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本編・取り違えと運命の人
048 お誕生日おめでとう ④
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ふと時計を見てびっくりする。リカルドのことを考えながらお茶飲んでたら、結構時間が経ってた。
「やだ。友達に『ジュリエッタが色ボケする日が来るなんて、思ってもみなかった』って言われたの、あながち間違いじゃないかも」
言われた時は、全力で否定したんだけどなあ。苦笑しながら、作業に戻ろうとして、今朝リカルドから手渡された紙のことを思い出した。
もらった紙をポケットから取り出し、開いてみる。
《1. 俺の洋服ダンスの三段目》
「ん? なにかしら、これ?」
意味がわからないけど、とりあえずリカルドの洋服ダンスの三段目を開けてみる。すると、ガラスの小さな可愛い花瓶と、横に折りたたんだ紙が入っていた。
《2. お風呂場 こんな感じでちょっとしたプレゼントをいくつか用意してるから、回収してって!》
「リカルドったら……。もう、忙しいのに、こんなに手をかけて……」
これ、いつ、用意したのかな? 思わずくすくす笑ってしまう。小学生みたいで、リカルドらしすぎる。
「せっかく用意してくれたんだから、回収しに行かなきゃ!」
お風呂場に行くと、小さな花束が洗面器につけてあった。さっきの花瓶に活けろってことか。なるほど。
「次の場所は……?」
横に置いてあった紙を開く。
「ほんと、リカルドったら……」
リカルドが用意してくれた「ちょっとしたプレゼント」は「いくつか」どころじゃなかった。全部で十七個もあった。しかも置き場所が結構工夫されていて、普段あまり使わないところだったり、死角になっていてパッと見は気づきにくいところばかりにしこんであった。
「そうか、私がメモを見る前に見つけちゃったら困るもんね」
うまくサプライズできそうにないって言ってたくせに。
「しかも、プレゼントの選定がなかなか……」
考えられている、と思った。
花瓶と花束以外もセットになっていた。普段は買わないちょっと高級なお菓子七種類と、それを入れるための綺麗な木箱。普段使う身だしなみ関係のものがハンカチとポーチと手鏡と櫛と髪を結ぶリボンとシュシュで、収納できるように宝石箱みたいな細工の凝った箱を用意してくれてた。
この箱の中に、最後の紙が入っていた。
《17. こまごましたものを収納するための箱 おつかれさま! 忙しいのにいろいろと探させてごめんね。ジュリエッタ、ほんとにお誕生日おめでとう! 続きはまた今夜!!》
こんなにたくさん用意してくれたのに、まだお祝いしてくれるなんて。あまりに幸せで、少し目頭が潤んだ。
「やだ。友達に『ジュリエッタが色ボケする日が来るなんて、思ってもみなかった』って言われたの、あながち間違いじゃないかも」
言われた時は、全力で否定したんだけどなあ。苦笑しながら、作業に戻ろうとして、今朝リカルドから手渡された紙のことを思い出した。
もらった紙をポケットから取り出し、開いてみる。
《1. 俺の洋服ダンスの三段目》
「ん? なにかしら、これ?」
意味がわからないけど、とりあえずリカルドの洋服ダンスの三段目を開けてみる。すると、ガラスの小さな可愛い花瓶と、横に折りたたんだ紙が入っていた。
《2. お風呂場 こんな感じでちょっとしたプレゼントをいくつか用意してるから、回収してって!》
「リカルドったら……。もう、忙しいのに、こんなに手をかけて……」
これ、いつ、用意したのかな? 思わずくすくす笑ってしまう。小学生みたいで、リカルドらしすぎる。
「せっかく用意してくれたんだから、回収しに行かなきゃ!」
お風呂場に行くと、小さな花束が洗面器につけてあった。さっきの花瓶に活けろってことか。なるほど。
「次の場所は……?」
横に置いてあった紙を開く。
「ほんと、リカルドったら……」
リカルドが用意してくれた「ちょっとしたプレゼント」は「いくつか」どころじゃなかった。全部で十七個もあった。しかも置き場所が結構工夫されていて、普段あまり使わないところだったり、死角になっていてパッと見は気づきにくいところばかりにしこんであった。
「そうか、私がメモを見る前に見つけちゃったら困るもんね」
うまくサプライズできそうにないって言ってたくせに。
「しかも、プレゼントの選定がなかなか……」
考えられている、と思った。
花瓶と花束以外もセットになっていた。普段は買わないちょっと高級なお菓子七種類と、それを入れるための綺麗な木箱。普段使う身だしなみ関係のものがハンカチとポーチと手鏡と櫛と髪を結ぶリボンとシュシュで、収納できるように宝石箱みたいな細工の凝った箱を用意してくれてた。
この箱の中に、最後の紙が入っていた。
《17. こまごましたものを収納するための箱 おつかれさま! 忙しいのにいろいろと探させてごめんね。ジュリエッタ、ほんとにお誕生日おめでとう! 続きはまた今夜!!》
こんなにたくさん用意してくれたのに、まだお祝いしてくれるなんて。あまりに幸せで、少し目頭が潤んだ。
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