ブルガリブラックに濡れる〜恋人の元・セフレ(攻)を優しくじっくりメス堕ちさせる話〜

松原 慎

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メス堕ちどころか完堕ちさせたい可愛い元バリタチへの優しく丁寧なアフターケア⑪

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「……“僕の隼人”じゃねぇけど」
「ごめん、つい。謝るよ。僕専用まんこだった」
「おまっ、この、クソやろぉお……」

 唇を離してすぐ、蕩けた顔のままでクレーム。そして唇をツンとさせながらオナホをゆっくりと抜いていく。僕も抜くか。イッたあとなのでお尻の力も抜けていて調度いいだろう。

「わ、すげ……ぅひゃっ! きゅ、きゅうに指抜くなってぇぇ……ぅ、はぅ……ゾクゾクすんじゃんん……っ」

 しかし隼人に合わせたつもりが、まだタイミングが良くなかったらしい。膝同士をくっつけたかっこ悪い格好で、ビクビク肩を震わせている。

「また、怒られちゃった」 
「そりゃおまえ……あっ、んやぁあ……も、なんかゾワゾワ止まんね……もぉぉ、この、ばかやろぉっ」

 僕の懐に入って寄りかかり、ふるりと震え上がったり、ぴくっと反応する身体。僕と大して変わらない背丈をしているくせに小動物みたいだ。

「えー……かわいい」
「るせ、うるせっ……あぅ……」

 液体でたぷたぷと揺れるオナホが、隼人の手から逃げそうになってる。

「隼人。オナホ、見せて?」
「あぁ……? ほれ……」

 隼人の肩を抱いたままの腕で受け取り、彼の後頭部の斜め後ろあたりでそこに指を入れる。
 さきほどまで隼人の中に入っていた指だ。人差し指と中指を沈めてくと水溜まりに割とすぐに到達した。
 二人分の我慢汁と精液。
 隼人は穴をいじると我慢汁をだらだらと際限なく垂らすため、我慢汁の割合が高そうだ。透明な中に混ざりきらない精液がリボンのように線を引いている。興味本位でかき混ぜるとぐちゃぐちゃと嫌な音と共にカルキ臭が立ち昇った。

「おまっ、かき混ぜんなよ……きしょ……うわ、オスくせぇ」

 顔をしかめる姿にくすりと笑ってしまう。一々いい反応をする。

「好きでしょ。ほら、僕と隼人のザーメンたっぷり。舐める?」

 指をかぎ状にしてたっぷりと雄汁をする掬いとる。トロッとしていて指から流れ落ちたものはまた穴に沈んでいくが、まだ残った汁が指先を白く濁らせ光を反射して光沢する。
 隼人は背後から自分の耳元に寄せられたそれを振り返り、一連の様子をジッと夢中で眺めていた。舌をちろりと覗かせながら。

「はぁ? あ、あぁ……? んと、ちょっと、だけ……?」
「え、舐めるんだ」
「んだよ、その反応……どんなゲテモノか気になるだけだよ」
「ほらどうぞ、お口開けて? あーん」
「あー」

 縦に開いた口から舌が突き出る。
 その顔に興奮してしまう。早くほしいと雄汁の滴る指に向かって突き出た舌にまず指先を乗せ、そのままずるりと奥まで舌の上を滑らせ指をしゃぶらせた。ン、と眉根を寄せるものの、どこか嬉しそうで。

「ん、ん……んぅ…………んー?」

 揃った指と指の間にできる溝に下を往復させたあと、唇をすぼめてちゅうちゅうと吸ってくる。フェラチオでは見られない近さ、角度だ……ちゅぱちゅぱ音を立てる唇も、凹む頬も堪らなくて、ため息が出る。
 ちゅぽん、と吸い上げながら唇を離した時には高揚して力の抜けた顔になっており、そのまま唇の周りをぺろりと赤い舌が舐め回すのを見て、太ももの付け根がギュッとなる。

「あ、なんか……やば……口ん中でねばねばして、くせぇし……」

 くちゅくちゅと、口内で弄んでる。美味しいものではないのは明らかなのに味わって舌の上で転がしすり潰す。

「おいしい?」
「知らねぇけど……もっと指につけたら舐める……」

 あーやばい。疲れてるのに滾ってくる。

「ザーメン美味しいからもっとちょうだいって、素直に言えばいいのに」
「知らねーって、とりあえず指しゃぶらせろ」

 ご要望通りもう一度指で掬いとり、舌の根まで指を突っ込む。

「あ、あー……じゃーめん……キュンキュンしゅる……ん、んく……みなわの、子種……」

 抱きついたまま、僕の身体に自分の身体を擦り寄せて来る。

「中にも欲しい?」
「んーんぅ、もう無理……エロいの終わり」
「こんなに感じやすくなっちゃってるのに?」

 終わりと言いながら乳首を僕の肌に擦ってあんあん言ってるので、キュッと摘んだあと、優しく指の腹でさすってやる。

「んぁっ……あ、も、だめ……俺今日、全身へんだから……あん、ん……もうダメ。あンッ、撫でんなぁっ! ほんとダメだって、このままじゃ明日まで引きずりそ……んー、そわそわするぅー……」
「それは……困る。残念」

