【R18】転生したらお姫様で嫁いだ王子様は触手プレイ好きの変態だった

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　繰り返す。前世で私は喪女だった。
　オタク友達は男女問わず居たけど彼氏どころか恋愛のれの字もなかった。
　いや厳密に言えば二次元限定で常に恋はしていたんだけど！なんなら夢女でもあったから妄想の中では紆余曲折の大恋愛の末に身も心も結ばれてあーんなことやこーんなことをしちゃって子供も男の子三人に女の子二人出来て孫に囲まれて幸せな老後を……って、そこは良い。

　そして今世では姫として生まれ育ったからそんな簡単に男女の接触的なものがあるはずもなく。今まで手の甲へのキスや軽いハグはあってもそれ以上なんてなくて。
　キスだって誓いの儀式でエーヴァルト様とした一回っきりでそれ以上なんてなくて。
　前世と今世合わせて四十年以上での経験がキス一回なわけですよ！大丈夫、妄想ではいっぱいしてたから！泣いてないし悲しくもない！

　いやそうじゃないんだ。
　関係ないことが頭の中を怒涛の勢いで駆け巡ってるのはこの状況にパニクってるからだ。
　四十年以上生きてるはずなのに精神年齢が成長出来てないのか、それとも肉体年齢に影響を受けてるのか、それとも単純に経験値が足りていないだけなのか。
　落ち着きとかが私には圧倒的に足りてない。大人の色気？そんな物は前世でも今世でも拾うイベントが起こってないよ！

「ディアナ」

　耳元でエーヴァルト様の甘ったるい声が囁く。
　それどころか耳に柔らかい熱さが感じられて、これはもしかしてもしかしなくてもエーヴァルト様のあの美しい唇が触れてるんじゃないかなって想像してしまって思わず身体がビクッと震えた。
　逞しい胸元に顔を埋めて力強い腕に抱き締められて、その上耳元で名前を呼ばれるとか。無理、心臓持たない。

　だって私が今着てるのってうっすい、まじほんと防御力ゼロのナイトドレスとレースのパンツだけなんだよ？こんなの最初の村で初期装備してる布の服より酷い。こんなんじゃスライムの攻撃すら防げないって！
　あ、でもよくあるファンタジーえろ漫画のスライムは倒すっていうよりもっとえっちな用途で出て来ててあれは美味しかった……ってバカバカ！絶対今思い出すことじゃないでしょ！

　薄い布越しに感じるエーヴァルト様の体温が妙に気になる。それだけじゃなくて、自分の大きな胸が押し潰されるみたいにエーヴァルト様にくっついてるのも精神衛生上大変よろしくない。
　今世の私はＦカップくらいあるのだ。前世の貧乳だった私には話に聞くしか無かった、胸が重くて肩が凝るっていう体験が出来てしまうくらいのサイズなのだ。
　しかも日に焼けないように徹底的に注意されてたから肌は真っ白だし、張りがあってぷるんてしてて大きいけど垂れてなくて触るとマシュマロみたいに柔らかくて……そんな重量感と存在感がありまくりなおっぱいが今エーヴァルト様の身体にむぎゅ～って潰されてる。
　エーヴァルト様は気にならないのかな。私は意識しすぎて頭が沸騰しそうなくらいなんですけど。

「……やっと手に入れた」

　え？

　囁くように小さな声でぽつりと零された一言を耳が拾う。