疼いて疼いて仕方ないのに先生が手を出してくれない

松原 慎

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泥沼編

可愛い可愛い馬鹿なあの子(中編)※先生視点

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 外は雨が降ってきていた。傘を持たず制服の上に紺色のピーコートを着た出雲が駅前にいるのを見かけ、客を乗せるタクシーに続いてロータリーに車を滑らせる。
 すぐに僕に気がついて駆け寄る君を見ながら僕はまだ悩んでいた。
 今車に乗せたら僕はこのままこの子を家に帰さない気がする。
 帰せばいいだけの話だ。今日は金曜日なので明日……いや、日曜の夜にでも帰せばいい。
 毎回車に乗せる時には中からドアを開けてあげていたが、今日はそれをしなかった。出雲は自分で助手席のドアを開けて車に乗り込んでくる。シートベルトを閉めて背筋を伸ばして行儀よく座り、膝にスクールバックを乗せる姿を見ていたら目が合った。小首を傾げて微笑んでくる。
「行かないんですか? 後続車が来てしまいますよ」
 頷いてアクセルを踏む。二人でフロントガラスの向こうで強くなってきた雨を見つめながらぽつりぽつりとなんでもない会話をする。
「ハンドルに足がぶつかってません? 足が邪魔そうです」
「これでも……いいほう。軽は二度と乗りたくない」
「乗っていたことがあったんですか?」
「ううん……知り合いのを、運転した」
 膝で運転できそうな狭さだったのを思い出してその窮屈さが体に一瞬蘇る。どこに行くにも何をやるにもこの体では少し窮屈だ。住む場所、家具、着るものまで窮屈でないように考えて選ぶ。だから他人と過ごすとさらに窮屈になるのが嫌いだった。
 物理的にも、人と関わる煩わしさも、全てが窮屈だ。
 けれど車に乗せても家にあげても、控えめに隣で微笑んでいる君といるのは居心地がいい。ずっと置いておきたいと思うほどに。
「先生とカーセックスはできませんね」
「本当、君は……」
「先日たまたま映画で見たんですよ」
 横目でその顔を確認すると自分で言っておきながら照れてほっぺたを赤くさせていた。そんな顔をされるとしたくなるな、カーセックス。多分無理だけど。
 マンションの地下駐車場に車を停め、さてどうしたものかなと周囲の様子を伺う。コートを着ているから制服丸出しではないものの、明らかに高校生にしか見えない。普段から同じフロアの住民と鉢合わせることも少ないし、ここでエレベーターにさえ無事乗れれば問題ないか。しかし防犯カメラにはどう足掻いても映る。
「先生?」
 声をかけられハッとした。そしてそんなことまで考えている自分に気がついて寒気がする。
 普通に家に帰すのだから。防犯カメラがチェックされるようなことにはならない。住民に見られて不審にさえ思われなければいい。
「あの車が出たら……降りようか」
 車に乗り込む男性を見送りながら話せば、出雲は見透かすように僕の顔をじっと見つめてまた微笑んだ。



