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泥沼編

ぜんぶ置いてきました(前編)

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 先生の綺麗な顔が青ざめて途方に暮れたような、道に迷った子供みたいな顔をするのを見るとゾクゾクする。
 俺は本当に悪い子になってしまいました。
 山下とセックスさせられた時はどうしてこんなことするのかと理解ができず悲しくて、また捨てられたらどうしようかと不安で仕方なかった。保健室へ行ってもそれが怖くて仕方なくて、どうしていいか分からなくなってしまって。それでも絶対に先生と離れたくなくてたくさん求めた。
 でも先生が俺を見る目はハヤトとは違った。
 あの、俺に向けるなんの感情もない目。最後に俺を抱いた時、後ろから突き上げながら本命の彼の名前を何度も呼んで、俺がそこに存在することすら許さなかったあの人。
 先生はちがう。
 静かな表情をしている癖して、食い入るように何も見逃さないように、熱い瞳を向けてくる。
 はじめから好意を見せてくれてはいたけれど、段々とそれが重くじっとりしたものに変質していってるのを感じる。
 それが嬉しくてもっと刺激したくなる。何をされるか少し怖い時もあるけれど、それだけ大きな感情が自分にぶつけられてるのだと思えば平気だった。
 俺がハヤトでいっぱいだったみたいに先生は俺でいっぱいになってる。
 きもちいい。きもちよくてたまらない。
 俺も先生でいっぱいになりたい。
 朝になって目が覚めたのでウォーターサーバーの水を汲みに行くと、俺の制服と荷物はなくなっていた。
 あるのはこの身一つ。
 別にそれらを探す気もなく、ないのだけわかったらベッドにまた滑り込んだ。
 先生の寝顔を見つめる。背が高い人は顔の骨格がしっかりしているイメージがあるが、先生は背の割には鼻筋や顎のラインが細く繊細な顔立ちをしている。頬が少しへこんでるのが好き。
 ハヤトの時といい、自分は面食いなのだろうかと思ってしまう。綺麗な顔はずっと見ていられる。
 顎に少し伸びた髭が生えているのを撫でる。自分はまだつるつるで全く生える気配がないため新鮮だった。こんなに綺麗な肌からも髭が生えるんだな。
 チクチクした感触を楽しんでいたら、先生がうすく目を開けた。ぽーっとした目が少しの時間を要して俺をしっかり捉え、長い腕が伸びて抱き寄せられる。
「なに、してるの?」
「お髭触ってました」
「ふぅん……」
 先生の長い指が俺の顎を撫でる。
「すべすべ……」
 可愛い、とぎゅうっと抱きしめて頬ずりしてくる。いやいや、俺はちょっと髭が当たって痛いんですけど。でも甘えてくる先生が可愛くて抱き返して頭を撫でる。
 先生は満足したのか俺から離れ、サイドテーブルに置かれた煙草に手を伸ばした。冬休み中にお邪魔した時は俺の前で煙草は吸わずベランダに出ていたが、各部屋に高機能な空気洗浄機が置かれていたので普段は部屋で吸っているのだろうなとは思っていた。けれどこうして目の当たりにするのは初めてで思わずじっと見つめてしまう。
 上半身を起こして、ベッドボードを背もたれにして煙草に火をつける。長い前髪をかきあげる姿も、少し伸びた髭も色っぽくてドキドキする。
 よく見たいなと思って横向きに寝ていたのを仰向きに寝返りをすると、布団に胸が擦れて肩を震わせてしまった。
「んっ……」
 先生がそんな俺を見て、灰皿に煙草の灰を落とす。そして咥えタバコをして首元までかかっていた布団を胸の下まで下ろした。指の背がすーっと乳首の周りを撫でていく。
 昨夜一晩中かけて愛されたそこはどう考えてもいつもより敏感になっていた。反った背が痛いくらい、ずっとずっと気持ち良くされたのにまた触られてしまう。
