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本編・取り違えと運命の人
018 リカルドの誕生祝い ④
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「リカルド! 遅くなっちゃってごめんね。夕飯できた!」
「ほーい」
部屋から返事があり、すぐにリカルドが食卓にやってくる。
「わあ……!」
リカルドは肉好きってことだったから、ご希望のローストビーフだけじゃなく、鶏の蒸したのと豚の揚げたのと魚介のカルパッチョも準備してみた。あとはサラダとパンとスープ。
「今日の今日だから、さすがに品数これくらいが限界だったけど、いろいろ食べてね」
「ううん、ううん! 充分すごい!! 俺、ほんと、今、めちゃくちゃ幸せだ!!」
リカルドは私をぎゅっと抱きしめ、キスを落とす。
なんだか甘い空気が流れて、そのまま始まってもおかしくない雰囲気だけど。
「せっかくだから、温かいうちに食べよ?」
人差し指でリカルドの唇にふれる。
「そうだね。ほんとおいしそう!」
夕飯をいただくことにした。
「ローストビーフだけじゃなく、こんないろいろ肉づくしで攻めてこられるとは思わなかった。どれもすごくおいしい!」
「当日お祝いできなかったから、せめてなにかできることがしたくて」
「ほんと嬉しいな。ありがとうジュリエッタ!」
「よかった。喜んでもらえて」
肉づくしの夕飯を食べ終えたので、デザートを持ってくると言って、リカルドにはそのまま待っていてもらう。
「なに? その箱」
戻ってきた私にリカルドが問いかける。
「誕生祝いだから、もちろん」
箱を開ける。最後のお店で買ったホールケーキだ。
「え? え?! ジュリエッタ、下着屋さんの紙袋しか、持ってなかったよね?」
「下着屋さんに頼み込んで、お店で一番大きい袋に入れてもらって、その中に一緒に入れて持って帰ってきたの」
「……やたら大きい袋だけど、何セットかいっぺんに買ったのかな? くらいしか思ってなかった。まさかそんなカラクリだったとは……」
「だって、遅くなった分、せめて、驚かせたかったんだもん!」
「やられたー!」
そう言いながら、リカルド、もう、満面の笑みだ。やった!
「バースデーケーキなんだから、ろうそくに火を点けなきゃ! 二十三歳で間違いないよね?」
「うん。間違いない」
リカルドは童顔だから、しばらく同い年だと思ってて、四つも年上って知った時、私、すごくびっくりしたんだよね。同級生の有名人の話をしてた時だったかなあ、知ったの。今考えると、それ、割と早い時期だった気がする。ああ、どうして私、その時に誕生日を訊ねなかったんだろう。あまりの衝撃に全て持っていかれたからとはいえ、ほんとに悔やまれる。そんなことを考えながら、ケーキ屋さんでもらったろうそくを立て、火を点ける。
「ほーい」
部屋から返事があり、すぐにリカルドが食卓にやってくる。
「わあ……!」
リカルドは肉好きってことだったから、ご希望のローストビーフだけじゃなく、鶏の蒸したのと豚の揚げたのと魚介のカルパッチョも準備してみた。あとはサラダとパンとスープ。
「今日の今日だから、さすがに品数これくらいが限界だったけど、いろいろ食べてね」
「ううん、ううん! 充分すごい!! 俺、ほんと、今、めちゃくちゃ幸せだ!!」
リカルドは私をぎゅっと抱きしめ、キスを落とす。
なんだか甘い空気が流れて、そのまま始まってもおかしくない雰囲気だけど。
「せっかくだから、温かいうちに食べよ?」
人差し指でリカルドの唇にふれる。
「そうだね。ほんとおいしそう!」
夕飯をいただくことにした。
「ローストビーフだけじゃなく、こんないろいろ肉づくしで攻めてこられるとは思わなかった。どれもすごくおいしい!」
「当日お祝いできなかったから、せめてなにかできることがしたくて」
「ほんと嬉しいな。ありがとうジュリエッタ!」
「よかった。喜んでもらえて」
肉づくしの夕飯を食べ終えたので、デザートを持ってくると言って、リカルドにはそのまま待っていてもらう。
「なに? その箱」
戻ってきた私にリカルドが問いかける。
「誕生祝いだから、もちろん」
箱を開ける。最後のお店で買ったホールケーキだ。
「え? え?! ジュリエッタ、下着屋さんの紙袋しか、持ってなかったよね?」
「下着屋さんに頼み込んで、お店で一番大きい袋に入れてもらって、その中に一緒に入れて持って帰ってきたの」
「……やたら大きい袋だけど、何セットかいっぺんに買ったのかな? くらいしか思ってなかった。まさかそんなカラクリだったとは……」
「だって、遅くなった分、せめて、驚かせたかったんだもん!」
「やられたー!」
そう言いながら、リカルド、もう、満面の笑みだ。やった!
「バースデーケーキなんだから、ろうそくに火を点けなきゃ! 二十三歳で間違いないよね?」
「うん。間違いない」
リカルドは童顔だから、しばらく同い年だと思ってて、四つも年上って知った時、私、すごくびっくりしたんだよね。同級生の有名人の話をしてた時だったかなあ、知ったの。今考えると、それ、割と早い時期だった気がする。ああ、どうして私、その時に誕生日を訊ねなかったんだろう。あまりの衝撃に全て持っていかれたからとはいえ、ほんとに悔やまれる。そんなことを考えながら、ケーキ屋さんでもらったろうそくを立て、火を点ける。
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