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本編・取り違えと運命の人
017 リカルドの誕生祝い ③
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昼食の後、私達は町へ出た。行きたいところは特にないということだったから、夕飯用の食材の買い出しと、あとは目的なくぶらぶらお店を見て歩く。
「ごめんね。荷物重くなっちゃって」
「夕飯が期待できるってことだから、どうということはない」
リカルドが妙にキリッとして言うから、思わず吹き出してしまった。
ちょうどいい頃合いかな。
ごはん作ってる時に立てた作戦を、決行することにする。
「あ!」
さも今思い出したかのように、言ってみる。
「どうしたの?」
「ごめん! ちょうど町に出たし、ついでに下着屋さん行ってきてもいい? 手持ちの下着、だいぶ傷んできてて、買いかえたいの」
「い、いいよ、もちろん」
「……えーっと、一緒に来る?」
リカルドが来る訳ないと思いつつ、一応訊ねてみる。リカルド、愛情表現はめちゃくちゃするけど、意外とデリカシーはあるというか、そういうの照れる方だ。
「え? いや、さすがに……」
リカルドが困惑した風に返してきた。よし、予想通り!
「じゃあ、荷物重いと思うし、リカルドはそこのカフェでお茶でもしてて」
家計用の財布からお茶代を渡す。私のおこづかいからだと、たぶん遠慮して受け取らないから。
「わかった。待ってるよ」
「たぶん、三十分くらいで終わると思うから」
「いいよ。ゆっくりで」
「ありがとう、助かる! じゃ、また後でね!」
「うん。また後で」
リカルドがカフェに足を踏み入れたことを確認すると、私は自分の財布から家計用の財布にお茶代を補填し、駆け出す。今から三軒お店を回らないといけないけど、三十分で足りるかな?
少しくらい遅くなっても、リカルドは許してくれると思う。でも、せっかく誕生祝いなんだから、あまり主賓を待たせたくない。
三軒のお店がさほど離れていなかったのもあって、結局私は四十五分で全てのミッションを終えた。想定よりも遅くなったのは、最後のお店で希望の品が売り切れていたからだ。顔面蒼白で呆然としていたら、店長さんがご厚意で明日用の在庫に手を加えて売ってくださった。死ぬほどお礼を言ったら、逆に恐縮されてしまったり。あのお店、絶対また買いに行かなきゃ。
「リカルド!」
カフェに入って声を掛けると、なにかを読んでたリカルドが顔を上げる。
「ジュリエッタ! もういいの?」
「うん! ごめんね、お待たせして」
「全然!」
「どっか行きたいとこあれば、寄るけど」
「いや、もう特に」
「じゃあ、家に帰ろう」
帰宅後、リカルドには自室で待っててもらい、夕飯の準備にかかることにした。
「ごめんね。今日、なんだか待たせてばっかりで」
「いや、俺、今日の今日でこれだけ動いてくれてるジュリエッタに、むしろ感動してる」
「だって、お祝いだもの!」
「ははは、頼もしい! ありがとう!!」
リカルドはそう言うと、にこにこしながら部屋に入っていく。
「よし!」
最後の仕上げをしなければ!
「ごめんね。荷物重くなっちゃって」
「夕飯が期待できるってことだから、どうということはない」
リカルドが妙にキリッとして言うから、思わず吹き出してしまった。
ちょうどいい頃合いかな。
ごはん作ってる時に立てた作戦を、決行することにする。
「あ!」
さも今思い出したかのように、言ってみる。
「どうしたの?」
「ごめん! ちょうど町に出たし、ついでに下着屋さん行ってきてもいい? 手持ちの下着、だいぶ傷んできてて、買いかえたいの」
「い、いいよ、もちろん」
「……えーっと、一緒に来る?」
リカルドが来る訳ないと思いつつ、一応訊ねてみる。リカルド、愛情表現はめちゃくちゃするけど、意外とデリカシーはあるというか、そういうの照れる方だ。
「え? いや、さすがに……」
リカルドが困惑した風に返してきた。よし、予想通り!
「じゃあ、荷物重いと思うし、リカルドはそこのカフェでお茶でもしてて」
家計用の財布からお茶代を渡す。私のおこづかいからだと、たぶん遠慮して受け取らないから。
「わかった。待ってるよ」
「たぶん、三十分くらいで終わると思うから」
「いいよ。ゆっくりで」
「ありがとう、助かる! じゃ、また後でね!」
「うん。また後で」
リカルドがカフェに足を踏み入れたことを確認すると、私は自分の財布から家計用の財布にお茶代を補填し、駆け出す。今から三軒お店を回らないといけないけど、三十分で足りるかな?
少しくらい遅くなっても、リカルドは許してくれると思う。でも、せっかく誕生祝いなんだから、あまり主賓を待たせたくない。
三軒のお店がさほど離れていなかったのもあって、結局私は四十五分で全てのミッションを終えた。想定よりも遅くなったのは、最後のお店で希望の品が売り切れていたからだ。顔面蒼白で呆然としていたら、店長さんがご厚意で明日用の在庫に手を加えて売ってくださった。死ぬほどお礼を言ったら、逆に恐縮されてしまったり。あのお店、絶対また買いに行かなきゃ。
「リカルド!」
カフェに入って声を掛けると、なにかを読んでたリカルドが顔を上げる。
「ジュリエッタ! もういいの?」
「うん! ごめんね、お待たせして」
「全然!」
「どっか行きたいとこあれば、寄るけど」
「いや、もう特に」
「じゃあ、家に帰ろう」
帰宅後、リカルドには自室で待っててもらい、夕飯の準備にかかることにした。
「ごめんね。今日、なんだか待たせてばっかりで」
「いや、俺、今日の今日でこれだけ動いてくれてるジュリエッタに、むしろ感動してる」
「だって、お祝いだもの!」
「ははは、頼もしい! ありがとう!!」
リカルドはそう言うと、にこにこしながら部屋に入っていく。
「よし!」
最後の仕上げをしなければ!
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