「せんせ……やです、もう、いいでしょう……? 昨日、あんなに……」
 説得力のない上擦った声を聞いた先生は笑って、焦らしていた乳首に触れた。人差し指の腹で優しくさすられる。
「あっ……せんせぇ、きもちい……だめ、こんなの、だめですよぉ……」
「何が、だめ?」
「どんどん敏感に、なって……ん、やだ、もぉ……ん、ぅ、こまり、ます……ちくび、だめになる……」
「手遅れ」
「あぁっ……きもちい、やだぁ……!」
 低く笑う声と軽く引っ掻く爪に感じて仰け反ってビクビクしてしまう。先生を見たいのに目を開けてられない。ふうっと煙草の煙を吐き出すのが聞こえる。煙草吸いながらこんなことして悪い人だ。
「本当に……気持ちよさそう。可愛いね」
「きもちいぃ、です……すごくきもちいい……せんせいのゆび、すき」
「指、だけ?」
 カリカリ引っ掻かき、ぎゅっと押し潰すようにいじめられて声も出ずに顎を反らした。
 気持ちいい。こんなに乳首感じるようになってしまったら、生活に支障がでるのではと思うほどに。
 あ、でももう生活に支障とかないのか。この家からもう出ないのならば。
「せんせいの、ぜんぶ、すき……あ、あっ、すき、せんせいすきぃ……舌も、しゅき……なめてくだひゃ、あぁ、なめてぇ……」
「ダメになっちゃうの……嫌なんでしょ? なら、舐めない。きみ、ダメになっちゃうもん」
「やだぁ……」
 手遅れって言ったくせに、今更そんな意地悪を言う。でも煙草がもう少しで終わりそうだ。そうしたらお口が空く。
 言葉は意地悪なのに指は優しいタッチに変わって、中指がそっと乳首の先から根元までをくりくりと転がす。もどかしくて我慢できなくて左手の甲を甘噛みすると、先生に昨日噛み付かれた歯型が親指の付け根にあり、もっと舐めてもらいたくなった。
 先生が終わった煙草を灰皿に押付け、布団の中で俺に覆い被さってきた。上目遣いに見上げられながら、両方の乳首を親指と人差し指で扱くように擦られてもうたまらない。
「あっ、きもちいぃ……あぁぁ……きもちいいよぉ……しぇんしぇ、おねがいします、なめてぇ……もっとほしい、もっときもちいいの、ほしいぃ……」
 親指と人差し指が交互に上下するのが気持ち良くてどんどん高まっていく。こんなにしこしこされたら乳首もっと大きくなっちゃう。
「ダメになっちゃって……いいの?」
「いいっ、いぃ……だめになるぅっ、おれのおっぱい、ん、だめに、だめにして、くだしゃっ、ぃ……せんせいの、だから……あ、ぁ……せんせいが、だめにしてぇ」
 何度も頷き身体をビクつかせながらなんとかしたおねだりに、先生は微笑んだ。そして乳首の根元をきゅっと摘んで、飛びでた先端に舌を伸ばす。ちょっと触れただけで大袈裟に声を上げてしまう俺を見て先生は満足そうだった。
「そんなお願いして、悪い子だね? だめなおっぱい、もっとバカにしようね」
「ん、ん、ばかになりゅ……きもちいぃぃ……しぇんしぇぇ、きもちい……おっぱいだけなのに……こんなに、きもちいの、アッ、おかしいよぉ」
「うん、気持ちいいね。おかしくて、いいんだよ? 僕の悪い子」
 指が離れ乳首の先をくすぐるように舌でつつかれると、もどかしくて身体を浮かせてしまった。こんなふうに押し付けたらまた悪い子って言われちゃう。けれど先生はふっと笑うだけで、乳首の根っこの中心をほじくるように舌でぐりぐりと舐めて潰し、強く刺激してくる。
 またずっとずっとイッちゃう。昨日からこればっかりで射精していない。しかし不思議と出したい気持ちはなく、ずっとずっと甘くイキ続けるのが、このどうにもならない感覚がたまらなくて、ずっと溺れていたいと思う。
 終わりがないってなんて幸せなことだろう。先生もずっとずっと俺が気持ちよくなってるところが見たいんだと言ってくれる。
