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本編・取り違えと運命の人
009 初めての朝
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「ん……」
目覚まし時計を見ると、もう九時近い。そっか、今朝は目覚ましかけてなかった。だって、昨日、私の運命の人が来ることになってて……。
ふと横を見ると、リカルドがにこにこしながらこっちを見ていて、一気に目が覚める。
「おはよう、ジュリエッタ」
「お、おはよう……」
昨日の夜のことを思い出すと、なんだか照れるというか、顔を合わせられない。思わずそのままふとんに潜ってしまった。
「ジュリエッタ、照れてる。可愛いなあ!」
そう言うとリカルドもふとんに潜ってきた。わああ。
「なんでリカルドも潜ってくるのお……!」
「照れてるジュリエッタをもっと見たいから」
「だ、だって……。照れるよう! こんなの、初めてだし」
「そうだね。初めての朝だね」
そう言うと、私を抱きしめてきた。ちょ、お互いまだ裸ですよ! 動いたからふとんがはがれて身体も顔も丸見えですよ! 生々しいよ! わああああ!
「どきどきするよ!」
「俺も!」
「なんで、抱きしめるのお……!」
「だって、こんな無条件にいちゃいちゃしていい朝なんて、もうないと思うし!」
「え?」
「ん?」
「これからもずっと一緒に過ごすんだから、別に、もうないこと、ないよね?」
そう言うと、リカルドは一瞬目を見開いて、げらげら笑いだした。
「その、初めての朝は特別っていうのと、これから俺も働くから朝からいちゃいちゃできる時間は残念ながら制限されるなあ、くらいの意味だったんだけど」
リカルドが更にぎゅっと抱きしめてくる。
「予想外に、今後も朝からいちゃいちゃしていいお許しを得られたし、ずっと一緒に過ごすことも明言してくれて、俺、めちゃくちゃ嬉しい!」
「わ、わ、違うから!」
恥ずかしすぎて、じたばたとリカルドから逃れ、タオルケットを体に巻きつけてベッドの外に出る。
「あじゃー、逃げられた」
「も、もう! リカルドも起きてよ! シーツとか洗濯するし!!」
「シーツ……あ……」
シーツの洗濯なんて、単にこの状況を打ち切る口実だったんだけど、リカルドの微妙な表情を見て、別の意味にもとれると気づいてしまった。そして、途端になんだか、脚の間の違和感が気になり始め、真っ赤になってしまう。
「そ、だね。染みが残ったら、あれだしね……」
「うわあ、もうやだーーー!!!」
リカルドはくすくす笑いながら夜着の下を履き、ベッドから出てきた。
「ごめんね。恥ずかしがってるジュリエッタがあんまり可愛くて、思わずちょっとからかっちゃったけど、困らせる気じゃなかった」
「もう、恥ずか死にそう……」
「恥ずか死に……ちょっと萌えるけど、ジュリエッタに死なれたら困るなあ」
「うう……」
「これから、朝のいちゃいちゃなんて、いくらでもできるしね」
「で、できない!」
「えー? お許しくれたじゃーん?」
そう言って、リカルドはちゅっと私の唇をついばんだ。
「恥ずか死ぬ……」
「だーいじょーぶ、慣れたら恥ずかしくないよ。今日はもうからかわないから安心して。とりあえず、俺、これからどこで過ごせばいいかな? 空いてる部屋とかある?」
あ、リカルド、これ以上私が恥ずかしがらずに済むように、ほんとに話題変えてくれた。ちゃんとそういう限界はわかってくれる人なんだ。よかった。
「リカルドの部屋、私の仕事部屋の隣でいい? この家、そこそこ広めだけど、一人暮らし用だから、部屋数あんまりなくて」
「もちろんいいよ。部屋もらえて助かる!」
「しばらく暮らしてみてリカルドが不便だったら、引っ越しも視野に入れよう」
「荷物少ないし、大丈夫だと思うけど、ジュリエッタが俺のこと考えてくれて嬉しい! ジュリエッタ、ほんと優しいね! めちゃくちゃ可愛いし、大好きだ!!」
「……今日はもう、からかわないんじゃなかったの?」
「へ? からかう? そんなつもりじゃなくて、ほんとにそう思ったから言っただけだけど?」
リカルド、きょとんとしてる。
前言撤回。私はこれから、テンション高い天然褒め口説き系男子の口撃から、恥ずか死にせず生き延びられるだろうか。
目覚まし時計を見ると、もう九時近い。そっか、今朝は目覚ましかけてなかった。だって、昨日、私の運命の人が来ることになってて……。
ふと横を見ると、リカルドがにこにこしながらこっちを見ていて、一気に目が覚める。
「おはよう、ジュリエッタ」
「お、おはよう……」
昨日の夜のことを思い出すと、なんだか照れるというか、顔を合わせられない。思わずそのままふとんに潜ってしまった。
「ジュリエッタ、照れてる。可愛いなあ!」
そう言うとリカルドもふとんに潜ってきた。わああ。
「なんでリカルドも潜ってくるのお……!」
「照れてるジュリエッタをもっと見たいから」
「だ、だって……。照れるよう! こんなの、初めてだし」
「そうだね。初めての朝だね」
そう言うと、私を抱きしめてきた。ちょ、お互いまだ裸ですよ! 動いたからふとんがはがれて身体も顔も丸見えですよ! 生々しいよ! わああああ!