 明日はあのマネージャーと会うのだから。
 僕が灯した熱をもって誰かを抱くのがまず気に入らない。しかも相手は女性ではなく、男性器がついているのだ。いつもは立場が違うとはいえ、雌状態を引きずるこんな可愛い隼人が男とセックスするなんて有り得ない。危険すぎる。
 そんなことを考えていたらついつい手に力が入り、オナホを握りしめてしまっていた。中から液体が溢れ、ああ捨てなければと思った時。

「オナホいいなぁ……」

 隼人がうっとりした声でそんなことを言った。

「うん?」
「お前毎日オナニーするんだろ? 毎日オナホに中出ししてるってことだよな……水泡に射精されてんだ……」
「え? 君まさか、オナホが羨ましいの? 毎日中出しされたくなっちゃったの?」

 僕の肩に頭を預けている顔が、上から見てもわかるくらいに赤く染まる。

「……ほんとに?」

 最初その言葉は「オナホを使えばオナニーができるようになるかも」という意味かと思った。
 しかし隼人は「オナホを使うのいいな」ではなく「水泡に毎日中出しされていいな」という意味で言ったのだ。 
 実際にはオナホではなく、ほぼ左手に出すのだが。

「ちが、ちげぇし、みんなオナッて無駄打ちしてんのはわかってんだけど、お前の無駄打ちはもったいねぇなって。えーと、なんつーか……」
「無駄打ち? どういうこと?」
「お前、俺のこともう離さねぇんだろ? だったら俺、月一じゃヤダ」
「あー…………最初のルール」
「それ」

 話の流れがなんとなくわかるような、わからないような。
 首を傾げる僕を、寄りかかったまま上目遣いに見る隼人。ぱちりと目が合うと、それがとっても素直な甘えた眼差しだとわかった。まっすぐ僕を見てる。甘え求めてる眼差し。

「毎日オナってんならさ、その何回かは俺で良くね……? 前戯とかいいからさ、ケツ使ってくれればいいから……別に俺のこと気持ちよくさせようとか、イカせようとか、しなくていいから」

 ――……オナニーとセックスは全く別なのだが。
 自分の好きなおかず、自分の好きなペース、自分の欲する種類の快楽。自己完結するものだから、いつイッても惜しくない。究極の自己満足で得られる充足感。
 何物にも全く気遣う必要はないし、疲れるほど深い絶頂を毎回味わう必要もない。セックスとはまた違った快感を味わうことができるのが自慰行為なのだ。
 いくら自分を構わなくていいと言われても挿入したらそんなわけにもいかないものだろうし。君を目の前にしたら前戯もしたくなりそうだし。それを我慢するのも煩わしい。
 しかしオナニーできないこの子にそれをどう伝えればいいものか。一歩間違えたら「隼人を抱くよりオナニーのほうが好き」と勘違いされかねない。
 頭を悩ませて無言でいたら、不安そうに揺れる声と共に肩に頬を擦り寄せられた。

「……なぁ、なぁ? 準備くらい自分でできるし、即挿入、即射精でいいからさー……んで、終わったあとも自分で洗えるし。俺、オナホより楽じゃね? お前が動きたくなかったら俺が上で動くし、全自動だぜ? お前は精液出すだけ」
「え無理」
「はぁ? なんでだよ、いーじゃん。お前が使いたい時に呼んでくれたら、行ける時は行くから……あ、そうだ、あのお前がやりたがってたヤツ……ドアにケツ向けて部屋で待っててやってもいいけど?」
「うわ……無理……」
「な、なんだよっ……この俺がここまで言ってやってんのに……!」
「無理……」
「そんな無理無理言うなよ、ひでぇじゃん、クソ野郎……っ! 恥かかせんじゃねぇよ、俺だってこんなこと言いたくねぇのに……」

 無理。

「俺のこと、お、オナホにして、いいからぁ。オナホとして使ってくれりゃいいから……っ」

 無理無理無理無理、無理に決まってるだろう。
 僕が呼び出したら即ハメしてほしくてたまらない君が、お尻綺麗にして即挿入できるいやらしいポーズのまま待っててくれるって? オナホ扱いでいいからそれでもハメて中出ししてほしいって?
 想像しただけで脳が焼けそうだ。
 日本国民全員が、美しいという君が。いや知れれば全人類だって虜にできそうな君が。見るからにプライドの高い、見下した目線の似合う君が。
 僕にそんなぞんざいな扱いを受けてもいいと。
 その時だけは僕が種付けするためだけに存在してもいいと。
 してもいい、ではない、それを強請ってる。お願い僕のオナホにしてと、強請ってる。
 興奮で心臓の鼓動が痛いほど響く。
 やっぱりオナニーとそれは全く別物だ。