 下へ視線をやれば、先生が一生懸命に俺の胸元へしゃぶりついて気持ち良くしてくれている。こんなに愛されることってあるのだろうか。それがまた高揚させて、幸せな気持ちで満たされていく。こんな気持ちにさせてくれるのは先生だけだ。
 しばらく舌で愛撫されていたが、唇が離れまた指で優しく擦られる。まだ唾液が残っているからぬるぬるしてる。指で擦られるのとも舌で舐められるのともまた違う感覚。
「んん……せんせぇ……ちゅう、は……きす、したいです……した、すわれたら……もっときもちい、から……」
「可愛いね」
 胸は人差し指で遊んだまま、唇が重ねられる。ほろ苦いバニラの香りにくらくらした。自分のものの倍は長そうな舌が、丁寧に頬の壁や上顎をなぞる。上顎の気持ちいいところをうんと擽ったあとに、それに必死でくっついていた俺の舌を絡めとってくれた。
 ちゅうちゅうと舌を吸われると脳にキスされてるような感覚を抱く。先生のすること全部が俺をダメにする。
 唇が離れ、少しの間見つめ合い、また触れるだけの口付けをされる。
 先生の指は胸元から離れ、脇腹を通過しながら下へ向かう。何をされるのかと心臓を高鳴らせていると、おちんちんの先、鈴口に指が触れた。
「また、おもらししてる」
 耳元で悪い子、と囁かれて肩を竦めた。
 勃起してない男性器がやたらと我慢汁だけ垂れ流すのはいつまで経っても恥ずかしい。
「先生、おもらしって言わないでください……」
「おもらし……でしょ。昨日の夜も汚したのに、また……シーツ汚して」
「じゃあ触らない時は下着を履かせてください、それで少しは……」
「だめ」
 鈴口だけ親指でくるくると撫でて我慢汁を塗り付けられる。急な刺激に背と腰が浮くほど仰け反ってしまうと、先生は楽しそうに笑った。
「可愛い……ここは、女の子でいうところのクリトリスだから……おっぱいみたいに、ずっと気持ちよくなれるよ? うれしいね?」
「や、はずかしい……だ、め……だめです、まって……」
「待たない」
 ぬるぬると尿道の周りばかり刺激され、乳首も合わせて扱かれて、全身に甘い疼きが走ってなにがなんだか分からない。視界が歪んで、頭の中がどろどろになる。
「アッ……や、あっあっあっ……!  らめ、しぇん、しぇっ……ひぁ、あ、きもちぃ、しょれ、ら、あ、らめらめっ……きもちい、きもちい、おちんちん、へん、へんにゃの、きもちい……きもちいよぉ、おちんちんきもちい……あぁ、あぁぁー……ずっときもちいいぃ」
 気持ちいい以外の思考が浮かばない中で、どんどんおちんちんが濡れてぬるぬるしてくのだけわかる。ぬるぬるしたものに自分が飲み込まれてく。
 こんな風にされたらもうずっと気持ちいいことしたくてたまらなくなってしまいそう。先生に愛でてもらうことしか考えられなくなってしまう。
「もう……下着、いらない。どうせ、汚れるし……僕がいつでも……触りやすいように。履かなくていい」
「いつでも……? あぁ……せんせぇぇ……いつでも、さわってくれるんですか……いっぱい? ずっと? あ、あ、きもちいの、ずっとぉ?」
 とろけた頭が先生を求めて仕方ない。しがみついて喘ぎながら、媚びるように何度も先生の首筋にキスをした。おちんちんも先生が大好きでその長い指をたくさん汚して我慢汁を絡める。
「えっち。悪い子。そんなにほしい……?」
「ほしい……せんせい、ずっとほしい」
「ずっとじゃないけど……僕が、好きな時に、好きなだけ。触るから、ね? 僕のTシャツ着てるの……可愛かったから。もうずっとTシャツ一枚で、いいよ」
 うん、うん、と何度も頷く。
 ああ、もう俺、完全に先生のものだ。本当に先生のものになっちゃった。
 感じたことのない多幸感に包まれていく。 
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