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【番外編】生まれた日なんてどうでもいいけど君のためなら利用してやる④
しおりを挟む話の続きを促すように首を傾げながら、煙草を唇で挟む。頬にいた隼人の親指は煙草のフィルターに指をかすめ僕の唇を撫でる。そして煙草を奪って唇にちゅ、とキスをする。
キスをするために肩から起こした上半身をゆっくりとまた沈めていきながら、煙草を摘んで煙を泳がせたまま微笑む。そうして頬をもちあげたまま、ゆっくりと口角のあがった薄い唇を開く。
「お前の顔が変わってくの見るのは結構好きだよ。入れる時は、なんか待ってるみたいな……期待したような顔っつーのかな、ドキドキした顔しててさ。入ってくると、深いところから息吐いて、心底気持ちよさそうな顔して。そのあとはだいたい目が合って……気持ちいいの噛み締めるみたいに微笑んでくんの」
「え」
「あ?」
唇に煙草が帰ってきて、慌ててそれを吸い込む。
だいたい目が合ってって、そんなに毎回じっと見られていたのか。良いように言ってくれていたが、情けない顔をしていることもあったんじゃないだろうか。
挿入する時なんていつもふにゃふにゃになっている癖に。
君に入る時。確かにそんな君を僕は見ている。入った後は頭を撫でたりしていると思うし、目が合うと「ああ君も見てたんだ」なんて愛しく思うこともあった。
君のことを観察するのは僕の特権だと思っていた。
けれどその時だけは、君の方がずっと僕のことをよく見ていたんだ。
「ゲホッ……!」
「は……おいおい、大丈夫かよ」
「ンンッ、へいき……けほ」
「煙草で噎せるなんてめずらしーじゃん」
寝転んでいるため背中には手が届かないようで、肩をさすられながら呼吸を正す。咳が治まってから性懲りも無くもう一度煙草を吸って、やっと落ち着く。そうして。
「…………恥ずかしい」
情けない本音が漏れる。
隼人はわざとらしく口に手を当てて吹き出した。
「ぶっ、お前にそんな感情あったんだ」
「照れちゃうよ」
「顔真っ赤じゃん、かーわいー」
「見ないで、ほしい」
顔をふいと横へ向けたら頬をつんつん指がつついてくるので、チラと視線を向けると君だって赤い顔をしてた。
「お前の顔見てるうちに俺もどんどん気持ちよくなってって……怖いの大丈夫になってって。もうその頃にはわけわかんないくらい気持ちいいのに溺れてて」
開いた足の、もっと奥。腰を浮かせて、その秘めた場所を僕の性器にすり、と擦り付けて甘えてくる。
「溺れんのも怖いけど、そしたらまたお前の顔見たり、ぎゅって掴まって体温意識する」
後ろ手にお尻を抱えるようにして、穴を広げて。すり、すりって。それを受けて、僕は煙草を灰皿に押し付けた。
「だから早く入れろよ。ちんぽほしい。お前の顔見てるから大丈夫」
「はやと……いいの?」
「いいって。だから、恥ずくても顔隠すなよ」
「ああ……それはちょっと、つらいな」
「あっ……」
先端を、穴にくっつける。隼人の眉根を寄せて、ぴくっと身体を反応させる。小さな驚いたような声も、そうか、確かに少し脅えてるように聞こえる。
「何回も、何回も……怖かったのに、こんなにたくさん受け入れてくれて、ありがとう」
隼人の中に、入ってく。
穴が無理矢理に押し広げられて、中に僕がめり込んでいく。
「んっ」
「僕のこと、見て」
その過程で隼人が目を閉じたので、呼びかけた。するとすぐに目が合って、涙目を三日月型にして笑った。
「また、かおまっか」
僕の背後で部屋を照らしている電灯が、涙の膜の張った飴色の瞳に反射して月よりもずっと綺麗な眼をして、あどけない口調で言う。