「どきどきするよ!」
「俺も!」
「なんで、抱きしめるのお……!」
「だって、こんな無条件にいちゃいちゃしていい朝なんて、もうないと思うし!」
「え?」
「ん?」
「これからもずっと一緒に過ごすんだから、別に、もうないこと、ないよね?」
そう言うと、リカルドは一瞬目を見開いて、げらげら笑いだした。
「その、初めての朝は特別っていうのと、これから俺も働くから朝からいちゃいちゃできる時間は残念ながら制限されるなあ、くらいの意味だったんだけど」
リカルドが更にぎゅっと抱きしめてくる。
「予想外に、今後も朝からいちゃいちゃしていいお許しを得られたし、ずっと一緒に過ごすことも明言してくれて、俺、めちゃくちゃ嬉しい!」
「わ、わ、違うから!」
恥ずかしすぎて、じたばたとリカルドから逃れ、タオルケットを体に巻きつけてベッドの外に出る。
「あじゃー、逃げられた」
「も、もう! リカルドも起きてよ! シーツとか洗濯するし!!」
「シーツ……あ……」
シーツの洗濯なんて、単にこの状況を打ち切る口実だったんだけど、リカルドの微妙な表情を見て、別の意味にもとれると気づいてしまった。そして、途端になんだか、脚の間の違和感が気になり始め、真っ赤になってしまう。
「そ、だね。染みが残ったら、あれだしね……」
「うわあ、もうやだーーー!!!」
リカルドはくすくす笑いながら夜着の下を履き、ベッドから出てきた。
「ごめんね。恥ずかしがってるジュリエッタがあんまり可愛くて、思わずちょっとからかっちゃったけど、困らせる気じゃなかった」
「もう、恥ずか死にそう……」
「恥ずか死に……ちょっと萌えるけど、ジュリエッタに死なれたら困るなあ」
「うう……」
「これから、朝のいちゃいちゃなんて、いくらでもできるしね」
「で、できない!」
「えー? お許しくれたじゃーん?」
そう言って、リカルドはちゅっと私の唇をついばんだ。
「恥ずか死ぬ……」
「だーいじょーぶ、慣れたら恥ずかしくないよ。今日はもうからかわないから安心して。とりあえず、俺、これからどこで過ごせばいいかな? 空いてる部屋とかある?」
あ、リカルド、これ以上私が恥ずかしがらずに済むように、ほんとに話題変えてくれた。ちゃんとそういう限界はわかってくれる人なんだ。よかった。
「リカルドの部屋、私の仕事部屋の隣でいい? この家、そこそこ広めだけど、一人暮らし用だから、部屋数あんまりなくて」
「もちろんいいよ。部屋もらえて助かる!」
「しばらく暮らしてみてリカルドが不便だったら、引っ越しも視野に入れよう」
「荷物少ないし、大丈夫だと思うけど、ジュリエッタが俺のこと考えてくれて嬉しい! ジュリエッタ、ほんと優しいね! めちゃくちゃ可愛いし、大好きだ!!」
「……今日はもう、からかわないんじゃなかったの?」
「へ? からかう? そんなつもりじゃなくて、ほんとにそう思ったから言っただけだけど?」
リカルド、きょとんとしてる。
前言撤回。私はこれから、テンション高い天然褒め口説き系男子の口撃から、恥ずか死にせず生き延びられるだろうか。
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