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第7話 残された道
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さらに翌日。
明日はブレイジングメアが現れる満月の日。
対象が姿を見せる洞窟は、ここから大分距離がある。
それは今日依頼を引き受けてもらわないと間に合わないことを意味する。
ディリスにはもう後がなかった。
故に今日はある行動に出ることを決意していた。
朝からギルドの椅子に座り、待つこと三時間。
Aランク向けの依頼欄を見上げる冒険者達が現れた。
それを確認したディリスはその冒険者達の元に走って近づき、口を開く。
「あの、すみません!! もしかしてAランクですか?」
「えっ? そうだけど君は?」
「僕はこの依頼を出しているディリスという者です。お願いします! どうか、どうかこの依頼を受けてください! お金は出せませんが、その分何でもします! だからどうか、お願いします!」
この人達に何としてでも受けてもらわなければならない。
そんな気持ちから、自身が出した依頼書を指差しながら、何度も頭を下げる。
「……ごめん。僕達受ける依頼もう決めたんだ。このヘルハウンド討伐の奴」
青年が指差す依頼書は、辺境の村からの討伐依頼。
ヘルハウンドが大量発生し、多くの犠牲者が出ているため急ぎ駆除してほしいという内容だ。
「そう……ですか。すみません、変なことを言って」
「ううん、こちらこそ引き受けられなくてごめんね。それじゃあ」
青年はその依頼書を手に取り、仲間と共にカウンターへと歩いていった。
単なる討伐依頼であれば折れずに頼み込むつもりだったが、今回は人命が掛かっている依頼だ。
その人らを見捨てて、妹のために依頼を引き受けてくれとはとても言えなかった。
それからまた椅子に座り、他のAランクパーティーが現れてくれるのを祈りながら待つ。
しかし、その祈りは神に届かず。
営業終了に伴い、ディリスはギルドから追い出されてしまった。
(……こうなったら)
Aランクパーティーに引き受けてもらえなかった以上、残された道はたった一つ。
自分一人で討伐するという道だ。
ファイン、ルーナ、ララの三人が力を貸してくれれば、奇跡が起きて何とかなるかもしれない。
しかし、あの様子では相手にすらしてもらえないだろう。
なんせ、『お前の妹なんて俺達に関係ない』とまで言われてしまったのだ。
彼らに何かした覚えはないが、自分なんてもはやゴミクズ同然だと思われているのだろう。
だから、文献の復元が済んだ時も知らせなかったのだ。
むしろ、妹が死ねばいいとまで考えているかもしれない。
そんな考えから、あの三人に頼る気は毛頭なかった。
「……よし」
ディリスは言葉を漏らしてから、走って帰宅。
身支度を整え、ブレイジングメアが現れる洞窟を目指して街を出た。
明日はブレイジングメアが現れる満月の日。
対象が姿を見せる洞窟は、ここから大分距離がある。
それは今日依頼を引き受けてもらわないと間に合わないことを意味する。
ディリスにはもう後がなかった。
故に今日はある行動に出ることを決意していた。
朝からギルドの椅子に座り、待つこと三時間。
Aランク向けの依頼欄を見上げる冒険者達が現れた。
それを確認したディリスはその冒険者達の元に走って近づき、口を開く。
「あの、すみません!! もしかしてAランクですか?」
「えっ? そうだけど君は?」
「僕はこの依頼を出しているディリスという者です。お願いします! どうか、どうかこの依頼を受けてください! お金は出せませんが、その分何でもします! だからどうか、お願いします!」
この人達に何としてでも受けてもらわなければならない。
そんな気持ちから、自身が出した依頼書を指差しながら、何度も頭を下げる。
「……ごめん。僕達受ける依頼もう決めたんだ。このヘルハウンド討伐の奴」
青年が指差す依頼書は、辺境の村からの討伐依頼。
ヘルハウンドが大量発生し、多くの犠牲者が出ているため急ぎ駆除してほしいという内容だ。
「そう……ですか。すみません、変なことを言って」
「ううん、こちらこそ引き受けられなくてごめんね。それじゃあ」
青年はその依頼書を手に取り、仲間と共にカウンターへと歩いていった。
単なる討伐依頼であれば折れずに頼み込むつもりだったが、今回は人命が掛かっている依頼だ。
その人らを見捨てて、妹のために依頼を引き受けてくれとはとても言えなかった。
それからまた椅子に座り、他のAランクパーティーが現れてくれるのを祈りながら待つ。
しかし、その祈りは神に届かず。
営業終了に伴い、ディリスはギルドから追い出されてしまった。
(……こうなったら)
Aランクパーティーに引き受けてもらえなかった以上、残された道はたった一つ。
自分一人で討伐するという道だ。
ファイン、ルーナ、ララの三人が力を貸してくれれば、奇跡が起きて何とかなるかもしれない。
しかし、あの様子では相手にすらしてもらえないだろう。
なんせ、『お前の妹なんて俺達に関係ない』とまで言われてしまったのだ。
彼らに何かした覚えはないが、自分なんてもはやゴミクズ同然だと思われているのだろう。
だから、文献の復元が済んだ時も知らせなかったのだ。
むしろ、妹が死ねばいいとまで考えているかもしれない。
そんな考えから、あの三人に頼る気は毛頭なかった。
「……よし」
ディリスは言葉を漏らしてから、走って帰宅。
身支度を整え、ブレイジングメアが現れる洞窟を目指して街を出た。
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