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4.なんか、暑くない?
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せっかくの登校日は結局何も無く終わった。
今日は午前中だけだから、お昼すぎのいま、残ってるのは部活やってる人だけだ。
岡本はバイトが忙しくて帰宅部だから、もうとっくに帰っちゃってる。
私は委員会で先生に引き止められて、結局帰る時間を合わせることすら出来なかった。
始業式までまた会えないとか、ほんと夏休みなんか嫌いだ。
「紗知?」
「お……おかもト!?」
教室のドアを開けたらもうとっくに居ないはずの岡本が席に座ってて、ビックリしすぎて声がひっくり返った。恥ずかしい。
「カバンあったからまぁ残ってんだろうなとは思ったけど、こんな時間まで何してたんだ?」
「あ、あの……い、いいんかい」
「へー、大変だな」
ささっと窓際の自分の席に移動して、置きっぱなしだったカバンを取った。
どうしよ、教室に二人っきりなんて初めてだ。緊張しすぎて心臓が口から飛び出そう。
「おか、岡本は? こんな時間まで、どうしたの?」
「俺は反省文書かされてた。別に肌とか髪の色くらい自由にさせろって感じだよな。大体金髪はともかく色黒くなったのは引越し屋のバイトのせいで、別に遊んでたわけじゃないってのによ」
「そうなんだぁ」
……って、何その返事。もっとほら、何かあるじゃん。会話を盛り上げるような、なんかがさぁ。
いつもならこんなこと考えもしないで楽しく話せるのに、なんで一番話をしたい岡本相手だと上手くいかないんだろ。
逃げ出したい気持ちと、でもこんなチャンスこの先二度とない気がする思いとで、カバンを掴んだまんま突っ立った。
「紗知は?」
「……え?」
「紗知だって髪染めてんのに、なんも注意されなかった?」
いつの間にかすぐ横に来てた岡本が大きな手を伸ばしてきて、さらっと前髪をすくった。
え、私の髪色が違ってること気がついてくれてたの? なにそれ、嬉しすぎるんだけど。
「な、な、な……なんか、暑くない?」
「あー、もう教室のエアコン切られてっからな。窓開けただけじゃ暑いよなぁ」
「……っ」
私の身体を挟むように岡本が両手を窓枠について外を見た。
まって、まってこれ、……これ、こういうの、映画で見たことある。壁じゃなくて、窓だけど。恋愛映画でよく見るやつだ。
今日は午前中だけだから、お昼すぎのいま、残ってるのは部活やってる人だけだ。
岡本はバイトが忙しくて帰宅部だから、もうとっくに帰っちゃってる。
私は委員会で先生に引き止められて、結局帰る時間を合わせることすら出来なかった。
始業式までまた会えないとか、ほんと夏休みなんか嫌いだ。
「紗知?」
「お……おかもト!?」
教室のドアを開けたらもうとっくに居ないはずの岡本が席に座ってて、ビックリしすぎて声がひっくり返った。恥ずかしい。
「カバンあったからまぁ残ってんだろうなとは思ったけど、こんな時間まで何してたんだ?」
「あ、あの……い、いいんかい」
「へー、大変だな」
ささっと窓際の自分の席に移動して、置きっぱなしだったカバンを取った。
どうしよ、教室に二人っきりなんて初めてだ。緊張しすぎて心臓が口から飛び出そう。
「おか、岡本は? こんな時間まで、どうしたの?」
「俺は反省文書かされてた。別に肌とか髪の色くらい自由にさせろって感じだよな。大体金髪はともかく色黒くなったのは引越し屋のバイトのせいで、別に遊んでたわけじゃないってのによ」
「そうなんだぁ」
……って、何その返事。もっとほら、何かあるじゃん。会話を盛り上げるような、なんかがさぁ。
いつもならこんなこと考えもしないで楽しく話せるのに、なんで一番話をしたい岡本相手だと上手くいかないんだろ。
逃げ出したい気持ちと、でもこんなチャンスこの先二度とない気がする思いとで、カバンを掴んだまんま突っ立った。
「紗知は?」
「……え?」
「紗知だって髪染めてんのに、なんも注意されなかった?」
いつの間にかすぐ横に来てた岡本が大きな手を伸ばしてきて、さらっと前髪をすくった。
え、私の髪色が違ってること気がついてくれてたの? なにそれ、嬉しすぎるんだけど。
「な、な、な……なんか、暑くない?」
「あー、もう教室のエアコン切られてっからな。窓開けただけじゃ暑いよなぁ」
「……っ」
私の身体を挟むように岡本が両手を窓枠について外を見た。
まって、まってこれ、……これ、こういうの、映画で見たことある。壁じゃなくて、窓だけど。恋愛映画でよく見るやつだ。
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