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6 通話

窓の外

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「リミはこのままイクだけじゃ物足りないんじゃない?」
「何かしたいことある?」

「えっ、そんな…」
リミがくぐもった声で答える

「言われて一人でして聞いてもらう…それだけで満足?」

「………」
しばらくの沈黙が2人を包んでいる

「あの、えっと、……て欲しいです」
凄く小さな声で何か言ったが聞き取れない

「ごめん、もう一度言ってくれるかな?」
会えて優しくゆっくりと聞いた

「私が、、、しているところを見て欲しいです…」

「どうやって?」
わざと聞く

「ビデオで、ビデオ機能でしているところを見てくれませんか?」
なにか勢いで言ったリミ

「なるほどね♪ じゃ、いったん切るから玩具を出してきて準備ができたらかけてきて?」

「はい」

「それじゃ」
『ポロロン』この切れるときの音があまり好きにならない

そして最近リミが自分の欲を少しずつ表にだしてくる
言われる事だけをしていたリミの変化に感慨深いものを感じる

そんなしょうもない事を考えながらコーヒーを入れようと立ち上がるが
立ち上がったと同時に着信音がなる

スマホを見るとビデオ通話と表示がでていた
俺は普段通り着信すると
通話とは違い手を少し伸ばしながらスマホを覗く

スマホ画面にはリミの顔が現れた
少し薄暗い部屋の中にリミの肩から上が映る

写真とは違う…薄暗い部屋で動くリミは何か色気がある


俺はリミに向かって手をふり
「改めてよろしくね」

そんな事を言いながら
キッチンに向かって歩く

リミも手を振り返してくるが恥ずかしいのだろう
何か小さな動きだ

「コーヒー淹れるからちょっと待ってね」
俺は友だちに言うように軽い口調で言った

「え…あ、はい」
リミの戸惑いが感じられる

そらそうだ
真っ裸で首輪を着けたリミ
そんな状態でポツンと待たされるんだから…

「………」

「まひろ様は…」

「ん?なんか言った?」

「いえ…なんでもありません」

「言ってみな?」

「まひろ様は本当にイジワルが好きですね」

「なんで?」

「……」
画面の向こうで俯くリミ
俺はコーヒーを入れPCが置かれた机の前に座った

リミはおそらくベッドの上に腰を掛、手を伸ばしながら話している

「お待たせ…では再開しようか」

リミが緊張した顔になった

「リミの部屋って道路側だったね」

「…はい」

「じゃ、窓の前に立って…」

「はい」
スマホの画面が揺れリミが移動している

「ここでいいですか?」
カーテンを後ろに立つリミ

「そうじゃないって分かってるよね…」

「…」

「カーテンを開けて外を見て」

「ぇ!、で…でも…」

「嫌なの?」

俺がそう言うと無言で首を横に振るリミ

「隙間から外に誰もいないか確かめてからカーテンを開けていいから」
「できるよね?」

コクンと首を縦に振ったリミは唇はギュッと固く閉じられていた

映像は大きく揺れカーテンと思われる繊維が映し出される
ガサガサと繊維がメイクに触れる音が大きく聞こえる

そして…
リミが映し出された
胸を片方の腕で隠し、その腕から上は首輪だけで恥ずかしそうなリミだ

「外はどんな感じ?」
俺が聞くと
「薄暗くて街灯が光が」

「向かい側の家に電気はついている?」

「向か…いえ、真っ暗です」

「そっか、それは残念だったね」
「電気がついていたら、凄くドキドキしただろうに」

「そ、そんな…」
俯くリミが映し出される

「下を向いていたら人が通りかかってもわからないよ…」

「へっ!は、はい」
リミがもう一度外を見たのだろう
目線が変わる

「あと、胸を隠している手を下げて」

一瞬見開いた瞳がカメラ目線になる
そして、細かく首を横に振るリミ

「は や く」



「命令だよ」

「わ、わかりました…」

返事をしたものの暫く動かないリミ
躊躇しているのがわかる

俺はしばらく無言で見守る事にした

リミがごくりと唾を飲み込んだのがわかる

そして、ゆっくりとリミの手が胸から離れた



リミの目がキョロキョロとあちこちを見る

リミの緊張感が伝わってくるようだ

リミも俺も言葉を発しない

しかし、その時だった

「キャッ!!!」
『ゴンゴン』」
映像が大きく乱れたあとカメラは天井らしきものを映していた



「もしもーし、何があったの??」
「大丈夫かい?」



もう一度映像が動きリミの顔がアップで映された

「どうしたの?」
もう一度聞いた

「ひ…人が外の道を通って…」

「見られちゃった?」

リミは大きく首を横にふり
「わ、わからない、わからないけど…たぶん大丈夫…だと思い…ます」

「そっか…無事でよかったね」
「今はしゃがんでいるの??」

「はい…」

「リミのえっちな部分はどうなってる?」

「えっ!」

「濡れているか触って確認してみて?」

「そんな事は…」
そう言いながらリミが少し動く

リミの顔が驚きと困惑の顔が交差する

「濡れて…ました。しかも凄くたくさん濡れてヌルヌルしてます…」
「な…なんで、、、」
リミが言った

「頭では理性が保たれているけど、リミの心は興奮していたんだろね」


俺の言葉を聞いているのかわからないが
リミの表情が時々ゆがむ
そして映像が多少ブレる


「いいよ…そのまま気持ちよくなっても」

「…わ、わかっちゃいまし、た…か?」
「あっ……りがとう…うっ…ございます…」

リミの顔が大きく歪んでいく
画面からリミの顔が時折外れる

「あっ………あっ………ああっ…」


「イッ、イヤっ、ひゃっ、わ…わたしっ…もうぇ…い、イッちゃ…うぅぅあっぁぁぁぁぁぁぁ…」



「イッちゃった…一人でこんな早くイッちゃうの…始めてかも…」

「やっぱり興奮していたんだね」

「うぅぅぅ…」
泣きそうな声を出すリミ
「私、こんなに変態だったんだ…」

「知らなかったの?リミはド変態だよ」
「でもね、人なんてそれぞれ性癖や癖を持っていて…たぶんみんな隠しているだけ」
「もしくは、理性で抑えているだけ」

「うん」

「はい…ね」
俺は悪戯っぽく笑いながら訂正した

「あ!はい」

「リミも学校でその格好になろうとは思わないでしょ?」

「そ、それはない、、、です」

「うん、リミはたぶんすごく興奮するだろうね。でもそこは理性が勝つ」
「ONとOFFをしっかりと切り替えれば気にしないでいいよ」

「…そっか」
ぼそっと呟くリミ
「ありがとうございます」
そして礼を言うリミだった

「真面目な話しをしちゃったね」
「じゃ、もう少し気持ちよくなろうか」

「はい」
なぜか少し元気な声で返事をしたリミ
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