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26.盛大に後悔する羽目になった*

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「んんっ」

 首筋に痛みを感じて、またキスマークを付けられてしまったのだと分かった。
 止めてもらおうとして、でも手が動かない。

「あ、痕、付けないでくださいっ」
「ん? なんで?」
「なんでって、当たり前ですよね。それ隠すの大変なんですからっ」

 毎朝アンナがどれだけ丁寧に隠してくれてると思ってるんだ。

「そんなに大変なら前に着ていたような、もっと肌が隠れるドレスにすればいいんじゃないかな?」
「嫌ですっ」

 確かに前世を思い出す前は首元まで詰まったデザインだったし、胸の大きさだって目立たないように気を使っていた。
 でもそういうのは止めたのだ。私は自分の身体は武器だと思うし、わざわざ隠すような事はしたくない。自分の選んだ服を好きなように着たい。

「そうか、そうしたら仕方ないな」

 そのため息は止めてくれるものだと思った私は悪くない。
 けれどそんな考えは甘かったみたいだ。
 ソファと背中の間に手を入れられたかと思うと、後ろで結ばれていたドレスのリボンを解かれた。キツく締め上げていた布地が緩んで、そして更に早業のように胸元の生地を引っ張り下げられる。

 元々谷間の深くまで露出していた胸がふるんと揺れて現れる。

「え?」
「そんなにレベッカ嬢が嫌がるのなら、せめて見えないところに付けてあげるよ」
「ぁ……んっ」

 自分の身に何が起こっているのか上手く把握できない。
 でもそんな私にゆっくりと付き合ってくれる気はないみたいで、空気と視線に晒された胸の下の方に吸い付かれる。ちくりとした痛みに思わず声が出る。

「え、エリオット殿下……ぁ、やんっ」
「柔らかくて美味しいね」
「だめ……っ、ん、止めて、くださいっ」

 はだけた胸にエリオット殿下の熱い舌先を感じる。
 肌を舐められているのだと、恥ずかしさで頭が沸騰しそうだ。
 エリオット殿下の舌が肌を辿るたびにぞくぞくする。息が詰まる。

 止めて欲しいのに手が動かない。

「ほらレベッカ嬢、そんなに震えてちゃとてもじゃないけど色仕掛けなんて出来ないよ?」

 くすくすと笑う声が耳から入ってくる。
 そんなこと言われたってどうにも出来ないんだから仕方ない。私だってなんかもっと余裕をもって対応したいって思うけど。

「あぁっ!」
「ん、ぷっくり膨れてて可愛いね」

 ふ、と熱い息を胸の先っぽに掛けられた。
 思わずそっちの方を見てしまって、私は盛大に後悔する羽目になった。

 はりのある白くて大きな胸のすぐ向こうにエリオット殿下の顔がある。
 薄く色付いた先っぽは言われた通りぷっくりと膨らんでいて、固く立ち上がっていて。
 そしてエリオット殿下がぴちゃりと音を立てて舐めたかと思うと、ぱっくりとその口内に咥えられてしまったのだ。

 腫れ上がったそこを濡れた舌に押しつぶされて、びくんと身体がはねた。

「あ……っ、や、待っ……っ! ぁあっ」

 信じられないものを見させられているというのに、エリオット殿下はそれだけじゃ飽き足らずに反対側の胸をもにゅりと掴んだ。
 両胸を揉まれて、舐められて。突然自分の身に振りかかってきたことが、目の前に突きつけられても信じられない。

「や……うそ、なん……でぇ。んんっ」

 大きな胸を持ち上げられながらくるくると色付いた周りを撫でられる。そうされるとなんだかじんじんして、切なくなる。
 対して反対側は舌先でつつかれたり押しつぶされたりして、おかしくなりそうだ。
 もどかしいような胸と、反対に刺激が強すぎる胸と。その差が苦しい。
 甘い痺れが止まらない。

 悲しいわけじゃないのに何故か涙が流れた。
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