「だって、でないと俺さぁ……他のやつのチンポ我慢できねぇ、かも。んなことするつもりはねぇんだけど、チャンスあったら……チンポほしくなっちゃう……」

 しかし隼人の追撃に僕の興奮はスーッと驚くほど早く引いていった。
 そういうことか。君が求めてるのは僕じゃなくて男性器。
 あんなに昨夜丁寧に、僕じゃないと君を満足させられない、僕が君を一番可愛がれると説き伏せたのに。理解させたのに。

「実際この二ヶ月、危なかったし」
「……はぁ?」

 それは聞き捨てならない。下から下から、低い声が出る。

「だからお前、キレ顔怖いって」
「何、危なかったって」
「ちょっと……よそにチンポにこう……フラーっと」
「誰の」
「結局はしてねぇしいいだろ」
「よくないんだけど」
「いいだろ。離れるなとか他の男とするなっつーのも、ちゃんと守るよ。その代わりお前も責任取れよって話だろ。ふらっとさせないようにすればいいだろ」
「他の男に君が気をやるのが」
「それよりできねぇの? 即ハメ即出しバイバイ」

 萎える。激萎えだ。正直もうどうでもいい。
 でもどうでもいいと思うのに、このお願いを無下にするのは勿体ないし(絶対あとで後悔する)、本当に他の男とセックスされたら困る。それこそ無理だ。
 頭を撫でながら噛み締める。他の男に身体を開かせるなんて許さない。舌っ足らずなとろける声で、僕の名前以外を呼ぶなんて許さない。
 もし、もしもそんなことになってしまったら。
 僕はこの子への感情を失くすかも知れない。怒り狂って望まぬ傷つけ方をしてしまうかもしれない。
 それはどちらも、悲しい。

「この間のレンタルルームとか、いいかもしれないね」

 感情を抑えて、具体案を出す。
 面白くないので、受け入れるとハッキリとは言葉にはせず、応じてもよいと意思表示だけするためだ。

「おっ」

 あーあ、そんなに目を輝かせて。

「それにしても……君が自ら、僕のオナホになりたがるとは」

 あんまり嬉しそうで可愛いから、勘違いしてしまいそうになるから、皮肉のひとつも言いたくなった。

「はっ、それはお前からしたらだろ? 俺からしたらお前はディルドだし」
「……そうなんだろうね」
「納得すんなよ」
「うん? なんで?」
「べっつにぃ……」

 ぐりぐりと僕の肌に頭を擦ってくる。この子はそうやって猫みたいに甘えてくるのが好きだ。細めの柔らかい髪が絡まると注意したいところだが、への字になってるだろう口は開かない。
 僕だからおっぱい舐めさせてくれたり、かっこ悪い姿を見せてもいいと思っていたはずなのに。最初だけで、セックスに慣れてしまえばどうってことないわけか。
 いや、慣れてどうってことないようにする為に、一番最初抱いたのだった。望まない男に襲われないようにと。ならばこれは隼人の望んだとおりなのだろうか。僕もその手助けをした、でもそれは君がちゃんと逃げられるようにするためだったのに。

「どんな男」
「あ?」
「君がふらっとした……他所のチンポは」

 気になって当然だ。キモいおっさんに抱かれたくないと言っていた君がどんな相手なら抱かれてもいいのか。

「あー、っと。俺なんか結構、こう……四十代とか、おっさんが好き……みたい」

 目眩がする。僕はまだ三十代なのだけど。
 結局は“おっさん”が好きなのか君は。過去に狙われたこともあるって言っていた“おっさん”が。

「うん。そうだね。よしよししてもらえれば誰でもいいんだろうね、君は」
「なんだよ? ぼそぼそ言わねぇではっきり喋れよ」
「別に」

 他所のチンポに犯されたら、君はどこまで許すんだろう。おしっこしてるとこも見せちゃうのかな。すぐ出しちゃうもんな。
 それは浮気だからダメだよって言えない。出雲みたいに君を監視したり閉じ込めることもできない。僕のなのに僕のじゃない。結局のところ僕に強制力はない。
 絶対に離さないし、他の男になんか抱かせない。
 でも僕には話し合いをして、君を心から納得させ、同意させることはできない。
 僕のことが大好きだから、僕にしか抱かれたくないって言ってもらえればいいのに。僕のことを好いてはくれてるが、そんなレベルじゃない。
 脅して、酷いことをして、言うことを聞いてもらうしか方法がない。

「でもさ、月一はじっくりセックスしような」

 僕にぐりぐりしていた頭を持ち上げ、頬にチュッと音を立ててキス。照れくさそうに歯を見せて笑う顔。
 可愛いな。
 全部面倒くさくなるくらい可愛い。
 考えても仕方ない、後退しなくても僕らの関係は前進はしないし。君にどうこう思うのは無駄だ。

「……うん。毎回弄り倒したい、けど」
「そんな時間ねぇだろ」
「そうだね。僕らには……時間の自由もない」
「どしたの?」
「なに?」
「なんか暗ぇじゃん」
「いつも」
「いつもと違ぇもん」
「そう?」

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