「だって君……入れる前に、あんなこと言うから」
「はずい?」
「うん、恥ずかしいよ、すごく」
「じゃあ、キスしてやろっか?」
「ううん、見てて。もっと奥まで入れたら、しよう?」
腰を進める。埋まった部分から、狭くぎゅうぎゅうに肉のつまったそこに揉まれて、責められて、堪らず瞼を閉じる。
こうしているのも見られているのだな。君の中が凄く気持ちいいって僕が感じてるの、バレバレだな。
息が漏れる。熱い。胸の奥から込み上げる。
前立腺のあたりをカリが通過すると、それだけで中がさらにぎゅうっと締まる。はぁ、と今度は声と共に息を吐く。
背中をしがみつくように抱いてる隼人の指に力が入る。
怖いかな、ごめんね。
声にはならないが薄目を開けて頭を撫でる。
するとやっぱり目が合って、微笑み合う前に互いに唇を重ねてた。
そう、約束通り。
ゆっくり舌を味わおうかと思ったが、舌先が触れ合った時、我慢できずに腰を引いて突き上げた。
「ン゛ッ!」
ああもう本当に搾り取られる。蛸壺みたいに吸いつかれる。今ので我慢汁ドッと溢れたんじゃないかってくらい。
力が抜けた隙を見て、そのまま出し入れを始める。ギリギリまで抜いて浅く、カリをただフチに引っ掛けるみたいにすると全身の力が抜けていく。喘ぎ声も甘い。
「あ、あん、あぁぁー……きもちぃぃ、それすきぃっ」
「うんうん、入口が一番、大好きだもんね。ちゃんと教えてくれたから、いっぱい甘やかしてあげようね」
「うん、しゅきっ、ぁっぁっ、しゅき、もっとぉ。もっとぉ……」
「おっぱいもちゃんと可愛がってあげるからね」
ちっちゃいけどピンッと立ち上がった乳首を指の腹で撫で上げ、爪を立てる。ぞわっと来る度に背が浮いて、奥がキュッとする。
もちろん穴のふちもぎゅうっと締まって気持ちがいい。でももっと全部で感じたくなってしまう。まだ我慢しないといけないのに。
「あっ、だめっ、あ! けつきゅんきゅんするぅ、だめ、やっ、きゅうってなるぅ……!」
「だめじゃないよ? キュンってしたら、僕もきもちいい。もっとキュンキュンして?」
「きゅんきゅん……? えと、んぅっ……! ん!」
「アッ! 待って、それは、だめ、かも……あー、今自分でぎゅーってしたでしょ、めっ…………あ、あ、だめだって、腰動いちゃうっ……」
意図的に中を締められたらあまりの圧にグッと押し返され、抜けないように突き入れたら止められなくなった。
だってすっごい気持ちいい。
熱くて、ヌルヌルしてて、中が蠢いて、押し出そうとして、反発するとさらに絞られる。潰れるんじゃないかって思うのに、こなれた肉壁はとても柔らかくてぎゅうぎゅうと包み込み、僕の形に馴染み、隙間なく全部が擦れて。
こんなの止められるわけがない。ただ出し入れしてるだけで前立腺にカリがめちゃくちゃ引っかかる。ほんとやっばい、なにこれ潰れる。たまんない。
「はれっ、あっ! あっ! なんれ、なんれぇ?! はげし、あっあっあっ、おちんぽ激しぃぃっ! にゃんれぇぇ、あー! あーっ! オチンポこわいぃっ」
「ごめんね、ごめんね……っ? はぁ、はぁ、あっ、でも、君のせい、なんだよ…………おちんちん怖い?」
「こわっ、ぁ、きもちいっ、きもちいよっ、きもちいのっ! れも、おちんぽしゅごしゅぎてっ、ぅ、ううぅぅーっ!」
「いいよ、怖いね。まだ、素直な隼人でしょ? ごめんね、僕のこと見て。僕に掴まって。すぐ、もっと気持ちよくなるからね。大丈夫だよ」
「う、うぅぅっ……」
歯を食いしばって、唸りながらギュッと力いっぱい閉じてた目が開く。背中も指にぐっとくい込んで、しがみついてる。