 前回はコンバースが玄関に並べられていたが、今日はローファーだ。スニーカーの時よりも同じ革靴だからか自分のものよりも随分小さいなと思った。
「靴……何せんち?」
「二十六です」
 靴の四センチの差はこんなに大きいのか。
 とは言っても出雲のサイズ感は平均的な一般男性のものなのだろう。体は細いけれど、本人がいつも言う通り小さいわけではない。今まで自分がどれだけ人のことを気にしてこなかったかがよくわかるな。
「抱っこしていい?」
 聞くだけ聞いて返事を待たずに正面から腰を支えて抱き上げる。そうして目の高さが揃ったその顔に口付ける。一度唇を離し、今度は舌を出して見せれば、出雲もその小さな舌を必死に伸ばして僕の舌先に触れた。こちょこちょと擽るように舌先を横に揺らして遊んでいたのに、堪え性のないこの子はすぐに僕の首をグッと抱いて舌を奥まで滑らせる。
 歩き始めても啄むように唇に触れたり挟んだりしながら、ベッドルームへと向かう。
 ベッドに腰を下ろして座らせた時にはもう息も絶え絶えで涙目になっていた。
 ベッドから足を下ろして座る出雲に対し、僕は床に膝をついた。彼の前で跪いてその二十六センチ……いや、きっと実際には二十五センチ程の足に触れ、靴下を脱がせた。
 小汚い上履きを履く生徒が多い中、出雲の上履きはいつもキャンパス地が白く清潔感に溢れている。こうやって下校後の足を目の前にしても何もにおいを感じない。爪も綺麗に切られていて指の毛も一つも生えていない綺麗な足だ。形も甲が高く幅が細く華奢で美しい。
 つるりとした踵を撫でると、ぴくりと反応してみせる。その高い甲に口付け、親指の先まで唇を滑らす。ちゅう、と吸うように先を口付けてから、舌を出して親指と人差し指の間にある付け根に這わせた。
「んっ……くすぐったいです。それに、汚いですよ……?」
「いい……」
 人差し指から小指まで、順番に一本ずつ口に含んで舐めしゃぶっていく。ふと目線を上げれば制服の君が、自分の足を夢中で舐める僕を見下ろしていた。
「あっ……ふふ、なんだか変な感じです……くすぐったいような、でもちょっと気持ちいい……」
 ぐっと口の中に親指を押し込まれ、抵抗せずにそこも舐める。ぺちゃりと音が響く。
「先生の全身なんて、いつもちゃんと見れないのに……こうしていると、よく見えますね?」
 僕に舐められているのと反対の足を伸ばして、そのつま先が僕の股ぐらを漁る。足の指で根元から先まで撫で上げて、そのまま先端をいじり始めた。
「こんなに大きいと、大変ですね? 立ってるとすぐバレちゃうんじゃないですか?」
 器用に足の指を閉じたり開いたりしてこちらを刺激しながらも、息が荒くなり始めている。舌を横に動かして指の付け根をべろべろと舐めていたら背中をビクビクと震わせはじめ、擽ったいというよりは完全に感じている姿を見せつけてくる。
「は、あ、あぁ……せんせい、だめですもう……気持ちよくなってきちゃいます」
「気持ちよくなってるとこ、見たい」
「あ、あ……」
 声に合わせ、腰が小さく跳ねる。舐めている足の指も、まるで本人とは別に意志を持っているかのように開いたり脱力したりを繰り返してうねうねとよく動く。
 可愛い足だ。大きく口を開いたら丸ごと口に入りそうだ。食べてしまいたい。
「あし……も、やっ……あ、ふやけちゃいます、だめ、だめ……」
 僕の性器を弄んでいた足も所在なさげに宙に浮いてつま先を伸ばし、ビクビクと痙攣を始める。腰を後ろに擦り付けるように動かして顎は上に向けて、足だけでここまで感じるのだなと一種感動のようなものを受けた。
 しかしズボンの間に目を向けるとそこが立ち上がっていそうな気配はない。ドライオーガズムに近い感覚を受けているのだろうか。
 舐め尽くした足を下ろしてやり、ズボンのベルトを外して前を開けてあげた。それだけで湿り気を帯びているのが感じられる。
「ズボンと下着……脱いで。中、見せて?」
「はい……」
 もぞもぞと腰を気にして僅かに揺らしながらも大人しく言われたことに従ってくれた。腰に触れてまたベッドに座らせると、制服のワイシャツが被さって足の付け根が隠れる。
 上はしっかりとネクタイも締めてブレザーも着込んだワイシャツの下から素足が伸び、片方だけ白い靴下を履く姿はかなりいけないことをしている気分にさせる。いつも制服のまま保健室でこのような姿を見ているのだが、薄暗い部屋の毎日自分が眠っているベッドの上というのが新鮮でいい。
 ワイシャツの下から両手を入れて腰を掴み、そのまま手を上へあげていけば自然とワイシャツも上へ捲れていく。足の付け根の、その間にぶら下がるものが露出していくと、やはりそこは立ち上がってはおらず、かわりにおしっこでも漏らしたかのように我慢汁を垂れ流していた。
 シーツをベッタリと汚しながらもまだ男性器の先と糸が引いて繋がっている様子がいやらしい。
「先生、そんなに見ないでください……なんだかおちんちんが立っているより恥ずかしくて……やです、はずかしい」
「おもらし、みたいだもんね……? ぬるぬるしてるから、おしっこじゃないけど……」
 太ももを持ち上げ、ベッドに足をつかせてM字に開脚させる。そのままだとお尻が見えないので少し体を上向きにさせると両手を後ろについて見えやすいようにしてくれる。なんだかんだ見て欲しいんじゃないか。
「ヒクヒクして……かわいいね? 誘ってる?」
 太ももに添えていた手を下ろして親指でおしりの肉を引っ張り広げる。出雲の縦に裂けたお尻の穴はもう完全に閉じきることはできないけれど、それでも広げようとすればきゅっと窄まって抵抗を見せる。
「本当に……かわいい。ここも、舐めようかな」
 つん、と舌先でつつくと、ひゃ、と声が上がる。
「あ、朝っ、綺麗にしましたけど、でも、あの……」
「じゃあ、いいね」
 穴の周囲をなぞるようにぐるりと舌を動かす。
「あっ、やっ、だ、だめ……だめです、そんな……」
 今度は上下にぺろぺろと舐めてあげれば、舌が通過する度に穴がきゅうっと締まる感触が伝わった。きゅ、きゅ、きゅっと何度も締めては弛緩する。
「あぁ、あぁ、あぁー……きもち、い……きたない、のに……すきになっちゃい、ます……あ、やぁ、これすきぃ……」
「何が、好きなの?」
「おしり、ぺろぺろされるの……おしりのあな、なめてもらうのぉ……あ、あ、きもちい、きもちいぃぃ」
「僕の舌に、おしりの穴押し付けてるの……わかってる? やらしいね?」 
 足の形はそのままに、ぐいぐいと腰を前にグラインドさせて僕の舌に甘えてくる。しかし自覚はなかったようで指摘すると火照った顔に涙まで浮かべて首を横に振った。
「違っ、あっ、してにゃ……しょんなこと、してな……」
「ほら……あんまり、押し付けるから。君のぬるぬる、顔についちゃった」
 顔を上げて鼻と頬についた我慢汁を 指で取り、親指と人差し指で馴染ませ広げ、それが糸を引くとこを見せつけた。出雲は見ていられないと顔を逸らしながらも、そのうっすら開いた目はしっかりとそれを見ていた。
「してないなら……もう舐めなくて、いい?」
「あ……」
「僕の顔を汚した、悪い子は……嘘までつくのかな? すごく、悪い子だね?」
 白く綺麗な太ももに爪を立てる。体毛が薄く守るものもない皮膚はすぐに裂けてしまいそうだ。しかし痛いはずなのに出雲はいやらしく声を漏らす。
「あ……あ……」
「痛く……ないの?」
 ぐっと柔らかな皮膚に爪を埋め込む。
「いたい……ぁ、いたいです、んん、いたいぃ……」
 痛いと言いながら恍惚と口の開いていく顔を見て、それのどこが痛い顔なのかと可笑しくなってしまった。
「君は本当に、お仕置がきかない」
 皮膚に爪を立てながらも、舌先で尻の穴を撫でると、まただらりと我慢汁が頬に垂れた。
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