんで?」
あ、ルーカさん、まだ拗ねてる。
「あんたがいないと、ごはんがおいしくないのよ!」
あ、美少女ロリ巨乳、デレた?
「それが、お前の『運命』の答?」
「……そうよ」
「それなら、つきあってやるよ」
くすくす笑いながらルーカさんは美少女ロリ巨乳と出ていった。
「なんでルーカさんがあれで納得したのかは正直よくわかんないけど、『あんたがいないと、ごはんがおいしくない』って、あれ、本当だと思う」
夕飯がまだってことだったから、一緒に食べている。リカルドが満面の笑みでおいしいおいしいと言いながらガツガツ食べてくれてすごく嬉しいし、ルーカさんと一緒に食べた時が嘘のように私自身もとてもおいしく感じる。
「ジュリエッタさん、料理まるでだめで、ルーカさんが担当してるらしいから」
そういう意味なのか、な?
「ああ、ローストビーフ、おいしい、幸せ……」
「同じもの、さっき食べた時は、全然おいしくなかったわ」
「ええっ? こんなにおいしいのに?!」
「そういう意味でしょ、ジュリエッタさんが言うのも」
「なるほど、そうか。確かにジュリエッタと一緒に食べると余計おいしい」
そう言って、リカルドはおひさまみたいな笑顔を浮かべた。
これからのごはんは、毎日おいしく食べられそうです。
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