そうだよね、君はいつもこうやって僕に必死に抱きついてた。背中に指の形をした痣ができてしまうくらい。その時に力が入って中が締まり、僕はまた抜き差しするスピードを上げてしまうんだけど。
隼人が鼻をぐすぐす鳴らしながらぼんやりと僕を見てる。ひっ、とか、あっ、とか、声を漏らしながら、口をへの字にして。
「甘やかしゅって、言ったァ……!」
あ、怒ってる。かわいい。
そんなかわいくされたらもっとぐっちょんぐっちょん奥深くまで刺したくなるじゃないか。
まだ、なんだかんだ前立腺を超えたくらいまでしか入れてない。中にある一個目の入口、弁のある狭くて最高に気持ちいいところ、突破しとくか。
――ぐぶっ
「おッ?!」
「あーっ、きもっちい……ふー、あー、ビクビクしてる、かわいー……こわがってるの、かな?」
弁を抜いて、またすぐにグボンッと揺さぶる。カリ首ぎゅって抱きしめられてたまんない。
するとプシャッと震えてそそり立つおちんちんから潮が吹き出た。
「あれ、押してないのに」
「おアッ! あンッ! あ! アッ! みにゃ、しょれ、やだっ、おッ!」
一回短く吹き出て、でも止められる訳もないのでぐっぽんぐっぽん構わず中を掻き回していたら、おしっこした時みたいに放射線を描いてじょぼぼぼと……いや、これおしっこか? おしっこしちゃったみたい。かわいい。どうしよ。もうお漏らししちゃったの? ちんちん大っきくなっちゃうよ。
隼人の尿道ゆるゆるでなんでも出ちゃうな。そこが情けなくて可愛すぎるんだけど。ほんっと興奮する。
「はやとかわいい、ほんとにかわいいっ……怖がりおまんこ可愛いね、でもおちんちん大好きでぎゅーってしちゃうね、きもちいいよ。甘えん坊の隼人のまんこスケベにすんの最っ高にきもちいい……っ」
「あれぇ、あ、あぁぁぁ、おれぇ、にゃんか出てるぅ、出しちゃったぁぁ……? うー、やらぁ、ぐぽぐぽ、とめろよぉ、あっ、おちんぽやらぁぁっ!」
「んっ、んっ……あー、また、きゅうきゅうしてる……怖くておしっこしちゃったね、よしよし、いっぱい慰めてあげるからね……ほら、おちんちん怖くないよー? おちんちん気持ちいいねー?」
ちっちゃい頭をぎゅーって抱いて、よしよしと頭を撫でて、でももっと下の方では興奮してパンパンに張り上がったちんちんをめちゃくちゃに突き上げ擦り付ける。
なだめてる声もハァハァ言ってしまっていて、変態みたいだ。でも隼人にいつも変態って言われてるから別にいい。
隼人のお尻からはずちゅっずちゅっ、ぶちゅっと酷い音を立てているが、出し入れが激しいだけじゃなくて隼人の締め付けが強いのが原因だ。怖い止めてという癖に絶対離さないって吸いついて。
可愛いなと思っていたら、いつの間にか腰を浮かせて上下に軽く揺すっている。さらにもっと奥まできてって、おねだりしているみたいに。
「ほらね、隼人は怖がりだけど、隼人のおまんこはドスケベだから忘れてきたでしょ……?」
頭を撫でて、左の頬を包んで、耳元で囁く。
「あ、あ、みにゃあのチンポ、しゅごい……もっとぉ、もっとぉ、おれきもちい」
「もっと?」
「う、ぅー……いっぱいほしー、すっげぇきもちーよぉ」
「おちんぽ怖くなくなった?」
「お、あっ、ゔっ」
「ちゃんと聞けって、おちんぽ怖くない?」
「あ、や……」
肩を竦めて小さくなるのを見てハッとする。
「ああ、ごめんね、もう怖くない?」
「ん、ぅ……怖く、ねぇよぉ。だいすき、ちんぽすきぃ」
「じゃあ、全部入れるね。一番奥で、出すね」
「ア゛ッ」
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